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ヤクルト1000を検証する

巷で話題のヤクルト1000。マツコ・デラックスさんが飲んでいることで、売り切れ続出です。うちの息子も含め、ストレスや睡眠でお悩みの方が多いのでしょうね。

実は、私の修士論文のテーマは、「職業性ストレスと腸内環境」ということで、昨年夏に、ヤクルト1000についての文献を2本読んでおり、マツコさんより一足先に、FBで紹介しています。私が読んだ文献から、ヤクルト1000を科学的に検証したいと思います。

ストレスを緩和する作用

ヤクルト1000は、乳酸菌シロタ株を1000億個含んだ飲料です。普通のヤクルトは、200億個ですから、なんと5倍!!

医学部4年生は、5年生からの現場での実習に備え、試験が実施されます。合格しないと、5年生での実習を受けることができないのですが、この試験を控えた、大学医学部の4年生(男女49名)を、無作為に、2つのグループに分け、「シロタ株」を1000億個含む飲料と、プラセボ飲料(味や外見は同じで、シロタ株を含まないもの)を毎日1本、学術試験までの8週間飲んでもらいました。その結果、「シロタ株」を含む飲料を飲んだグループでは、プラセボ飲料を飲んだグループと比べて、ストレスが強まると分泌量が増す唾液中のコルチゾール、別名ストレスホルモンの濃度も、学術試験直前では、有意に低く抑えられていることがわかりました。
また、自分でどのくらいストレスを感じているか、10㎝の線を引き、左端を0、右端をMAX(10)として、印をつけてもらうVASスケール測定でも、シロタ株を飲んだ群で、有意に抑制がみられました。

ここでの突っ込みどころは、VASスケールの使用です。VASスケールは、整形外科などで、感じている痛みを表現するツールとして、よく使用されています。しかし、明らかにわかりやすい「痛み」ならともかく、ストレスのMAX?ストレスゼロ?わかりにくいし、その日の気分に左右されやすい。VASで測定するのであれば、世界共通で使用されている心理検査などを使用すればよかったのではないかと思います。

睡眠の質を高める作用

「乳酸菌 シロタ株を1,000億個含む飲料」の継続飲用により、一時的な精神的ストレスがかかる状況での睡眠の質を高める機能が報告されています。

同様の試験を控えた医学部4年生、94名を、無作為に2つのグループに分け、片方のグループに「シロタ株を含む飲料」、もう片方のグループには、プラセボ飲料を、学術試験の8週間前から試験終了後3週間まで飲用してもらいました。

その結果、ノンレム睡眠のステージ3である、外部からの刺激に反応しにくい深い眠りである時間が、各々で増加しており、熟眠度を示す、第一睡眠周期の深い睡眠時に多く出現する脳波であるデルタ波の量が増加していました。また、質問の回答により点数化した、起床時の眠気を示すスコアが改善されていました。

文献を読んで、感じたのは、被験者がほぼ20代の学生であること。

ビフィズス菌などの善玉菌は、出生時をピークに減少し、60代ではかなり減ってしまうので、この値をそのまま、中年以降にあてはめるのは厳しいと思っています。また腸内環境は、顔や容姿同様、人それぞれ。ヤクルト1000が合わない人は、私の周囲にもいます。

また、共同研究先である某国立大学の医学部の学生であれば、優秀な医学生の方ばかりでしょうし、仕事で行き詰まるストレスとは、類が違うと思われます。(実は私の研究でも、教授からダメ出し受けた部分)

要は、まだまだ、データ不足ではないかと。

R1は、タクシードライバー200名?だったかな。2社から公募して、疾患治療中の方や、腸内環境に影響するサプリを摂取している方など、影響因子を取り除いたうえで、研究しているので、そういった配慮も必要なのかなと。

今は、私も躓いているヒトを対象とする研究には必須である、倫理審査が厳しくて、難しいかもしれませんが、バズっている今のうちに、どんどん臨床研究を上積みして、データを蓄積して、論文を書いていただけると、この分野、まだまだ歴史が浅いだけに、研究者の方々にとっては、朗報となるのではないでしょうか。

ちなみに、ヤクルトのシロタ株は、胃で酸によって失活することがない菌なので、効果が出やすいと思われますが、同じような飲料である、Asahiのプレミアガゼリ菌飲料も、研究で結果が出ていますし、2週間ほど、ヨーグルトをはじめとする、発酵食品を摂取していただき、これだと思ったものがあれば、それがきっとあなたに最適な食品であると思います。

参考)
ヤクルト1000ホームページ Yakult(ヤクルト)1000/Y1000 | TOP
河合光久,加藤豪人,高田麻衣,星亮太郎,西田憲生:Lactobacillus casei Shirota株の高菌数、高密度化技術と脳腸軸を介した新規保険機能研究,日本栄養・食糧学会誌,第74巻,75-78,2021


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