おもしろく生きる
夫がしばらく家を空けているのをいいことに私は、娘2人とのんびりだらりと過ごしている。
大きな声では言えないが、とってもラクなのである。
私たちとは別に、ボリューミーでお酒に合うおかずを準備しなくていいというのが、1番ホッとする。
夕食が、冷やし中華だけでも、カレーだけでも、罪悪感ゼロでいられるって控えめに言って最高。
夜の時間は気を遣わずに、テレビの画面を観られるので、今さらだけど「キングダム」を制覇した。なんで観てなかったんだろ!面白いじゃねえかよお!
「キングダム」を観ながら「うぉー!」と雄叫びを上げたり、「王騎将軍~!」と涙して騒いでいる私を、娘たちは物珍しそうに、笑いながら見ている。
「お母さん、面白い映画観れて良かったね!」と言ってくれる。
こんなふうに、自由に感情を表現する姿を、私はずっと隠していたのだと思う。
子どもたちにも、夫にも。
1番自分を見せていいはずの家族の前で、それができないって、なぜなんだろうね。
ずーっと、ちゃんとしなきゃという気持ちがあったんだなぁ。
妻として。嫁として。母として。
もっと肩の力抜いて、生きていいんだと、腑に落としている今なのかもしれない。
さてそんな夜に、家の中にカメムシが飛び込んできた。
か弱き女3人、虫は苦手である。
この時ばかりはみな、お父さんを想った。
お父さんがいてくれたら…
こんな時にお父さんがいないなんて…
ざわめく娘たちを前に、私は大将軍になった。
私「わらべ次女よ、隙をみて、カメムシの首をとるのです」
次女「無理よ!お母さん、紙コップで捕まえよう!」
私「あなた方の後ろには、としこ将軍がついていますよ!」
長女「お母さん!ふざけないで!調べたら、ミントやハッカの匂いが嫌いなんだって!」
私「そんなことでは、かなりの長期戦になってしまいますよ」
そんな寸劇を繰り広げながら、としこ軍は力を合わせ、カメムシを討ち取ったのでありました。
おもしろく生きよう。
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