「正しい子育て」が、いちばん子どもを苦しめる理由
子育てをしていると、いつの間にか頭の中に住みつく言葉があります。
『正しく育てなければ』
本やSNS、専門家の発信、周囲の親の声。 それらを真面目に受け取るほど、 「正解」から外れることが怖くなっていきます。
でも、1,000人以上の子どもと親を見てきて、 私ははっきり思うようになりました。
「正しい子育て」を一生懸命やろうとするほど、 子どもが苦しくなる場面がある、と。
「正しさ」は、いつの間にか刃物になる
「叱らない方がいい」
「自己肯定感を下げてはいけない」
「親が先回りしすぎるのはよくない」
どれも、間違っていません。 むしろ、多くの場面では正しい。
問題は、
正しさを守ることが目的になった瞬間
に起こります。
・今日は疲れていて、優しくできない
・本当は口を出したいのに、我慢している
・イライラしている自分を、必死に隠している
その結果、
子どもは「親の本音」を感じ取れなくなる。
そして、こう思い始めます。
自分は、ちゃんとした子でいないと愛されない
子どもが苦しむのは「基準」が外にあるとき
子どもが一番苦しくなるのは、
親の判断基準が、いつも外側にあるとき
です。
・専門家がこう言っていたから
・SNSでこれはNGだと見たから
・他の家庭ではできているから
そのたびに親の態度が揺れ動くと、 子どもはこう学びます。
正解を当てないと、安心できない
これは勉強でも同じです。
・間違えたら怒られる
・失敗すると空気が重くなる
・できた時だけ、親が安心する
こうして子どもは、 「考える」よりも「正解を探す」人になっていきます。
「正しい対応」より大事なもの
子どもにとって何より安心なのは、
親の反応が、一貫していること
です。
完璧である必要はありません。
・怒る日があってもいい
・感情的になる日があってもいい
・失敗して、あとで謝ってもいい
大切なのは、
親が自分の言葉で説明できること。
「今日は余裕がなかった」
「さっきは言い過ぎたね、ごめん」
「あなたが大事だから、心配になった」
この“揺れの理由”が見えると、 子どもは世界を信頼できます。
子育てに「正解」を持ち込まなくていい
子育ては、テストではありません。
・100点を取る必要もない
・減点方式でもない
・他人と比べる競技でもない
それなのに、 多くの親が無意識にやってしまいます。
「正しいかどうか」で、自分と子どもを採点すること
でも本当に必要なのは、
「この子にとって、今どうか」
という問いだけです。
おわりに
「正しい子育て」をやめることは、 投げやりになることではありません。
むしろ逆です。
・この子をちゃんと見る
・自分の感情にも気づく
・その都度、考えなおして選び直す
それは、とても誠実で、 手間のかかる子育てです。
正しさよりも、 関係が続くこと。
安心よりも、 信頼が積み上がること。
それが、子どもを一番楽にする子育てだと、 私は思っています。
