ボブ③ 5/26 レンズが捉えた、奇跡の絆。
胸に抱かれた両親の遺影。時を越えて重なり合う笑顔が、絆の証拠
隊長さん:「(笑)……皆さん、言い方が正しくありませんでしたね。ボブ君だけじゃなく、皆さんへのお礼です」
隊長さんはそう言うと、袋から薄い箱を取り出した。
ボブ:「A4サイズの……写真立てですか?」
隊長さん:「はい。でも、写真はこれからです」
ボブ:「えっ?」
隊長さん:「どうでしょう皆さん、ここで全員の写真を撮りませんか? カメラも持ってきました」
隊長さんの鞄から、ずっしりと重厚感のある立派な一眼レフカメラが取り出された。
ライク:「おおー! 全然わかんないけど、これ絶対高級品ですよね?」
隊長さん:「まあ、その部類に入りますかね(笑)。実は趣味でして。このカメラで皆さんと写真を撮って、私が責任を持って仕上げて、後程お渡しします」
果音:「いいんですか! じゃあ酔っ払う前に撮りましょう! ……あっ、隊長さん、ちょっとメイクタイムいいですか?」
果音が前髪を気にしながら言うと、隊長さんは優しく微笑んだ。
隊長さん:「構いませんが、果音さんはそのままで十分素敵ですよ。バッチリメイクで気合いを入れるより、リラックスしている時の方がずっと綺麗です」
果音:「いやー、そんなぁ(笑)」
洋太&ボブ : (お世辞だよ!)
江藤夫人:「あなた! 若い人達はそれでいいでしょうけど、私達くらいの年齢はそうもいかないのよ」
貴美子:「そうですよ、私も少し整えさせて(笑)」
そんな女性陣の賑やかな「すったもんだ」の後、いよいよ撮影が始まった。
隊長さん:「じゃあ、ボブ君と亜夢ちゃんが真ん中だね」
亜夢ちゃんは「えっ、私が真ん中でいいの?」と戸惑った表情を見せたが、ボブが笑顔で頷き、周りの皆も温かく促した。
ボブ:「隊長さん、両親の写真も……いいですか?」
隊長さん:「そりゃ勿論です、今日の主役ですから! どうぞ、抱えてください」
前列中央にボブと亜夢ちゃん、貴美子さんと果音の両親。
後列に果音、洋太、エル、ライク、そしてセルフタイマーをセットした隊長さん夫妻。
11人の笑顔と、ボブと亜夢ちゃんの胸に大切に抱かれた両親の遺影の笑顔。
シャッターが切られるその瞬間、池堂家のリビングは、血縁を超えた「家族」の絆で満たされていた。
池堂家のDNAを継ぐのは、今やボブと貴美子さんの二人だけかもしれない。
けれど、こうして寄り添ってくれる仲間たちがいて、親代わりの果音の両親がいる。
そして隊長さんの奇跡的なアシストで、愛おしい亜夢ちゃんというパートナーに出会えた。
ボブは、レンズの向こう側にいる両親へ、心の中で静かに語りかけた。
ボブ:(俺、幸せになるよ。この亜夢ちゃんと一緒に。……見ててくれよ)
