写真作品:Urban Wildlife

久しぶりに見かけたキタキツネです。
街の中、民家の軒先でくつろいでいました。
都市部に出没する動物は果たして野生と言えるのか。
これは動物写真家の中では長年議論になっている話だと認識しています。
本来の生態系から離れ、人間に依存して生きる動物たち…なんて文脈の話を度々目にします。
しかし、野生の本質というのは、単純に「人間に関わらないこと」なのでしょうか。
以前も記事に書きましたが、人間と動物は大昔から相互に関わり合いながら命を繋いできました。
私の住んでいる場所には「チャシ跡」というアイヌやオホーツク文化の人々の生活の跡が点在しています。
プリミティブな環境の中、こういった人間の生活圏に動物との関りが無かったと考えるのは不自然だと、僕は考えています。
恐らく餌をやる人、飼いならす人、追い払う人が存在し、動物もその恩恵にあずかっていたものと思います。
以前竹田津実先生の恋文という写真文集を読んだ際、「獣医師としてキタキツネの消費カロリーを考えると、野ネズミだけでは到底足りるわけがない。どうしているのかとこっそり後を付けると、農家の軒先で人間の食べかすや牛の胎盤を漁っていた。おそらく摂取カロリーの比重はこちらの方が大きいだろう」という話が書かれていました。
我々が思う「孤高で厳しくも美しい野生」なんてものは、ただのくだらない妄想なのかもしれない。
ここ数年動物を撮りながらずっとこんなことを考えていたら、「野生とは」という問いかけの輪郭が少しずつ明るくなってきた気がしています。
現在収入が半分に落ちてからは撮影に出かけられていませんが、少しずつ答えを探していければと思っています。
