【エッセイ】苦手な梅雨の気配を感じた日。-春の終わりと夏のはじまり-
おとといの朝のこと。
いつもより1時間早く、目が覚めた。
起きなきゃ
というより
もう寝ていられない
子どもの頃の日曜日の朝みたいな感覚だった。
早めに朝支度を終わらせて、ひとり時間を楽しんでいると
「カッコー」「カッコー」
と外から声がする。
しばらく鳴き続けているので
うちの近所では聞き慣れない鳴き声に
ちょっと嬉しくなって玄関を開けてみた。
気持ちいい風が吹いていて、朝陽がいつも以上にまぶしい。
カッコウ。なんだか久々に聞いた気がする。
と、耳を澄まして聞いていると
「新しい流れ」
と奥の方から聞こえた気がした。
ヒューっと風が急に強くなり
くすぐられたような感覚に思わず顔がほころんだ。
その時
「空気の入れ替え」
とまた奥の方から聞こえてきた。
確かにそんな感じのする風だ。
梅雨入り前の空気の入れ替えだろうか。
そんなことを思っていると
「橋渡し」と言葉が浮かんだ。
春から夏への橋渡し。
梅雨ってそんな役割なんだろうか。
そんなことを思いながら、苦手な梅雨のことを考えた。
湿度が苦手な私は随分長いこと、梅雨時期は不調に悩まされ
年々自分を観察しながら、どんどん身軽になってはいるものの、やはり「梅雨」と聞くだけで心までジメッとしてしまう。
湿度の高い日は、体の中の巡りが悪くなるような気がしている。
胃腸の動きが弱くなったり、体の中に水分が溜まったり、感覚が鈍くなるイメージがある。
そのせいか、排出する力まで弱まってしまうように感じている。
体の中にいろいろ溜まり始めると、不思議なことに感情まで溜め込みがちになる。
だから今年の梅雨は、食事や睡眠で体を冷やさないことはもちろん、「出す」ということをいつも以上に意識してみようかな、と少し考えていた。
息を吐く。
感情を吐き出す。
汗をかく。
出せるものは出す。
出せば勝手に巡り出す。
雨が降って全体を潤し、空気を入れ替えてくれるように、私も溜め込んだものを少しずつ外へ出して、新しいものを迎える準備をする。
新しい流れ。
空気の入れ替え。
橋渡し。
梅雨は、春の間に抱え込んだものを手放すための時間なのかもしれない。
カラッとした夏を迎えるための準備期間。
そんなふうに感じていたら
少しだけ梅雨を楽しめそうな気がしてきた。
春に溜め込んだ緊張感や地味に抱えたストレスも、ゆるっとリセットできたらいいな。
この風は、梅雨入りを少し身構えていた私に、そっと安心を届けてくれたようだ。
春の終わりと夏の始まり。
それを繋ぐ梅雨。
これからくる梅雨を前に
私の身体は、一足早く梅雨入りしたようだ。
準備を始めよう。
鳴き続けていたカッコウのこと。
ひとりで迷子にでもなったのか?
と少し心配になった。
すると
「ガッゴウ」
と、さっきとは明らかに違う声がした。
友達いたんだ(笑)
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日常の中の気づきや体感を、感覚に触れるような文章として綴っています。
「読むたびに、感覚がふわっと少しずつ思い出されていく」
そんな場所でありたいと思っています。
