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【なぜ】MCHCが高値なのか

MCHC 40を見たら何を考える?


~検査値の違和感から考える~

CBCを見ていて、

「MCHC 40 g/dL」

そんな値を見た瞬間、私は一度画面を見直します。

なぜなら、MCHCは普段あまり大きく動かない項目だからです。

ヘモグロビンが高いことは珍しくありません。

しかし、MCHC高値はそう頻繁に見られるものではありません。

だからこそ、私はMCHC高値を見たときに一度立ち止まるようにしています。

今回は、

「なぜMCHCは高値になるのか」

そして

「現場ではどう対応するのか」

について考えてみます。

そもそもMCHCとは?

MCHC(Mean Corpuscular Hemoglobin Concentration)は赤血球内のヘモグロビン濃度を表します。

計算式は

MCHC(g/dL)
= Hb ÷ Ht × 100

です。


つまりMCHCは測定値ではなく計算値です。

そのため、

Hb

Ht

どちらかに異常があればMCHCにも影響します。

まずCBC全体を見る

MCHCだけを見るのではなく、

私はまず

・RBC

・Hb

・Ht

・MCV

を確認します。

例えば寒冷凝集がある場合、

赤血球同士が凝集してしまうため

RBC ↓

MCV ↑

MCHC ↑

という特徴的なパターンを示します。

MCHC高値は単独で見るのではなく、

CBC全体の違和感として捉えることが大切です。

機械のフラグは何を意味している?

自動分析装置ではさまざまなフラグが表示されます。

ただ、

「Cold Agglutinin」

「RBC Agglutination」

などのフラグが出ても、

新人の頃は意味がよく分かりませんでした。

フラグは診断名ではありません。

「測定値に影響を与える何かが起きている可能性があります」

という機械からのメッセージです。

そのため、

フラグが出た理由を考えることが重要になります。

私がまず考えること

MCHC高値を見た場合、

まず寒冷凝集を疑います。

これは一例です。ガイドラインや院内ルールに従ってください


特に

・MCHC高値

・MCV高値

・RBC低値

が同時に見られる場合は要注意です。

次に塗抹標本を作製します。

赤血球凝集の有無はもちろん、

球状赤血球など他の異常所見も確認します。

現場での対応

寒冷凝集が疑われる場合、

37℃加温後に再測定を行います。

また、MCHCの基準値は一般的に32~36 g/dL程度であり、37 g/dLを超える場合は測定異常や球状赤血球症などを考慮します。特にMCHCが38 g/dL以上、今回のように40 g/dL前後であれば寒冷凝集の可能性を強く疑い、CBCデータや機械フラグ、塗抹所見をあわせて確認します。

採血時には電子カルテや採血システムに寒冷凝集素症患者であることが分かるように登録し、採血後は速やかに検査室へ提出します。速やかに検査室へ持参された検体であっても凝集が強い場合には、CBC(正式名称:Complete Blood Count、血算データ)の測定について機械をマニュアル測定へ切り替えるなど、考えられる最速の方法で測定を行います。時間外や夜勤帯などで自分が血液担当者でない場合は、血液担当者へ速やかに連絡します。

もし自分が血液担当者でない場合は、

血液担当者へ報告します。

「MCHC高値」

だけではなく、

・RBC

・MCV

・機械フラグ

・塗抹所見

なども合わせて伝えると状況が共有しやすくなります。

輸血が関係する場合

寒冷凝集が強い症例では、

血液型検査や交差適合試験に影響することがあります。

そのため、

輸血の可能性がある場合は輸血担当者への連絡も重要です。

私であれば、

・ヘモグロビン値

・血液型(判明していれば)

を合わせて伝えます。

場合によっては血液型判定や適合試験に苦戦することもあります。

今日の気づき

私自身、新人の頃はMCHCをほとんど見ていませんでした。

Hbと白血球数だけ確認して結果を返していたこともあります。

しかし経験を重ねる中で、

「MCHCが教えてくれる異常」

があることを知りました。
MCHC高値は単なる異常値ではありません。

検体異常や病態を教えてくれるサインです。

普段見慣れている項目でも、

少し立ち止まって考えてみると新しい発見があります。

注意点

今回ご紹介した対応は、あくまで私自身の経験や一般的な考え方に基づくものです。

実際の運用は施設ごとに異なるため、必ず所属施設のマニュアルや院内ルールに従って対応してください。

また、寒冷凝集を疑う際にMCHC高値は重要なヒントになりますが、MCHCが基準範囲内だからといって寒冷凝集を否定できるわけではありません。

採血から測定までの時間や凝集の程度によっては、典型的なデータ変化を示さない場合もあります。

そのため、

・機械フラグ

・RBCやMCVの変化

・塗抹標本所見

・患者背景

なども含めて総合的に判断することが大切です。

なお、MCHC高値の原因は寒冷凝集だけではありません。

球状赤血球症、溶血、高脂血症など、他にも考慮すべき原因があります。

これらについては別の記事で改めて取り上げたいと思います。

今回の「なぜ?」はMCHCでした。

またひとつ、「なぜ?」を探しにいきましょう。

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