【プロンプト・オブ・ハピネス】⑩
第三十九章 イタリア ベネチアへ
この旅の最後は、ベネチアだった。フィレンツェの魅惑的な芸術と歴史に触れた後、私たちは、水上都市ベネチアへと足を運んだ。ベネチアへの到着は、まるで別世界への入り口に立っているような感覚だった。水に浮かぶ建造物や、独特の運河の景色は、まるで絵画の中から飛び出してきたかのように、私たちを魅了した。
ベネチアでは、ヴェネツィアンゴシック様式の建築や美術品、そして独特の文化に触れた。サン・マルコ広場の壮麗さ、ドゥカーレ宮殿の歴史的重み、サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会の静謐な美しさなど、数々の歴史的な建造物を訪れた私たちは、ベネチアの比類なき美しさにただただ魅了された。
特に、グランド・カナルを船で巡るクルーズは忘れられない体験だった。水上から眺めるベネチアの景色は、まるで幻想的な夢の中にいるような感覚を与えてくれた。細い小道や、運河沿いのカフェで過ごす時間も心に残るものだった。ベネチアでの滞在は、私たちのヨーロッパの旅の締めくくりとして完璧なものだった。
「マヤ、ベネチアの旅はどうだった?」 私は尋ねる。彼女は目を輝かせて答えた。 「海斗、ベネチアはまるで夢のような街だったわ。水路を船で移動する体験は、決して忘れない思い出になると感じたわ」
私は彼女の感想に興味深く耳を傾けた。 「それは本当に素晴らしい経験だったんだね。どんなことが印象に残った?」 彼女は笑顔で話し始めた。 「特に夕暮れ時のベネチアは、息をのむほど美しいわ。サン・マルコ広場やドゥカーレ宮殿、リアルト橋などのランドマークが明かりに照らされ、輝く様子は圧巻だったわ」
私は彼女の言葉に感心しながら続けた。 「それに、ベネチアの独特の雰囲気は本当に魅力的だったね」 彼女は頷きながら、 「そう、歴史的な建造物や美しい運河が織り成す景色は、まさに絵画のようだったわ。そして、ゴンドラに乗って運河を漂うのは、ロマンティックで幻想的な体験だったわ」
私は彼女の感想に共感しながら、ベネチアの旅を振り返った。 「本当に素晴らしい旅だったね。この経験は、きっと私たちの記憶に永遠に残るだろう」 彼女は微笑みながら、 「そうね、この旅でたくさんの素敵な思い出ができたわ。私たちの愛も一層深まった気がするわ」 と言い、私の手を強く握りしめた。
第四十章 旅の終わりに
ストックホルムへ戻る飛行機の中で、マヤが隣で、まるで旅の終わりを惜しむかのように呟いた。 「ねえ、海斗、この10日間の旅、本当に素晴らしかったわね」 私は微笑みながら彼女の手を取り、 「そうだね、マヤ。君と一緒に過ごしたこの時間は、私にとっても特別なものだよ」と答えた。
「日本での5日間の旅は、知り合ったばかりで、ちょっとぎこちなかったかもしれないね」 マヤが続けた。私は彼女の言葉に、思わず笑みがこぼれた。 「確かにそうかもしれないけど、そのぎこちなさも、二人を結びつける要因になったと思うよ」 あの時の、不器用ながらも必死に距離を縮めようとしていた自分を思い出すと、なんだか微笑ましい。
「でも、この10日間の旅は、私たちは完全に一体感の中で楽しく過ごせた気がするわ」 マヤがそう言うと、私は深く頷いた。 「同じ感覚で過ごしていた気がする」 マヤは私の言葉に満面の笑みを浮かべ、 「海斗、ありがとう。本当に幸せだわ、あなたと一緒に旅をして」 と言った。
飛行機の窓の外には、どこまでも広がる雲海と、まばゆいばかりの青空が広がっていた。私たちは手と手をつなぎながら、旅の思い出に心を躍らせていた。長い旅路の終わりは、新たな始まりを予感させていた。
第四十一章 帰国後Maja(マヤ)の家族の家にお土産を
ストックホルムに戻った後、私たちはヨーロッパ旅行のお土産を持って、マヤの家族の家を訪れた。リビングに入ると、家族は皆、興味津々な表情で私たちの旅行話を聞いてくれた。
「あなたたち、まるで新婚旅行に行ったみたいだね」 マヤのお母さんが、少し羨ましそうな眼差しでそう言った。その言葉に、マヤは照れながらも嬉しそうに微笑んだ。 マヤの上のお姉さんは、 「あなたたちって、すごく仲がいいよね」と感心したように言った。 「海斗が優しいから、いつも私のことを考えてくれてるの。だから一緒にいて安心なの」 マヤがそう答えると、私はとても照れくさかった。
下の妹さんも会話に加わり、 「あなたたちを見ていると、なんだか楽しくなるわ」と言ってくれた。
しばらく話していると、マヤのお母さんが少し心配そうな顔をして言った。 「1年後、海斗が日本に帰ってしまうと、マヤ、とても寂しくなるね」 するとマヤは、満面の笑みで、その心配を打ち消すように言った。 「海斗はね、ワーキングホリデーのビザが1年後に切れたら、私と同じ大学に入学して、今度は留学ビザを取って暮らすって言ってくれているのよ!」
母と娘たちは、その言葉に感嘆の声を上げた。10日間の旅行の話は、驚きや笑いを交えて、長い時間、楽しそうに語られた。私は、ニコニコとしながら、その光景を眺めていた。マヤのお父さんもまた、末娘が幸せそうに話しているのを、私の隣で同じようにニコニコとしながら聞いていた。
その時、マヤのお父さんが私に目を向け、真剣な口調で言った。 「旅行に行く前に海斗がくれた情報のおかげで、クライアントが大きな損失を出さずに済んだんだ」 「そうなんだね、海斗、すごいね!」 マヤが私の肩を抱き、嬉しそうに言った。 お父さんも、私の肩をポンと叩きながら続けた。 「会社のスタッフも全く掴めていなかった情報だったから、スタッフたちに話すとみんな驚いていたよ」 アットホームな雰囲気の中、時間がゆっくりと流れていった。
夕食時になり、マヤのお母さんが温かく誘ってくれた。 「夕食も食べていったら?」 しかし、マヤは私の顔を見て、こう答えた。 「今日は久しぶりに海斗が作るパスタが食べたいから、もうそろそろ帰るね」 私たちはマヤの実家を後にし、途中スーパーで食材を買って家に戻った。今日の夕食は、私のパスタで決まりだ。
つづく
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