「無理しないで」と言われて、無理をやめられなかった話。
以前、仕事が立て込んでいた時期がありました。
帰宅は遅くなり、休日も少し仕事のことを考えてしまう。そんな毎日が続いていました。その頃、周りからよく言われた言葉があります。
「無理しないでね。」
その言葉は嬉しかった。心配してくれていることも伝わっていました。でも正直に言うと、その時の私は、どうすれば「無理をしない」状態なのかが分かりませんでした。
「まだ大丈夫」と言い続けていた
まだ働ける。まだ動ける。まだ周りには迷惑をかけていない。だから、「ありがとうございます。」と答えながら、いつも通り仕事を続けていました。
ある日、一緒に働いていた先輩がこんなことを言いました。
「無理している人ほど、『まだ大丈夫』って言うんだよね。」
その一言に、少しドキッとしました。
私の基準は、「限界かどうか」だった
振り返ると、私の基準は、「限界かどうか」だったんです。倒れていない。休むほどではない。だから無理ではない。そう思っていました。
でも実際は、以前なら気にならなかったことでイライラする。休日も仕事のことばかり考える。好きだった本を開く気になれない。そういう小さな変化は、ずっと前から出ていました。
それなのに私は、「まだ頑張れる。」という言葉で、見ないようにしていたんです。
「自分の変化を見逃さないで」という意味だった
その時に気づきました。
「無理しないで。」という言葉は、「頑張るな。」という意味ではなく、「自分の変化を見逃さないで。」ということだったのかもしれない、と。
無理をやめるために必要だったこと
若い頃は、無理をすることが努力だと思っていました。でも今は、無理をしていることに気づけることも、大事な力だと思っています。
だから最近は、「まだできる。」ではなく、「いつもの自分と比べてどうだろう。」と考えるようになりました。それだけで、休むタイミングも、少し分かるようになった気がします。
「無理しないで。」そう言われても、あの頃の私は、すぐには無理をやめられませんでした。でも振り返ると、無理をやめるために必要だったのは、気合いではなく、自分の小さな変化に気づくことでした。
あの言葉の意味が分かったのは、ずっと後になってからでした。
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