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ハッセルブラッドのお団子カメラ Hasselblad SWC/M、Hasselblad 907X & CFV100C

 「ハッセルブラッド」僕などは、この響きを聴いただけで、格好いいと感じてしまう。北欧スウェーデンのカメラメーカーだ。このハッセルブラッドが作ったお団子みたいなカメラがあることを知っているだろうか。

お団子のようなボディー
中判フィルムカメラの「Hasselblad SWC/M」そのフォルムは丸っこくて、コロンとしていて、お団子かお饅頭だ。そう表現するのがしっくりくる。

 普通のカメラをお菓子に例えたなら、黒い羊羹かな、それとも板チョコか。角ばっていたり、とにかく長方形のイメージだ。でも、ハッセルのカメラはどこか丸みがあって他のカメラとは何か違う。

 そんなハッセルの作ったカメラの中にあっても、SWCシリーズのそれは別格だ。こんなボディーは他に見たことがない。現在のラインナップにも由一、兄弟みたいなデジタルカメラの「Hasselblad 907X & CFV100C」がある。このカメラはある意味SWC直系の子孫と言える。
(SWCシリーズの系譜はSWA、SW、SWC、SWC/M、903SWC、905SWCと続いた、お気付きの通り、907Xは名称からみてもSWCの系譜なのだ)

ミラーレスデジタル中判カメラの907Xだけがこのフォルムを引き継いでいる。XCD38Vレンズを付けるとまさに兄弟
SWCシリーズはフィルム中判カメラとしてはとてもコンパクトだ。机の上に置いても邪魔にならない

 SWCシリーズのことが語られるときには、装着された、「Biogon 38/4.5」と言うカールツァイスの傑作レンズの話しに終止することが多い。確かに凄いレンズだ。その性能については、どこかできっと誰かが熱く語っているから、そちらにお任せしよう。
 僕が語るのはとにかくこのカメラの可愛いさなのである。レンズだって、ビオゴンなんてなんだか可愛い響きじゃないか。

フードを外すと小ささが際立ちお団子感が増す
ビオゴンなんて昭和の特撮に登場する怪獣みたいだし

「Hasselblad SWCシリーズ」はどんなカメラ
 僕が持っているのはSWC/M。SWCの改良型だ。美しいブラックのモデル。このカメラの特徴について、ちょっとだけ触れておこう。

 このシリーズのカメラは、Biogon 38mm f4.5(35mm換算21mm相当)と言う超広角レンズをボディーに搭載した中判カメラだ。そして、非常に低ディストーションなカールツァイスレンズの性能を引き出す為に、ボディーはレンズに合わせて専用設計されている。だからレンズ交換は出来ない。

カメラを買うと言うより、最高のワイドレンズを買ったら、ボディーが付いてくる。そんな感覚のカメラだ。
初期のSWAから最終型の905SWCまで、基本的な構成に大きな違いは無い。

ある意味割り切られた作りで、一見不便そうなカメラだ。しかし、このカメラを実際に手にすれば、その質感に魅了され、きっと写真を撮りたくてたまらなくなる。そんな不思議な魅力のあるカメラだ。

独特な形を観察しよう
 中判カメラを使ったことがなくても、カメラに少し興味がある人ならば、フィルム時代のハッセルブラッドの定番、500シリーズの形は知っているだろう。角のない直方体のボディーにピントフードが立っているあの独特の形。
 そのボディーをちょん切って縮めたようなカメラがSWCだ。そう、ちょうどピントフードの着く部分がすっぽりとない。だからレンズを除けば、とても小さくて丸っこい形なのだ。

角が無くっ丸みのあるボディー
横から見るとボディーの短さが良くわかる

撮影に出掛けよう
 ガラスの塊みたいなレンズとコンパクトなボディーは、いい意味でずっしりとして、しっかりした重みを感じさせる。他の中判フィルムカメラの一連の操作を楽しむ撮影スタイルも大好きな僕だが、このカメラはそのシンプルさからか、カメラの操作では無くシャッターを切ることだけに意識が向く。そこがいい。

 このカメラにピントを合わせる機構はない、だから目測で距離を合わせ、上部の光学ビューファインダーで構図を決めたらシャッターを押す。撮影に必要なのはそれだけだ。だから、気持ちよく巻き上げて、ホイホイとシャッターを切っていける。そして気が付けばあっと言う間にフィルムがなくなってしまう。僕の腕前では、ピントの甘い写真を量産してしまうけれど、細かいことを気にせずに潔く撮影を続けられる。

今このカメラを愛でる理由
 僕が写真を撮り続けているのは、もちろん写真が好きだからだ。しかし、其れだけでは駄目だ、カメラを好きでいられると言うことも、とても重要なことなのだ。

どんなに憂鬱な日でも、お気に入りのカメラが撮影に連れ出してくれる。

 ほんの少しだけ昔なら、新宿や銀座のカメラ屋さんを廻って歩けば、この愛らしいカメラ達に出会うのは簡単だった。さすがに500c/mなどに比べると、少し値段も高くて数も限られていたけれど、店頭にお団子達がずらりと並ぶことさえあった。ところが、最近では、なかなかこのカメラにお目にかかる事ができなくなった。もしかしたら、彼らが並んで、あの円な瞳で僕を見つめる景色は、この先二度と訪れないのかもしれない。

2014年に撮った一枚。これは当時でも数が揃っているタイミングでだったと思うけど、この先見ることが出来ないかもしれない光景だ。みな何処に行ったのか

僕なりに思うこと
 もちろん万人向けのカメラじゃないけれど、存在自体に価値がある一台である。このカメラを語るのに、描写がどうとか、歴史がどうとか、そんなことは後回しでいい。だってハッセルブラッドなんだから凄いのは当たり前じゃあないか。だから、こんなに可愛いお団子カメラを今こそ愛でよう。沢山の写真を撮ろう。

 今でも、根気よく探せば、状態の良いものをまだ見つけられるだろう。こんな中判カメラを片手に、気ままにスナップ撮影をするのは楽しい時間だ。

 もし、目測撮影に自信がない、レンズ交換がしたい、デジタルでも構わないと言う人は、もちろん907Xを選んでも良いだろう。

Hasselblad SWC/M biogon 38mm f4.5
Hasselblad SWC/M biogon 38mm f4.5
Hasselblad SWC/M biogon 38mm f4.5
Hasselblad 907x & cfv 100c xcd38v 38mm f2.5
Hasselblad 907x & cfv 100c xcd38v 38mm f2.5