子どもに教えたつもりが、教えられていた話。
以前、子どもと公園で遊んでいた時のことです。
帰る時間になったので、「もう帰ろうか。」と声をかけました。すると子どもが、「あと一回だけ!」と言います。私は時計を見ながら、「あと一回だからね。」と約束しました。
でも、その「あと一回」が終わると、「もう一回!」やっぱり始まる。
「楽しかったから。」
私は少し困って、「さっき約束したよね。」と言いました。すると子どもは少し考えてから、「楽しかったから。」と笑ったんです。
その一言を聞いて、思わず笑ってしまいました。
約束を守らなかったことを認めたわけではありません。でもその時、子どもは時間を守ることよりも、「今、楽しい」という気持ちに正直だったんですよね。
私はいつから、時計ばかり見て過ごすようになったんだろう
もちろん、約束は大切です。時間も守らなければいけない。だから結局は帰りました。
でも帰り道に考えたんです。私はいつから、時計ばかり見て過ごすようになったんだろう、と。
次の予定。仕事の締め切り。効率。頭の中は、いつも「次」でいっぱいです。
一方で子どもは、目の前の一回を、全力で楽しんでいる。大人になれば、先のことを考える力は必要です。でも、今しかない時間を味わう力は、いつの間にか置いてきてしまったのかもしれません。
教えているつもりで、教えられている
親になると、教えることが増えます。挨拶。約束。思いやり。私も、「ちゃんと教えなきゃ」と思うことがたくさんあります。
でも振り返ると、教えているつもりで、教えられていることのほうが多い気がします。
立ち止まって空を見上げること。虫を見つけて夢中になること。負けても、五分後には笑っていること。そんな姿を見るたびに、「そういえば、昔は自分もそうだったな。」と思い出させてもらいます。
忘れていたものを思い出させてもらう時間
だから最近は、子どもと過ごす時間を、何かを教える時間というより、忘れていたものを思い出させてもらう時間だと思うようになりました。
親が子どもを育てているようで、実は親も、子どもに育てられている。そんなことを、あの日の「あと一回」が教えてくれました。
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