後は任せろ・・・って、言っちゃったのよ
いま言うなら「後は任せた」がいいなぁ。
本日は舞台【NUKIDO】の全員揃っての初顔合わせ&本読みなのです。
いやぁ、いよいよですか。この舞台の最初の打ち合わせ(まだキャストもほぼ決まってない頃)から考えると、1年どころではない時間が経ってるわけで、あの頃は、本読みの日を想像すら出来てなかったんですけど、来ちゃうもんですね。
初日までは1ヶ月ちょっとですが、ここからは休む間もなく怒涛の日々が続いて「後は任せろ」と「後は任せた」の応酬です。
出来ることなら、いっぱい任せたいです。そしてなるべく言わないようにしようと思ってます「後は任せろ」って。
ただ、任せるべきところを任せられるというのはとてもありがたい事だというのを最近ヒシヒシと感じております。
まぁ「後は任せろ」にもいろいろありますね。
出来ない部分を補ってくれるパターンと
手柄を根こそぎ持っていくパターンとね。
本日のショートストーリーは、どっちパターン?
はたまた、どっちでもないパターン?
横書きもお届けします。
決して世に残らないオジサンたちの名言
〜名言が生まれるまでのだいたい3分間〜
脚本・福島カツシゲ
演出・あなた
場所 夕方のオフィス
会社員のオジサン、デスクに座ったまま仕事して新人に話しかけてる。
気がついたら、新人はいなくなっていて、少し離れた場所に同僚が座っている…という設定
え〜っと、ん?どこまでやったんだ?
なぁ、大竹くん、大竹くん?帰っちゃったの?そうか、まぁ帰っちゃうよな。
ちょっと待てよ…この資料は…こっちに反映されて………ないのか。って事は
これじゃないな。
あれぇ、最新版どれだ?あッ、これ…は…違うのか。
なんだよ、もうちょっとちゃんと説明聞いときゃよかったなぁ〜
なんで「後はまかせろ」って言っちゃったかな…
(間)
ふぅ、一旦休もう。
(パソコンを閉じてデスクから少し離れて同僚のところへ)
大竹くん、帰っちゃったんだな。
まいったよ、どの資料なのか解んなくなってさ。
若い頃、先輩が「後はまかせろ」って言うの、カッコいいなぁと思ってたのよ。
しかもさ、そのセリフを言う時って、なんでだろ、顔見ないのよ、こっち見ないで言うのよ「後はまかせろ」って。
で、しばらくしてから、チラッとこっち見て
「何してんだ、俺がやってる間、ずっと突っ立ってるつもりか?帰っていいぞ」
って言うのよ。余裕があるのよ。
最後なんてちょっと笑いながら言うのよ「ずっと突っ立ってるつもりか?帰っていいぞ…フッ」みたいに。こっちが帰りやすいようにしてくれるんだよな。
それがカッコいいのよ。
で、やっちゃったのよ…おんなじように、見ないで「フッ」って。
(間)
今の子は、言葉通りに取るよね「何してんだ」の時にはいなかったんだろうな。
完全に、オジサンのヒトリゴトだよ。
たぶん「後はまかせろ」で帰っちゃってたんだろうなぁ。
さすがに秒で帰るって思ってなかったなぁ。
そういえば「お先っす」って聞こえたような気がするわ。
いや、そうよ、たしかにコッチが「後はまかせろ」って言ったんだから、まかせていいんだよ。ただ、コッチが任せられる場所を把握してないのよ…
(デスクに戻って、パソコン開きつつ)
聞いときゃ良かったよ、どこから残ってるの?って「後はまかせろ」の前に聞けば良かったんだよ。そしたら、後がどこなのかは分かるんだよなぁ…
(パソコンに向かって)
どこよ「後は」どこなのよ…ったく、責任感じゃないのよ「頼れる先輩でいたい」っていうだけの見栄なのよ。
「後はまかせろ」の「後」って、少ない方がいいなぁ
あぁ〜、後が見つからないのよ…
後…どんだけあるのか不安だわ。
暗転
カッコつけたい時って、ありますね。
