「手順書だけでは伝わらない『判断』を、どう次の人へ渡すか|製造業の実務メモ」
手順書を作っていても、
「ここはどう判断すればいいですか?」
という質問を受けることがあります。
これは、手順書が悪いという話ではありません。
実際の現場では、文章だけでは伝えきれない判断がたくさんあるからです。
例えば、
「この傷なら使用できる。」
「この音なら問題ない。」
「この締め付け感なら大丈夫。」
こうした判断は、長年の経験の中で自然と身についていきます。
だからこそ、新しい人にとっては一番難しい部分になります。
私は、手順書を見直すときに、
「この判断は文章にできないだろうか」
と考えるようにしています。
長い説明を書く必要はありません。
「この程度なら問題なし。」
「ここを基準に確認する。」
そんな一言だけでも、次の人は安心して仕事を進めやすくなります。
もちろん、一度ですべてを書き切ることはできません。
現場で迷ったことや質問されたことを、その都度少しずつ追記していく。
その積み重ねが、その会社ならではの知識を育てていくのだと思います。
昔から受け継がれてきた経験を否定するのではなく、
経験を少しだけ言葉にして残していく。
それもまた、
現場の知識を、次の人に渡せる形に整える
ための、大切な取り組みではないでしょうか。
