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日本初演 ディアエヴァンハンセン

初めての『ディア・エヴァン・ハンセン』

サブスクで楽曲はよく聴いていたし、ミュージカル俳優さんたちがコンサートで歌っているのも何度か聴いていた。ずっと気になっていた作品を、今回ようやく観劇できた。

結論から言うと、とても好きな作品だった。

どの楽曲も心地よく、それぞれが自然と物語の中に溶け込んでいる。歌を聴かせるというより、登場人物の感情がそのまま音楽になっているようだった。

作品全体も、いわゆる「ミュージカルらしいミュージカル」というより、ストレートプレイを観ているような感覚。現代劇だからこそのリアルさがあり、会話の積み重ねで物語が進んでいくところも好きだった。

柿澤勇人さんは、歌が上手いのはもちろんだけど、お芝居も本当に上手い。

舞台の上で見えるエヴァンは、どこか可愛らしくて、ときどき人との距離感が少しバグってしまうような、不器用な男の子。でも、そのお芝居の奥には、柿澤さん自身の芝居に対する熱い情熱を感じた。

感情を大きくぶつけるわけではない。それでも、一つひとつの台詞や表情から役と真剣に向き合っていることが伝わってきて、とても印象に残った。

吉沢亮さんのお芝居はやっぱ凄い。

普段の華やかな印象がまったくなく、舞台の上にはいい意味で地味な男の子。エヴァンしかいなかった。視線や手の仕草など、一つひとつがとても細かい。その積み重ねで人物を作り上げていて、気づけばエヴァンとして舞台上に存在していた。

歌も難易度の高い楽曲ばかりなのに、不安を感じることはなかった。歌うことを意識させず、役として自然に歌っているように感じた。

木下晴香さんは、本当にお芝居が上手い。

感情の流れがとても自然で、歌声も透き通るように綺麗だった。晴香ちゃんが歌い始めるたびに、その世界へ引き込まれていった。

一つだけ感じたのは、劇場の大きさ。

もちろんチケットは完売している作品だから、この規模の劇場になった理由は分かる。それでも個人的には、もう少しコンパクトな劇場の方が、この作品には合っているように感じた。

表情や視線、お芝居の細かなニュアンスまで観たい作品だからこそ後方席では双眼鏡が欠かせない。役者同士の空気感まで味わいたい作品なのに、それが少し遠く感じてしまうのはもったいないと思った。

また観たいと思わせてくれる作品だった。

音楽も物語も、一度観ただけでは終わらせたくない。次に観たらまた違う発見がありそうだと思える、そんなミュージカルだった。

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