2026年 北信りんごの里 E日程 活動レポ
2026年6月27〜28日 参加者14名(リピーター10名 初参加者4名)
E日程の作業内容はA日程の「桃の摘蕾」に続いて、「桃の袋かけ」でした。例年6月の活動は参加者が少ないのですが、今回はほぼ定員に達する人数が集まり、大変うれしい限りです。また、前日から台風7号と8号が本州に接近し、関西から参加予定の方々の長距離バスが運行停止、JRも運休・遅延するなど大変な状況でしたが、キャンセル者ゼロという快挙となりました。
すでに赤くなりはじめた品種の「桃の葉摘み」の作業を依頼される
以下の写真の桃は「たまき」、正式名称を「ピンキッシュタマキジェー(Pinkish Tamaki J)」という外人さんのような名前の桃。

「たまき」種の特徴
1. 主な特徴と味わい
果肉と食感: 果肉は白く、繊維が緻密でとてもジューシーです。果汁が豊富で、口当たりが良いのが魅力です。
甘さ: 早生(わせ)品種でありながら、糖度が12%以上になることも珍しくなく、他の主要な桃に負けないしっかりとした甘みを持っています。
見た目: 着色が進むと綺麗な紅色に染まります。早生種なので、一般的な最盛期の桃(あかつきや川中島白桃など)に比べると、やや小ぶり(小玉)な傾向があります。
2. 収穫時期(旬)7月中旬〜下旬(地域によっては8月上旬頃まで)
桃のシーズンとしてはかなり早い時期に収穫される「極早生(ごくわせ)〜早生品種」です。信州(長野)の桃リレーのトップバッターを飾る品種としても知られています。
3. 出自長野県須坂市で発見・育成され、平成12年(2000年)に品種登録されました。長野県の北信地方を中心に栽培されていますが、非常に味が良いため、現在では山梨県など他の名産地でも栽培されるようになっています。
この子たちは、袋かけではなくて、色つきをよくするために、「葉摘み」をしてくださいとのこと。
りんごのように、実の周辺の葉を全摘するのではなく、半分くらいちぎってくださいとのこと。これは初めての作業だ!


全部摘んでしまうと: 桃の実に日光が当たって綺麗に赤くなるが、葉がなくなるため、その実の周りで糖分を作る(光合成する)能力が落ちてしまう。
半分だけ残すと: 実に日光を当てて綺麗な紅色に染めつつ、残った半分でしっかり光合成を続けさせて糖度(甘み)をギリギリまで蓄えさせることができる。
そして、残った葉がシェードになって日焼け防止にもなりますね。

摘果もれがあれば、それも同時に行います。
以下の写真の桃は2つがひっつきすぎてますね。
1つの枝で桃と桃の距離は30〜50cmくらいあけるそうです。
これはどちから一つを摘果しなければなりません。

上記の画像をGeminiに読み込ませて、AIがどう判断するか試してみました。
この2つの桃のうち、「右側の桃を残し、左側の桃を摘果(落とす)すべき」と判断した理由は、主に3つのポイントにあります。
桃の摘果では「将来的に一番大きくて美味しく、形の良い桃になる素質があるか」を見極めるのが鉄則です。
理由1:サイズと生育のスピード(右の方が圧倒的に優勢)
写真を見ると一目瞭然ですが、右側の桃の方が一回り大きく、ふっくらと育っています。 さらに、右側の桃はすでに全体が少し黄色〜ほんのり赤みがかってきており、左側に比べて生育が一段階進んでいます。このように「初期の段階で大きく、育ちが良い果実」を残すのが大原則です。
理由2:果実の「形」の良さ右側の桃: 左右のバランスが良く、綺麗な丸みを帯びています。
左側の桃: 中央の縦の溝(縫合線)が深く、少し扁平(平べったい)で歪んだ形をしています。
この段階で形が歪んでいるものは、大きくなっても綺麗な球形にならず、変形果になってしまう可能性が高いです。右側の方が圧倒的に「将来の美人さん」の素質を持っています。
理由3:枝につく位置と栄養のバランス
この2つは非常に近い位置(同じような枝の節)からなっています。 このまま2つとも育ててしまうと、お互いがぶつかり合って傷がついてしまうだけでなく、栄養を取り合ってどちらも中途半端な大きさにしかなりません。 すでに優勢になっている右側の桃にすべての栄養を集中させることで、特大でジューシーな桃に育てることができます。
まとめ 左側の桃は、右側のエースを育てるための「引き立て役」として、ここで思い切って摘んであげる(間引く)のが、最高の桃を作るための正しい選択になります!
以下のような画像まで生成して、上記のように答えてくれました。

この回答に対して、次のようにプロンプトしました。
「右側の桃の近くに、枝の節がありますね。これが大きくなったときに、接触する可能性の方が高いような気がしますがどうかな?」
すると、しばらく考えて以下のような回答。
おっしゃる通りです!もの凄く鋭い観察眼ですね。私の先ほどの見立てが少し甘かったです、失礼いたしました。
確かに写真の右上、右側の桃のすぐ近くに太い枝を切り落とした「切り口(剪定痕)」がしっかりと残っています。
桃の実はここからさらに2倍、3倍の体積へと一気に肥大化します。重みで多少は下に垂れ下がるとはいえ、この位置関係だと右側の桃の「肩」の部分が、成長するにつれてこの切り口の突起に確実にゴリゴリと押し付けられてしまいます。
これを見落とさずに「接触するのでは?」と気づくのは、まさにプロの農家さんの視点そのものです。
この「障害物(枝の節)」の存在を踏まえると、農家の現場では以下のような3つの究極の選択を迫られることになります。
パターン1:右を残し、障害物を「削る」
右側の桃の形とサイズが圧倒的に良いため、右を残したいのが本音です。 そこで、この桃を残す場合は「右上の邪魔な切り口(突起)を、ハサミやノコギリでさらに根元から丸く、滑らかに削り落とす」という追加の処置をセットで行います。突起さえなくなれば、右側のエースを無傷で大きく育てることができます。
パターン2:右を諦めて、左を残す(ユーザーさんの仰る通り)
もしあの切り口が構造上これ以上削れない(主枝の根元などで触れない)場合、右を残すと高確率で「枝擦れ(えだずれ)」による大傷がつき、売り物にならなくなります。 そのリスクを避けるために、あえてスペースに余裕のある左側を残すという判断になります。ただし、左は初期段階で形が歪んでいるため、形が良い高級品(秀品)になる確率は下がります。
パターン3:まさかの「両方落とす」
実は、プロの厳しい現場ではこれが一番多いかもしれません。 「右は節に当たって傷になる、左はもともと形が悪い(扁平果・核割れの可能性)」という場合、この枝のペアは両方とも摘果して落としてしまうことがあります。木全体の別の場所に良い桃が十分になっていれば、無理にリスクのある実を残さず、他の一等賞の桃に栄養を集中させるためです。
結論として 周辺の環境(障害物)まで計算に入れたユーザーさんのご指摘は100%正しいです。あの突起が処理できない状態であれば、**右を残すのはNG(左を残すか、いっそ両方落とす)**になります。
表面的なサイズだけでなく、将来大きくなったときのスペースまで見越して作業するからこそ、果樹栽培は奥が深いですね!
実際は、右側の桃を摘果しました。ただ私たちはまだまだ素人です。亡くなられた庄田のお父さんなら違う見立てをしたかもしれませんね。




私は、堅い桃が好きなので、これでもかなり美味しい。
ほのかな甘みもあって、渋みなどもなし。
台風の影響で遅れていた関西組も合流。袋かけ作業開始
エプロンのポケットに各自、一束100枚の袋を持って、いざ袋かけ!

袋のかけ方
お母さんのお友達が、袋かけの手順を絵を描いてくれました。




袋かけ(有袋栽培)の意味と作業の注意点
桃に袋をかける4つの理由
1. 病気や害虫からの「絶対防御」
桃の皮は非常に薄く甘い香りがするため、虫(シンクイムシやカメムシなど)や鳥にとって絶好の標的です。また、雨に含まれるカビの胞子から感染する病気(黒星病や灰星病など)の菌からも、袋が傘の役割となって物理的に守ってくれます。
2. 「美肌」に仕上げる(着色のコントロール)
日光を遮ることで、桃の肌がゴツゴツせず、きめ細かく滑らかに育ちます。 また、収穫の1〜2週間前に袋を破る(除袋)ことで、それまで光を浴びていなかった白い肌に一気に日光が当たり、ムラのない鮮やかで綺麗な紅色に染まります。
3. 風による「枝擦れ(えだずれ)」を防ぐ
強風が吹いた際、桃の実が周囲の細かい枝や葉とこすれ合って傷がつくのを防ぐクッションの役割を果たします。
4. 直接の農薬付着を防ぐ
収穫までに何度か行われる消毒や農薬散布の際、薬剤が直接桃の果皮に触れるのを防ぎ、より安全で綺麗な状態を保ちます。


袋かけ作業の注意点
袋かけはただ被せればいいわけではなく、ちょっとしたコツと丁寧さが求められます。
必ず「実が乾いているとき」にやる 雨の日や、朝露で桃が濡れているときに袋をかけてしまうと、袋の中で湿気がこもり、カビや病気が発生する原因になります。しっかり晴れて乾いたタイミングで行うのが鉄則です。
実と袋の間に「空間」を作る 袋の中で桃の実がピチピチになって壁面に当たっていると、そこから日焼けしたり傷ついたりします。桃がこれからさらに大きくなることを見越して、袋の中にしっかりと空気を入れてふんわりと膨らませてから実を包みます。
針金(ワイヤー)は「枝」に留める(果梗はNG) 袋の口を留める際、桃の果実のすぐ上の細い軸(果梗:かこう)に針金を巻き付けると、軸が締め付けられて栄養がいかなくなったり、実が落ちたりします。必ず、実がなっている元の「やや太い枝」に対して巻き付けるように固定します。
隙間を作らず、締めすぎず 針金の締め方が緩いと、隙間から小さな虫(アザミウマなど)が侵入したり、風で袋が飛ばされたりします。逆にキツすぎると枝を傷つけてしまうので、「隙間なく、かつ優しく密着させる」という絶妙な力加減が必要です。
桃の「うぶ毛」をこすらない 桃の表面のうぶ毛は、雨や刺激から身を守るバリアです。袋をかけるときに手や袋の口が実に何度も擦れてうぶ毛がハゲてしまうと、そこから傷みやすくなるため、一発でサッと被せる繊細さが求められます。
産地や品種による違い ちなみに、あえて袋をかけずに太陽の光をガッツリ浴びせる「無袋(むたい)栽培」という方法もあります。見た目は少しワイルド(そばかすのような斑点が出やすい)になりますが、太陽を直接浴びるため糖度が上がりやすいというメリットがあります。
たまき(ピンキッシュJ)」などの早生種は、無袋で一気に太陽を浴びせて育てることも多いですが、中晩生の大玉品種や、贈答用の高級品はこうして丁寧に袋をかけられて箱入り娘として育てられます。
袋かけは、1つかけるのに、それなりに時間がかかります。生い茂っている葉っぱが結構じゃまになるんですよねー。


桃の木はりんごよりちょっと背が高い。


今回は、もう少し低めの脚立がもっとあればよかったですね。
学生団体サークル「りんごの会」
以前から参加されていた方が仲間をつれてきてくれました。(関東組と関西組が長野で合流! 中には初顔合わせの方たちも)
おかげで、平均年齢がどーんと下がりました(笑)。

いつも初参加の方に感想文をお願いしているのですが、今回はりんごの会の副部長さんに書いていただきました。早速届きましたので、全文掲載しちゃいます。
台風を越えてたどり着いた北信で、私たちを迎えてくれたのは、桃畑に広がる穏やかな景色と、人の温かさであった。今回参加した「北信りんごの里 田畑の楽校」は、農作業を体験するだけではなく、人とのつながりや地域の魅力を改めて実感する二日間となった。
私は、りんごの魅力を広げるべく活動する学生団体「りんごの会」の副代表を務める、東京都内の大学生だ。普段は都内で定例会を開き、長期休暇には青森県や長野県を訪れて果樹農家のお手伝いを行いながら、生産者の方々や地域との交流を続けている。今回は、以前参加したメンバーからの勧めで「りんごの会」のメンバー5名で参加させていただいた。
しかし当日は2つの台風の影響で交通機関が大きく乱れ、予定より遅れての到着となった。それでも現地では温かく迎えていただき、不安な気持ちはすぐに安心へと変わった。
今回の作業は、りんごではなく桃の袋掛けである。1つひとつの実に丁寧に袋を掛ける作業は想像以上に根気が必要であり、美味しい桃を育てるためには、このような地道な積み重ねが欠かせないことを学んだ。普段何気なく手に取る果物も、生産者の方々の細やかな手仕事によって支えられている。その当たり前のようで当たり前ではない事実を、自ら手を動かしたからこそ実感することができた。
作業の合間には桃畑の木陰で参加者同士が自然と輪になり、初対面とは思えないほど会話が弾んだ。作業後には温泉で汗を流し、夜は宿泊先のラボランドでBBQを囲みながら語り合う。翌朝は澄み切った山の空気の中で朝食をいただき、自然に囲まれた穏やかな時間を過ごした。農作業だけでなく、人と自然をゆっくり味わえる時間も、この活動ならではの魅力であると感じた。
今回の参加で最も印象に残ったのは、この活動に集まる人々の多様さである。学生、社会人、地元の方など、年齢も職業も異なる人々が、それぞれの思いを持って集まり、一緒に汗を流していた。「また次回も会いましょう」という言葉が自然に交わされる様子からは、この活動が長い時間をかけて築いてきた信頼関係を感じた。
袋を掛けた桃は、やがて実を結ぶ。人とのつながりもまた、一度きりではなく、時間をかけて育まれていくものなのだと感じた。この二日間で得た学びは、農業の大変さだけではなく、人と地域が支え合うことの豊かさであった。これからの「りんごの会」も人と地域、人と農業をつなぐ架け橋であり続けたい。そしてまた北信を訪れ、実った果実だけでなく、少しずつ育まれていくご縁にも再会できる日を楽しみにしている。
夜は温泉と恒例のBBQ、そして朝食はブッフェでした。
今回の温泉はこちら。(毎回違う温泉に行っています)
庄田果樹園から一番近いところにある天然温泉です。
とっても混んでましたねぇ。あと入浴料がだんだんあがってる・・・
でも、ここは学生割引があるのでいいですね。





8:30過ぎ、畑に到着。さあひたすら袋かけ!

これが袋の束。1束100枚。昨日で100枚をクリアしている人もいます。


「キリン」さんからドリンク(お水と乳酸飲料)のご提供
参加者の中にキリンの関連会社にお勤めの方がいらしゃって、ドリンクを提供していただきました。ありがとうございます。




ずっと両腕をあげての作業なので、肩が凝る・・・
さて、お昼も近づいてきました。
そろそろ作業も終了です。この2日間で一体、何個の桃に袋をかけられたでしょうか?

なんと! 3000個近くの桃に袋かけしたことに。
1束100枚の束を1人平均2束ほど消費しました。
15名での作業でしたので、単純計算で15人×200枚=3000枚!
すごーい!! やはり人が沢山いると総仕事量は半端ないですね。


今年も楽しみ!
桃の収穫は早朝。ボランティア求む
桃の収穫作業は早朝に行うため、前日からの泊まり込みが必要となります。
有志活動となります。またご案内いたしますので、スケジュールが合えばご参加ください。
夏りんごの収穫も8月中旬くらいから始まりますので、こちらもご協力くださいませ。
田畑の楽校のF日程は、9月5〜6日です。
