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『カレーパンの革命』

京子はパン屋の店員だった。いや、正確には「ただのパン屋の店員」ではなかった。彼女には野望があった。それは、町一番の名店「パン工房さくら」の看板商品である「至高のカレーパン」を、全世界に広めることだった。  
「カレーパンはパンじゃない。文化だ!」  
京子は毎朝、店先で揚げたてのカレーパンを手にそう叫んでいたが、通行人からは「またあの変な子が吠えてる」と笑いものだった。

第一の壁:自分が何をしたいのか
ある日、店長の佐藤さんがため息をつきながら言った。  
「京子、お前さ、カレーパン愛は分かるけど、毎日叫んでるだけで何がしたいの?」  
その言葉が胸に刺さった。確かに、京子はカレーパンが大好きで、その素晴らしさを世界に知らしめたいと思っていた。でも、どうやって? 具体的なビジョンがないまま、ただ熱意だけを振りかざしていたのだ。  
その夜、京子はノートを開き、こう書いた。  
**「目標:カレーパンを世界遺産に。手段:未定。情熱:∞」**  
「うん、これじゃダメだ」と自分につっこみを入れつつ、彼女は決めた。まずは自分が何を成し遂げたいのか、明確にしよう、と。

第二の挑戦:仲間を巻き込む
翌日、京子はバイト仲間を集めた。パン屋の裏庭に集まったのは、いつも眠そうなレジ担当のタケシと、パン生地をこねるのが異様に上手いけど無口なミホの2人。  
「みんな、聞いて! 私、カレーパンを世界に広めるんだ!」  
タケシはあくびをしながら「ふーん、カレーパンねぇ」と言った。ミホは無言でパン生地を丸め続けた。反応ゼロ。  
「ダメだ、伝わってない!」  
京子は焦った。自分が何をしたいのか分かっただけじゃ足りない。それを相手に伝えて、「一緒にやりたい!」と思わせなきゃ意味がないのだ。

そこで京子は作戦を練った。次の日、彼女は揚げたてのカレーパンを手に、タケシとミホの前に立った。  
「一口食べてみて」と差し出す。  
タケシが渋々かじると、目がカッと見開いた。「何これ、スパイスが…生きてる!」  
ミホも無言で一口。すると、彼女の手が止まり、初めて口を開いた。「このカレーパン…革命的。」  
「そうでしょ! この感動を世界に届けたいの! 私に力を貸して!」  
京子は熱弁を振るった。カレーパンのスパイスの効能、黄金色の衣の秘密、そして「パン工房さくら」が世界に羽ばたく未来を語った。  
タケシは目を輝かせ、「俺、レジ打ち以外に宣伝ならできるかも!」と言い出し、ミホは「新作カレーパン、作ってみる」と呟いた。

巻き込みの連鎖
その日から、京子たちの「カレーパン革命」が始まった。タケシはSNSで「#カレーパン世界遺産化計画」を立ち上げ、ミホは「抹茶カレーパン」や「チョコカレーパン」といった奇抜な新作を次々開発。京子は店先で叫ぶのをやめ、通行人に試食を配りながら熱く語りかけた。  
「カレーパンはただの食べ物じゃない。笑顔とスパイスと夢が詰まってるんだよ!」  
次第に客が増え、噂が広がり、町の新聞にまで取り上げられた。  
「パン工房さくら、カレーパンで世界を狙う!?」  
見出しを見て、京子はニヤリと笑った。「次は国連に売り込むか!」  

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