タイミーの現場では、あまり「さよなら」を言わない
タイミーの現場では、あまり「さよなら」を言わない。
仕事が終わったら、「お疲れさまでしたー」「ありがとうございました」
それだけで、人はスッと消えていく。名前も知らない。年齢も知らない。どこから来たのかも知らない。でも数時間だけ同じ場所で働く。
コンビニの品出し。スーパーの搬入。イベント会場の設営。
みんな黙々と体を動かして、終わったら静かに帰る。そこには、普通の職場にあるような別れの湿度がない。
送別会もない。LINE交換もない。「また飲みに行こう」もない。なのに、不思議と嫌じゃない。むしろ今の時代には、この距離感がちょうどいい気がする。
人間関係って、近すぎると疲れる。会社では空気を読み、友達には気を遣い、SNSでは何者かになろうとする。現代人は、ずっと誰かとの関係を維持し続けている。
でもタイミーの現場には、関係を続ける義務がない。だから逆に、少し優しくなれる。重たい荷物を持っていたら自然に手伝うし、新人が困っていたら教える。見返りがないから、変な打算もない。その日、その時間だけの共同体。まるで旅先で偶然同じテーブルになった人みたいだ。軽くコントみたいにキャラを作っても誰にもバレない。
そして仕事が終わる。「お疲れさまでした」その一言だけ残して、人が散っていく。たぶんもう二度と会わない。でもそれでいいのだと思う。
人生には、ちゃんとした別ればかりじゃなくていい。いつの間にか現れて、少しだけ一緒に働いて静かに消えていく。そういう関係に、救われる時がある。タイミーの現場でさよならはなかなか言わない。
でも、だからこそ少しだけ笑顔になれる気がする。
