映画 ツイスターズ -千切れない縄の作り方-
風に揺られ、濡れ、はしゃぎながら楽しむ100分。
けれどその騒がしさの奥には、ねじれて、撚られて、ひとつになっていく人の姿があった。
面白かった。
アトラクションとして楽しむ目的で行ったので、4DXで濡れたり揺られたり風を感じたりして過ごした約100分、一言で表すなら、ひゃっはー。
わしは絶叫系苦手勢だけれど、それは内臓の浮遊感が主な原因。
4DXはそれがないので、ビビりわしでも無邪気にはしゃげる。素敵。
視覚的に耐性が問われる場面もなく、安心して楽しめる塩梅。
「 twist 」は遡っていくと、2つに分かれたもの(糸とか縄)を表す言葉から来ているようで、その2つの糸がぐるぐると巻き付き合って1つになる様子から今の意味(ねじれた状態のもの)に繋がってきた。
作中、1つのチームから分かれた者たちの物語や、新たに1つのチームとなっていく者たちの姿が描かれていく。
印象的なチームが3つ出てくるね。
主人公を除く各リーダーの名前は、どちらも「家」をイメージに持つ。
家を作る者と、新しい家を得る者。
また後者は、複数の人生を組み合わせるイメージを担うこともある。
それぞれの家に備わった機能を見比べるのも面白い。車ひとつとっても、どっちもロマンがある。
手作り改造感溢れるゴツゴツな相棒か、潤沢な資金感漏れ出る洗練されたスッキリな相棒か。
初めての台風ってどうだったか、わしもやっぱりわくわくした気がする。
そして、大人の表情を見て、その恐ろしさを何となく察した記憶もある。
強い風がどこまでも小さなわしを運んでくれそう感、だったのかな。
実際には様々な物を巻き上げている風なわけで、風に運ばれてくるありえねえデカ重い物との遭遇が、風そのものの凶悪さを増幅させていたりするよね。津波と同じ理屈。
風をなんとか凌いでも、デカくて重くて頑丈な物が物凄い速度でぶつかってきたら、ピンチ度が一気に大気圏を越える。
そう考えると、地に車体を固定しただけで、あとは座席に身体を固定するベルトのみという戦車は、なかなか強気。装備品は花火だったりする。
本当、鉄骨的な何かがフロントガラスに突き刺さってくる、みたいなことがなかったのは、ただのラッキーよな。
飛んできた何かの看板と足がご対面したので、足とおさらばすることに、とかって話も聞いたりする。5体満足で乗り超え続けるってのも、相当な運が必要となるのかもしれない。
それぞれに異なる事情はあれど、みんなの挑戦自体には素直に敬意を抱いてしまう。
風に命が巻き上げられる可能性を排除できないもの、彼らの業務遂行場所。
困った状態の人を支える。
その姿は、やっぱりちょっと、そうさせまいとしたどこかの景色を思い出したりもする。
こぞって来られても迷惑です、自重してください。国も自重するし。お金に困ったならすこーし貸してあげるけど。あとは自力で頑張れ。貸してあげた分返すのも忘れずに。あ、食料の配布は制限かけるよ。
作中では竜巻が、どこぞでは地震や津波が縁の切れない大災害として存在感を持つ。
竜巻が乗りこなせるなら、他の災害を乗りこなす手段も見つけられるだろうか。
そんなこともチラッと気になったりする。
大自然が牙を剥いた時、人は団結するしかない。
団結してもまだ、無傷では済まない。そんな相手なのだから。
主人公は、人との交流で蘇った。
夢を取り戻し、挑戦への闘志を取り戻し、明るい笑顔も蘇った。
家も食べ物も服もなにもかも失った、その状態の社会を蘇らせるのも、人の行動なんだよね。
自然は壊した家を直さずに、ただそこに広がる。そして鶏は落ちてくる。サメは落ちてこない。
失敗や悲しみに支配されず、ひととき問題を忘れて笑ったり、考えるのは美味しいもの食べてからにしたり、そうやって前を向き進む糸口を見つけていく。
人が人を見捨てない限り、きっと開ける道がある。人の事情を考慮しない自然の中で今も日々を紡ぎ続けている、そんなみんなの強さはきっと、千切れることのない縄を作り出したりするかもしれない。
未来も人が希望を持って生きていく、その為の現実的な命綱。
2024.08.15
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