映画 プランA、プランB -いけすかねえ相手と、その先へ-
人生は、思い描いた通りに進むとは限らない。
大切だった Plan A が崩れた時、人は思いもよらない Plan B と出会うことがある。
それは時に、失ったものの代わりではなく、新しい幸せの始まりになる。
面白かった。
「 Plan A Plan B 」という題名に、主人公たちの物語が詰まっているように感じられる。
縁結びのプロと、離婚のプロ。
お互いに「結婚」を軸にして、始める者と終わらせる者、正反対の立ち位置にいるように思える主人公たち。
本人たちも最初からお互いに「いけすかねえ」と思っていたようだった。
けれど、物語が進むにつれて共通点があることもわかっていく。
彼らは最初、結婚を推し進めること(Plan A)と、離婚を推し進めること(Plan B)の、別々の視点から考えを語る者たちだった。
ところが、2人にはそれぞれに乗り越えられない過去があることがわかってくる。
一方は恋人を忘れられず、他方は配偶者を忘れられず、どちらも前へ進めずに苦しみ嘆くことが共通していた。
そんな2人が、お互いの事情を知って、理解し合って、気付けばあれだけ忘れられなかった誰かのことより気になる相手になっていく。
「 Plan B 」は、単に Plan A の替わりを表す他に、「失敗しても大丈夫(Plan A が全てなわけじゃない)」ということを意味する時もある。
主人公たちは各々躓いていたけれど、そのまま人生が過ぎていくわけでもない。
出会って、知って、受け入れ合う過程や結末は、それそのものが2人にとっての Plan B だったように感じられる。
そして、その Plan B は、2人を心配する周囲が望んでいたものでもあった。
いつまでも悲しい顔をしている Plan A を続けてほしくない気持ちが、複数の人たちを動かしていく。
面白かったのは、結婚相談所で使う相性診断を主人公たちで試したところ、彼らの相性はそこまで高くないという結果が出たこと。
Plan A が試験のように計画や見通しを立てて進めるものであったら、きっと Plan B は2人にとって全く予想出来なかった想定外の道だった。
そこに、事前にはわからない恋の偶発性や、試練を乗り越えてこそ強い絆を築いていける関係構築の重要性が描かれていたように思える。
主人公 A と、主人公 B は、お互いの違いを受け入れ合いながら、これからもそれぞれの道のプロとして活躍していくのかもしれない。
小さな友だちが、四苦八苦する大人たちに負けず主人公たちの背中を押そうとする様子がかわいい。
ちょっとオマセな印象があるけれど、他のみんなと同じで、他者の幸せを願える子だった。
たぶん、だからこそ彼はかわいらしいし、小さいながらも頼もしい。
主人公たちの笑顔が、そのまま周囲の笑顔に繋がる景色は、本当に素敵。
お誕生日会で踊りを披露するみんなもそれぞれに、厳しい Plan A を乗り越えて明るく生きる Plan B を表していたところも好き。
みんなそれぞれに、躓いて終わりじゃない人生を力強く、笑顔で歩いてきた。
わしらの誰もがそうするように、作中の1人ひとりがどうにか前へ進んできたのだとわかるの、グッとくる。
他者を少しでも幸せにする為に働く主人公たち。
彼らが、自分たちの幸せを周囲に願われながら、いけすかねえ相手と交流をしぶしぶでも深めていく。
その結果、クスッとしながら見守るわしも含めてみんなが笑顔になれる、素敵な物語だった。
2025.07.30
Netflix

