[エアポケットに入り込んだAI相場]2027年前半までの成長を織り込んだ市場の焦点は需要から実行力へ
現地 2025年12月1日(月)にBloomberg Intelligenceの半導体アナリストを招いて行われたYahoo Financeの過熱するAI関連市場の現状と今後の市場展望についてのインタビューコンテンツを紹介します。
以下、取り上げられている各テーマのヘッドラインです。
◆ AI市場の持続性とバブル懸念
ファンダメンタルズは極めて強固であり、ハイパースケーラーの2026年の設備投資額は5,000億ドルを超えると予測される。
彼らには十分な資金力があり、少なくとも2026年から2027年前半にかけてAIチップ(GPU/ASIC)への支出が減速する兆候はない。
OpenAIのような新興勢力による循環的な資金の動きについては、懸念材料になり得るものの、実際の影響が出るとしても1年以上先の話であり、現時点でのリスクは低い。
◆ 市場シェアと競争環境の変化(NVIDIA vs 他勢力)
2026年もNVIDIAが市場を支配し、支出の大部分を獲得する構図は変わらない。
一方、2026年後半はAMDやGoogle、AWSによる大規模な外販導入が始まることから「転換点」となる。
◆ 過小評価されている銘柄と投資機会
現在、大手ハイパースケーラーがNVIDIAに対抗して独自のASICチップを外部展開する際に恩恵を最も受ける2社が過小評価されている。
現在の株価にはこれらの成長余地は完全には織り込まれていない。
◆ バリュエーションと実行リスク
現在のバリュエーションは法外に高いわけではなく、業績に裏付けられた一時的な足踏み状態(エアポケット)にある。
ただし、2026年の成長期待は既に価格に織り込まれているため、今後は「実行力」が問われるフェーズに入る。
1. インタビュー
[アレクサンドラ・カナル](Yahoo Finance)
AI分野での取引が活発な一日でした。OpenAIが循環取引のリストをさらに増やしています。ChatGPTの開発元である同社は、自社の投資家の一人が立ち上げたThrive Holdingsの株式を取得しました。また、Accentureの主要なAIパートナーとなる契約も結んでいます。NVIDIAもAI関連の取引で存在感を示しており、月曜日にSynopsysへ20億ドルを投資したと発表しました。このようにAIの勢いが続く中で、こうした取引や投資がどこへ向かうのか、Bloomberg Intelligenceのシニア半導体アナリスト、クンジャン・ソバーニさんと見ていきたいと思います。
クンジャンさん、私たちはよくAIバブルの中にいるのかどうか議論しますが、バリュエーションはその一部であり、先ほど触れた循環的な投資もそうです。これについてどうご覧になりますか。これは現時点では避けられない流れなのでしょうか、それともAIの持続的な活力を考えると、懸念すべきことなのでしょうか。

[クンジャン・ソバーニ](Bloomberg Intelligence)
ファンダメンタルズを見ると、2026年のハイパースケーラーの設備投資額は5000億ドルを超えると予測されています。彼らは潤沢な手元資金を持っていますから、支払い能力に関する懸念はありません。AIチップ、特にGPUやAI向けASICチップへの需要と支出は、少なくとも2026年から2027年前半にかけて減速する兆候は見られません。
2026年について注目すべき点がいくつかありますがNVIDIAが引き続き優位性を保ち、支出の大部分を獲得するでしょう。しかし、2026年後半は他のプレイヤーにとって重要な転換点になります。まずAMDですが、彼らの最初のサーバーラックレベルのソリューションがデータセンターで本格化し始めます。それに加えて、GoogleとAWSからも2026年後半には、AIアクセラレータの大規模導入が予想されています。これは外部顧客向けの初めての展開となるため、これらの立ち上がりに多くの注目が集まるでしょう。

[アレクサンドラ・カナル]
各社が異なる道を歩む可能性があるというお話は興味深いですね。現在のマグニフィセント・セブンを見ても、明らかにばらつきが出てきています。もはや足並みを揃えて動いているわけではありません。この状況は、現在のAIサイクルのどの段階にいるかについて、何を示しているのでしょうか。
[クンジャン・ソバーニ]
支出を牽引する要素が増えているのだと思います。マグニフィセント・セブンや大手クラウドサービスプロバイダーのように、確かな需要と支出能力を持つ企業群がある一方で、OpenAIのような新興のハイパースケーラーも台頭しています。資金の循環や売上の還流といった取引に関する懸念の多くは、この新興勢力から生じています。彼らの規模は大きくなっているので影響は甚大でしょうが、もし影響が出るとしても、少なくとも今後1年から1年半の間ではないでしょう。ですから、現時点ではもう少し先の話だと言えます。

[アレクサンドラ・カナル]
皆NVIDIAの話をしますし、OpenAIも最近投資家の間でよく話題になりますが、あなたはMarvellやBroadcomを過小評価された勝者であるとして取り上げていますね。投資家は何を見落としているのでしょうか。
[クンジャン・ソバーニ]
先ほど申し上げたように、今年後半はユニット数の観点で重要な転換点になります。GoogleとAnthropic、AWSとAnthropicのような取引が見られましたが、今後さらに同様の動きが出てくる見通しです。独自のAI向けASICを持つ大手ハイパースケーラーが、NVIDIAと競合する形で外部市場への供給を試みる際、最も恩恵を受けるのはBroadcomとMarvellです。この2社のバリュエーションとファンダメンタルズはまだ完全には織り込まれていません。ですので、今後この2銘柄にはチャンスがあると考えています。

[アレクサンドラ・カナル]
では、現時点で何が織り込まれているとお考えですか。2026年の転換点について多く語られましたが、現在のバリュエーション、特にメガキャップ銘柄の水準を考慮すると、どれくらいが織り込み済みで、今後の成長を牽引する要素として何を期待すべきなのでしょうか。
[クンジャン・ソバーニ]
AI関連銘柄、特に大型株のマルチプルを見ても、法外に高い水準にあるとは思えません。ただ、2026年の力強い成長と、申し上げた2027年前半の一部はすでに織り込まれていると考えています。ですから、現時点では実行力が問われることになります。懸念は支出面よりも供給面にあります。AMDのサーバーラックの立ち上げやASICプログラムといった新しい計画が、トラブルなく実行できるかどうかが鍵です。また、データセンターなどのインフラ整備が同じペースで進むことができるかも重要です。電力など、データセンターが必要とするリソースにはボトルネックが増えていることを忘れてはいけません。
[アレクサンドラ・カナル]
バブルの話題に関連してですが、バンク・オブ・アメリカのレポートを読んでいたところ、現在の状況を決算とファンダメンタルズに支えられた「エアポケット」のようなものだと表現していました。現在のAIサイクルの位置づけをどう表現されますか。
[クンジャン・ソバーニ]
その見方には同意します。マクロ環境や金利の変動、特にこの時期の状況やこれまでのパフォーマンスを考えると、エアポケット、あるいは一時的な足踏みのように見えます。繰り返しになりますが、2026年の数値や2026年前半の実行が予測通りに進めば、現時点でバリュエーションに大きなリスクがあるとは見ていません。しかし、四半期ごとに予想を上回り、見通しを引き上げるという期待が形成されてしまっています。そのため、大規模な立ち上げの中で小さなタイミングのずれが生じるだけでも、バリュエーションに多少の変動をもたらす可能性があります。

[アレクサンドラ・カナル]
あなたがAIアクセラレータに対して強気なのは存じていますが、そのカテゴリーの中で投資家が注目すべき具体的な銘柄は何でしょうか。
[クンジャン・ソバーニ]
やはりNVIDIAとBroadcomが筆頭に挙がります。ただ、先ほど触れたように、時折注目すべき他の銘柄としては、MarvellやAstera Labsも面白い存在だと思います。

[アレクサンドラ・カナル]
わかりました、クンジャンさん。どうもありがとうございました。AI技術分野には引き続き注目すべき点がたくさんありますね。感謝いたします。
2. オリジナル・コンテンツ
オリジナル・コンテンツは、以下リンクからご覧になれます。
尚、本投稿の内容は、参考訳です。また、意訳や省略、情報を補足したコンテンツを含んでいます。
Yahoo Financeより
(Original Published date : 2025/12/01 EST)
[出演]
Bloomberg Intelligence
クンジャン・ソバーニ(Kunjan Sobhani)
Senior Semiconductor Analyst
Yahoo Finance
アレクサンドラ・カナル(Allie Canal)
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だうじょん
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