20代の「FIRE論」を47歳が読むと、違うものが見えてくる理由

SNSを眺めていると、20代の人たちの「FIRE論」が流れてくる。

「月10万積み立てて、30代でセミリタイア」
「支出を極限まで削って、資産を最大化する」

そういう投稿を見るたびに、正直、すごいなと思う。
同時に、少しだけ苦笑いしてしまう自分がいる。

私は今、47歳。
子どもが3人いて、教育費はこれからが本番だ。

この立場から見ると、「支出を削る」よりも先に、
「削れない支出」の方が圧倒的に多い。

学費。
部活や習い事。
食費。
住宅ローン。

若い頃には想像もできなかった固定費が、
当たり前のように毎月出ていく。

でも、ここで一つ気をつけたい。

「削れない支出」と「削ってはいけない支出」は、同じではない。

家計を見直すことは大切だ。
使っていないサブスクや、なんとなく続けている保険など、見直せるものもある。

一方で、子どもの教育費や家族との時間まで、
「資産形成のためだから」と全部削ってしまう必要はない。

お金は、増やすためだけにあるわけではない。

今の生活を支え、
家族との時間を作り、
将来の安心につなげる。

そのために使うものでもある。

40代になって、私はそう考えるようになった。

だからといって、20代の熱量やストイックさを否定したいわけではない。
むしろ、あの頃の自分にも聞かせてやりたいと思うくらいだ。

ただ、40代になってはっきり分かったことがある。

「資産形成のゴール」は、年代によってまったく違う形をしているということ。

20代は「増やす」フェーズ。
40代は「守りながら、細く長く続ける」フェーズ。

同じ土俵で語れるものではない。

40代になると、資産形成だけを最優先にはできない。

子どもの進学があれば、お金は必要になる。
家族で旅行に行きたいと思えば、そこにもお金を使う。
体調を崩せば、予定外の支出も出てくる。

ここから先は、
「今を削って、未来の資産を最大化する」
という単純なゲームではなくなる。

「今の家族の生活を守りながら、未来にも少しずつお金を残していく」

そんな資産形成に変わっていく。

毎月いくらなら、教育費を払いながら続けられるのか。

いくら現金を残しておけば、
急な出費があっても投資を売らずに済むのか。

そして、どこまでなら今の生活を楽しみながら、
将来のお金も準備できるのか。

こうしたことを一つずつ考えていく。

言い換えれば、
40代の資産形成は「投資の問題」だけではない。

家計。
教育費。
生活費。
現金。
投資。
そして家族との時間。

これらを全部含めて、
自分の家庭に合ったバランスを探していくことなのだと思う。

私はこれが、40代の資産形成の難しさであり、
同時に面白さでもあると思っている。

だから、40代からの資産形成は、

「もう遅いから頑張る」

でもなければ、

「若い人のように極限まで節約する」

でもない。

大切なのは、

「自分の人生では、何を守って、何を増やして、何を楽しむのか」

を決めることだと思う。

教育費を払いながらでもできる積立額を考える。

老後資金を作りながら、今しかできない家族との時間も大切にする。

相場が下がっても、生活まで不安定にならない金額で投資する。

40代の資産形成は、
「どれだけ増やせるか」だけではなく、

「どれだけ無理なく続けられるか」

が、とても重要なのだと思う。

だから私は、
20代の人たちのFIRE論を見て、

「自分には無理だ」

とは思わなくなった。

むしろ、

「自分の家庭なら、どうすればいいだろう?」

と考えるようになった。

月10万円を積み立てられなくてもいい。

20代や30代の頃に、
十分な資産形成ができなかったとしてもいい。

他人より資産形成のスタートが遅くてもいい。

大切なのは、
今の自分の状況から、これから何ができるかを考えることだと思う。

大切なのは、
誰かの成功パターンをそのまま真似することではない。

自分の収入。
自分の家族。
自分の教育費。
自分の生活。
自分の老後。

それらを全部並べて、
「これなら続けられる」という答えを見つけること。

40代からの資産形成には、
40代にしかできない資産形成がある。

若い頃のように、
ただ資産を最大化するのではない。

今の人生も大切にしながら、
未来の自分にも少しずつお金を渡していく。

私は、それで十分だと思っている。

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