見出し画像

[3/11]超高温地熱と核融合によるエネルギー革命、目前に迫るAGIとヒューマノイドロボット(Khosla Ventures)

 3/9から3/13にラスベガスで開催されているカンファレンス、Human[x]というAIとテクノロジーとビジネスに関する業界をリードする企業や研究者、政策立案者や投資家などが会して行われているカンファレンスの現場から、コスラ・ベンチャーズの創業者であるヴィノッド・コスラ氏を迎えてのBloombergのインタビュー・コンテンツを紹介します。


インタビューの中で語られているヴィノッド・コスラ氏の将来展望(抜粋)

(1)核融合エネルギーの実用化
 コスラ氏は2030年までに核融合エネルギーが実用化され、既存の発電所を「融合ボイラー」に改修することで、新たな発電所を建設する必要がなくなると確信。核融合エネルギーは一般的に数十年先の技術とされているものの、彼はテクノロジーの急速な進展により2030年にはエネルギーインフラに大きな変革をもたらすとしています。

(2)超高温地熱エネルギーの普及
 
地熱エネルギーは、技術革新によって効率が大幅に向上し、今後5年以内にギガワット単位での拡張が可能になると予測。コスラ氏は、地熱エネルギーは将来的に米国のエネルギー供給の20〜30%を担う可能性があるとしている。

(3)AGIの実現
 AIの進化は過去2年間で驚異的に進展してきたが、今後の2年間はさらに加速されると予測。AGI(汎用人工知能)は、向こう数年以内に実現する可能性があり、もはやそれが1年後なのか、2年後なのか、3年後なのかは、それほど重要ではないとしています。

(4)ヒューマノイドロボット市場の成長
 
ヒューマノイドロボット産業の規模は急速に成長し、今後15~20年以内に現在の自動車産業の規模を凌駕するとし、現在の自動車業界はこの点についての状況認識が不足していると指摘。

以下は、Khosla Venturesのポートフォリオからエグジットした企業(抜粋)です。






1. インタビュー


[キャロライン・ハイド](Bloomberg)
 私たちはパブリック市場がプライベート市場にどのような影響を与えるかを考える必要がありますが、同時に長期的な視点も持たなければなりません。今日は、ベンチャー・コミュニティからOpenAIに最初の投資をした人物であり、大規模言語モデルからアプリケーションに至るまで、長い歴史を持つCoastal Venturesの創業者であるヴィノッド・コスラさんと一緒です。彼には人工知能や幅広い経済についてお話頂きます。。
 ヴェノッドさん、今日はHuman Xにいらっしゃって、私たちはこれまで大規模言語モデルに注目してきましたが、あなたもOpenAIでその取り組みに関わってきました。しかし現在は、アプリケーションの段階にあり、それらが私たち人間の生活、健康、メンタルウェルネスにどのように影響を与えるのかが考えられています。
 本日、あなたはLimbicというポートフォリオ企業とともにステージに立つ予定ですね。

 

[ヴィノッド・コスラ](Khosla Ventures)
 ええ、私はAIが医療分野で果たす役割に非常にエキサイトしています。実際、私は2012年には、AIが医師やセラピスト、教師などの役割を担うことができると書いているのですが、そのことが予想以上に速く実現しているのを見てとても嬉しく思っています。


[キャロライン・ハイド](Bloomberg)
 あなたは長い間、医療分野への影響について考えてきましたし、さらに生成AIがエネルギー分野にも大きな恩恵をもたらすだろうともおっしゃっています。米国では電力やエネルギーに関して非常事態が宣言されていますが、これがAIにとってどのような意味を持ち、AIはどのようにそれを解決できるのでしょうか。


[ヴィノッド・コスラ](Khosla Ventures)
 このことは解決可能な問題だと思いますが、簡単な問題ではありません。実際、私たちがOpenAIに投資した2018年頃、同時にCommonwealth Fusion Systems社にも投資しています。その時、地球上の誰もが核融合エネルギーがすぐに実現するとは信じていませんでした。
 私は現在、エネルギー問題は2030年までに解決されると考えており、AIも同様に解決可能な問題です。私はCommonwealth Fusion Systemsがが世界中のすべての石炭や天然ガスの発電所を融合ボイラーで改修し、新しい発電所を建てる必要がなくなると予想しています。これは一つの解決策ですが、もう一つの注目すべき技術は超高温地熱です。地熱はこれまでほとんど注目されてこなかったのですが、米国のエネルギーの4%しか占めていないため、大きな影響を与えないと考えられてきました。しかし、技術がうまく進めば、地熱は米国のエネルギーの20~30%、そして世界のエネルギーのかなりの部分を占めることも十分可能だと思っています。ですので、エネルギーには楽観的であり、AIも非常に興奮すべき分野であり、特にAIと医療分野には大きな期待を抱いています。


[キャロライン・ハイド](Bloomberg)
 現在、生成AIのイノベーションにおけるインフラの観点からの制限要因はありますか?
 Amazonのアンディ・ジャシーCEOが「私の最大の懸念は、電力の問題だ」と言っていますが、あなたが背中を押して支援するステップでの制限要因は何でしょうか?


[ヴィノッド・コスラ](Khosla Ventures)
 現時点では、大きな制限は電力ではなく、むしろ十分な数の半導体を確保できるかどうかです。半導体の工場を建設するには5年の時間がかかり、新しいTSMCの工場もかなりの時間が必要です。その後、工場を稼働させるために電力を供給しなければならず、その電力が必要です。電力の計画サイクルはかなり長いため、私たちはその点についても心配する必要がありますが、世界は多くのことを進めています。
 しかし、5年後にギガワット単位で地熱エネルギーを追加することは可能ですか?と問われれば、「はい、可能です。」というのが答えです。そして、2030年代には、ほとんどの石炭火力発電所をクリーンな電力に転換し、核融合エネルギーで数十ギガワットを生産することができるでしょうか?と問われれば、「実現できると信じています。」というのが回答です。もし私たちが賢明に行動し、これらの発電所を改修し、容量をアップグレードすれば、それは達成できると考えています。


[キャロライン・ハイド](Bloomberg)
 我々が賢明であるという自信はどのくらいありますか?


[ヴィノッド・コスラ](Khosla Ventures)
 私は、私たちはかなり良い方向に進んでいると考えています。もし進行が遅くなったとしても、その結果としてAI技術や電力に関する価格が高くなるだけで、市場は需給に合わせて調整されるでしょう。もしスピードが十分でなければ、電力の価格は高くなると思います。しかし、私は多くの起業家が非常に迅速に動いていると信じています。今、あなたのような組織は専門家の意見を聞くことが多いですが、実際、専門家は重要な局面ではほとんど間違っています。彼らは過去に基づいて予測する場合は正しいかもしれませんが、起業家は過去を単に予測するのではなく、自分たちが望む未来を創造します。そして、私はそのアプローチこそが、エネルギーやAI、そして医療を含むほぼすべての大きな問題に対して適切なアプローチだと思っています。


[キャロライン・ハイド](Bloomberg)
 2012年に、AIの応用に対する楽観的な考えをまとめた100ページに及ぶリーダーシップドキュメントをあなたが執筆した際、今私たちが目にしている大規模言語モデルのイノベーションやDeepSeekのような企業がパブリック市場に与える影響は、あなたの考え方にどのように影響を与えましたか?大規模言語モデルで起きているイノベーションについて、あなたはどう思いますか?


[ヴィノッド・コスラ](Khosla Ventures)
 私は、モデルとその加速度に非常に感銘を受けています。確かに、メディアや専門家が見出しを重視し、フラット化などについて話しているのを目にしますが、私はそのことを感じていません。実際、私は、AIの能力がモデルのレベルで加速し続けるのは、アプリケーションのレベルだけではなく、次の2年間で、過去2年間に見られた以上の加速が見られるだろうと予想しています。2022年12月以降の2年間は、その能力の加速という点では驚くべきものでしたが、今後2年間でさらに進展があると確信しています。ですので、私は基本的に楽観的です。おそらく、AGI(汎用人工知能)の領域に進むのは、今後数年以内でしょう。それが1年後なのか、2年後なのか、3年後なのかは、それほど重要ではないと思っています。


[キャロライン・ハイド](Bloomberg)
 中国はAGIの領域に入ると思いますか?


[ヴィノッド・コスラ](Khosla Ventures)
 中国は良い取り組みをしていると思います。ただ、あなたが挙げたDeepSeekについて言えば、その技術の3分の1は盗まれたもので、中国はそうしたことが得意だと私は見ています。さらに3分の1は巧妙なハックで、残りの3分の1は本物のイノベーションだったと考えています。ですので、その点については評価していますし、他の国々もそこから学んでいます。
 しかし、DeepSeekが最も大きく貢献したのは、非常に価値のあることですが、イノベーションは何十億ドルものデータセンターを持つ大手モデルプロバイダーだけが起こせるものではなく、誰でもイノベーションを起こせるのだ、という考えを、世界中の若い技術者たちに示したことだと思います。こうした誰がイノベーションを起こせるかという人々の意識を解放したことが、DeepSeekの最大の功績だと感じており、その点は本当に素晴らしいと思います。
 中国との競争はありますが、全体として、イノベーションは停滞するのではなく、今後さらに加速していくと考えています。


[キャロライン・ハイド](Bloomberg)
 規制の一貫性や関税の影響によって、イノベーションが妨げられるリスクはあるのでしょうか?


[ヴィノッド・コスラ](Khosla Ventures)
 関税についてはあまり気にしていません。それは短期的な現象に過ぎないからです。私が重視しているのは、私たちが今、2030年に向けてどのような成果を達成できるか、そしてこれらの技術を活用して2030年までに人類にどれだけ良い影響をもたらせるかという点です。
 株式市場の上げ下げのような一時的な出来事は、もちろんあなたの業界では重要でしょうが、私はそれほど気にしていません。基本的に、市場の動きはあまり見ていないのです。


[キャロライン・ハイド](Bloomberg)
 あなたが注目しているのはOpenAIのイノベーションです。GPT-4.5oのイノベーションは市場では少し期待外れだったかもしれませんが、最終的にはサム・アルトマンが業界の支配力を増し、プライベート市場の資金をさらに多く引き寄せる方向に舵を取っています。今後も再投資し続けるつもりですか?そして、これらの企業はできるだけ長くプライベートであり続けるべきだと思いますか?


[ヴィノッド・コスラ](Khosla Ventures)
 私の見解では、OpenAIは素晴らしいことをしており、公開・非公開に関わらず、基本的には同じことをしていくと思います。もし2030年までのOpenAIの軌跡を予測する必要があるなら、それは素晴らしい結果になると感じています。短期的なことや長期的なことはあまり気にしません。もちろん、もし通常の株式公開企業に変われば、その方が会社にとっては良いかもしれませんが、どちらにしてもモデルのイノベーションは続きますし、彼らはAI分野で競争をリードする非常に良いポジションにいると信じています。ただし、AIは比較的競争の激しい分野であり、1社が支配することはないと思っています。AnthropicやGoogleも技術面で良い仕事をしており、イノベーションは今後も続いていくと考えています。


[キャロライン・ハイド](Bloomberg)
 x.aiはどうなっているのでしょうか?また、x.aiとOpenAIの対立はどれくらいの気を散らす要因になっていますか?


[ヴィノッド・コスラ](Khosla Ventures)
 私は、イーロンは良いチームを組織しているので、彼らはうまくやると思いますし、リソースもあります。そのため、今は順調に進んでいると思います。ただ、私は彼らがOpenAIやAnthropic、Googleに遅れを取っているだけでなく、MetaやMetaのLlamaモデルにも遅れを取っていると考えています。しかし、それでも良い仕事をしており、追いつこうとしているので、どうなるかは見守っていきます。
 更に興味深いのは、イーロンが取り組んでいる2足歩行ロボットだと思います。個人的な意見ですが、自動車業界はこの点に関して状況認識が不足していると思います。少し失礼かもしれませんが、これらのヒューマノイドロボットは、今後15~20年の間に、自動車業界全体よりも大きな市場になると私は信じています。5~7年前に、テスラが次の10社の自動車会社を合わせたよりも価値が高くなるだろうと私が提案した時、そしてその時、テスラの株価が下がり続けていることを知ったとしたら、誰もが私と一緒に笑ったでしょう。今日、もし私が「ヒューマノイドロボット事業は20年以内に自動車業界よりも大きくなる」と言ったら、また笑われるでしょうが、私にはそれが実現する確信があります。


[キャロライン・ハイド](Bloomberg)
 このことは誰もが予想していない予想についてのお話でしたが、あなたはまさに予測をする人であり、その予測はしばしば的中しますね。ですので、番組にご出演いただくのはいつも嬉しいことです。ご出演ありがとうございました。
 この後、AIがメンタルヘルスに与える影響について語るLimbicのCEOとともに、生成AIの応用や物理AIについてステージに立たれる予定ですね。Kosa Venturesの創業者であるヴィノッド・コスラさんでした。
 





2. オリジナル・コンテンツ

 オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。

Bloomberg Technologyより
(Original Published date : 2025/03/11 EST)

[出演]
  Khosla Ventures
    ヴィノッド・コスラ(Vinod Khosla)
    Founder

  Bloomberg
    キャロライン・ハイド(Caroline Hyde)



3. 関連コンテンツ




御礼

 最後までお読み頂きまして誠に有難うございます。
役に立ちましたら、スキ、フォロー頂けると大変喜び、モチベーションにもつながりますので、是非よろしくお願いいたします。 
だうじょん


免責事項


 本執筆内容は、執筆者個人の備忘録を情報提供のみを目的として公開するものであり、いかなる金融商品や個別株への投資勧誘や投資手法を推奨するものではありません。また、本執筆によって提供される情報は、個々の読者の方々にとって適切であるとは限らず、またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。 投資を行う際は、株式への投資は大きなリスクを伴うものであることをご認識の上、読者の皆様ご自身の判断と責任で投資なされるようお願い申し上げます。



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー