花粉って実は、そんなに敵じゃなくね?
毎年1月末になると、花粉探知機が発動する。1日中鼻水が止まらない日がある。
頭痛やら、微熱がある場合もあるので、風邪と見分けがつかない。
ティッシュの山を築きながら、脱水症状が心配になる。というのは大げさだが、その鼻水大感謝祭の日をもって、その年の私の花粉症は幕を開ける。
昨年に至っては鼻水大感謝祭の上、100日咳を同時併発して、苦しい春の幕開けだった。
花粉症と宣告されたのは、私が小学2年生の時だ。40年程前になる。
異常に目を痒がる私を、母が病院へ連れて行ってくれた。
その帰り道、困り果てたように母は言った。
「花粉症って、なんなんやろね⋯」
今では誰もが知る花粉症だが、その頃まだ認知度は低かった。
学校の先生に「花粉症でした」と報告しても、なんだそれ?と首を傾げていたし、周りにも同じ症状で苦しむ子はいなかった。
家ではホウ酸を溶かした水に、箸でつまんだ綿を浸し、それで目を洗っていた。
今では考えられないけど、そんな治療?だった。
大人になり、薬や鍼治療など試しながら、やり過ごしてきた花粉症。
酷い年もあれば、花粉の飛散量は多い年なのに、楽なときもあった。
ストレスも関係するらしいから、仕事が辛い時などは余計に苦しんだ。
花粉症とは、免疫システムの過剰反応である。
そう知った時に、なぜか妙に納得した。
私の性質に、似ていると思ったのだ。
新しいことや、知らないことに対する、過剰反応。過剰防衛。
自分の中にある、負の感情や弱さ、醜さを、よく見ようとせずに、「敵だ!敵だ!」と追い出そうとする姿と重なった。
花粉症が治ったらいいと思ってきた。
薬や治療に頼らず、何となく治まってくれたらいいな。いつか。
でも今、私の花粉症は今年で終わると決めてしまおう。
春という季節が好きだ。
でも花粉症がね、って口にしてきた。
もうやめよう。
今年の花粉症の始まりは、遅かった。
目がかゆい。あれ?鼻水出てないな。カレンダーを見た。2/21だった。
毎年恒例の鼻水大感謝祭は起こらなかった。
「花粉って実は、そんなに敵じゃなくね?」
40年たって、免疫システムがようやく気づいたのだろうか。
そうだったらいい。そうであってほしい。
何もかもに防御しなくていいんじゃない。
そんなに過剰反応しなくていいんじゃない。
拒絶して涙を流さなくてもいいんじゃない。
その感情を外に捨てようとしなくていいんじゃない。
私が、書いて書いて、気づいたように。
花粉症という症状さえ、私の身体って過剰反応しがちなんだな〜、おもしろいよね。
そんなふうに捉えられたら、私の中で花粉症は、幕を閉じるのかもしれない。
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