【エッセイ】本棚に入りきれなかった本の気持ち。
分かっている。まだ読んでいない本が、
既に家にたくさんあることを。
それでも、書店で手を伸ばした本を、どうしても諦めきれない。
今買わなかったら___。
次来た時にはもう、見つけられないかもしれない。よし、これも一つの縁だ。買ってしまおう。
あ、帰ってきた。今日は何やら表情が明るい。
左手に丸善の袋を提げている。さては、また新しい本を買ったんだな。
それも、一冊ではなさそうだ。
お、3冊買っている。単行本1冊と、文庫本2冊。
すぐ読むのかな。それとも___。
あ、買った本を持ってこっちに向かってきた。今すぐには読まないみたいだ。
ただでさえもうパンパンなこの本棚の、一体どこへしまうつもりなのだろう。
新しい本が入ってくるので、押される!と思ったけど、どうやら本当に入りきれなかったらしい。
手の動きが止まったまま、本棚をぐるりと眺めている。
一瞬目が合った。いやな予感。
わ!掴まれてしまった!他の本と一緒に、本棚から違う場所へ連れて行かれていく…
ここは、主の勉強机のすぐ隣。
せっかく、棚と他の本たちに四方を守られながら、ぬくぬく過ごしていたのに…
ということは私たちが抜けたスペースに、新しい本が収納されたということか。
それにしても何を基準にして、主は私たちを入れ替えているんだろう??
それと、私も含めまだ読んでいない本がもういっぱいあるのに。新しい本を買ってしまうと入らなくなるじゃないか!
まあ、いずれは入りきれなくなるものだし、主が本好きなのは素直に嬉しいけどね。
早く私の本、読んでほしいなあ。
また買っちゃった!もう入りきれない。
仕方ない、代わりに何冊か出してとりあえずこの本はしまおう。
うーん、これとこれと。
ごめんよ、でもこうするしかなくて!
いつか必ず読むから。それまで待っててね!
以上、私のささやかな葛藤でした。
最後までお読みくださりありがとうございました。スキを押してもらえたら嬉しいです🍀
