ル・コント 特別対談 小林賢太郎×オークラー第7回(最終回)
小林賢太郎とパルコによる新たなコント公演、ル・コント『この世界に19文字の文章など存在しない』。
その公式noteの特別企画として、放送作家・オークラとの対談を敢行!
ついに今回で最終回。ふたりが今、コントに向き合う思い。ネタを考えるときに意識していること。そして生活のサイクルの中にコント執筆をどう置いているかを語り合う。
これまでの対談はコチラからお読みいただけます。
いい意見と、会議で通る意見は違う
――今後、オークラさんと小林さんが一緒にネタを書くような可能性はありますか?
小林 たとえばひとつの映画を、1話20分のショートフィルム6本で構成するとして、それぞれが、監督・脚本として仲間に入れてもらう……みたいなことは、楽しそうだなとは思うんですけど。一緒にコントについて「設定、どうしようか?」とやっていくのは、ちょっと難しいかな(笑)。
オークラ 確かにそれは難しいかも(笑)。

小林 チョコレイトハンターのときって、僕はコントを書くことというか、ちょっとラーメンズに飽きていたと思うんですよね。それで「新しい人と新しいことをしたいな、でも片桐仁も面白いからどうしよう」というところで、あれもやったりこれもやったり、いろいろやっていた。でも今は30年くらい書いてるから、飽きたなんてレベルじゃないじゃないですか(笑)。飽きるのを超えたところに、もういるので「そろそろ違うことをやりたいな」という気持ちには、全然ならないんですよね(笑)。だから『ル・コント』という場所を与えていただいて「コントロニカとはちょっと違うものを、今の僕なら、どう作るんだろう」というのが、自分でも楽しみなんです。
オークラ 台本はもう、結構できあがっているの?
小林 いやあ、まだ、プロットの段階というか、アイデアを羅列している段階だね。
オークラ ずっと今、家でひとりで作ってる感じ?
小林 家というか、まあ、仕事場で。
オークラ 誰かしゃべってネタを作るというよりは、ひとりで考える?
小林 小林 そうだね。あ、でもスタッフさんをご飯に誘って、「今、こんなこと考えてるんだよね」っ
て聞いてもらって、笑うかどうか試してみることはある(笑)。そういう市場調査を、ちょっとだけすることはあるけど、基本的には合作みたいなことはしてない。オークラはある?

オークラ テレビだと皆で集まって会議をすることもあって……そういうときは皆の意見をまとめて作ることはある。でも、それはあまりいい作り方だとは、実は思っていなくて。結局いちばんいい意見というより、折衷案みたいな感じになっちゃうので。
小林 そうなんだよね。いい意見と、会議で通る意見って違うんだよね。でもそれって、商品としての機能は果たすでしょう? だからテレビにとってはいいんじゃない? ただ、作家性の強いものにはならない。
オークラ うん。だから、自分でやるときは、なるべく自分ひとりで考えたいなと思いますね。
作品作りのサイクルが生活にある
――作る環境は作品に影響しますか?
小林 すごくします。だから、居心地のいい場所で書きたいですね。
オークラ 作業時間というか、作品のことは1日のうちどのくらい考えてる?
小林 変に聞こえると思うけど……24時間。
オークラ ええっ!(笑)。
小林 本当に。朝起きて5秒後にもう書いてるし。でも最近は大人になって、寝る前1時間ぐらいは筆を置くようにしてる。ラッパーのKREVAに、「脳が休まらないから、よくない」と怒られたから(笑)。確かに脳疲労を感じていた時期があったので、ちゃんとオンとオフを作ろうと思って。

オークラ 今、まさに俺がそうで、寝る直前まで考えていると眠れなくなる。
小林 そうそう、眠りが浅くなっちゃうの。だからよくないよ。
オークラ 歳も歳だし、体調を保つためにも6時間から7時間は寝ようとしてるんだけど、その時間を確保しても結局、眠れなかったりして。
小林 「どうせ眠れないなら仕事しようかな」となるもんね。それもわかる。
オークラ でも、そんなにやってるんだ……すごいね!
小林 なんか楽しくてね。一時期、書けないことがあったけど、今また書けるようになってきて。それがうれしいからバンバンやっちゃうんだけど。「書く時間」を設けなくても、生活していれば、自ずと作品が生み出されてくるサイクルに、今は、もう入っているというか。作品のことを考えている時間の中でも、ご飯も食べているし、昼寝することだってあるし、お酒を嗜むこともあるから。
オークラ なるほどね。
――オークラさんは『自意識とコメディの日々』の中で、さまざまな才能と組んで作品に細野晴臣さんの活動に憧れていたと書かれていて。ご自身の活動スタイルにも影響があったのでは、と感じますし、小林さんも第2回で坂本龍一さんのお名前を出されていて。YMOメンバーの方々の表現や方法論に、なにかシンパシーを感じられたりしますか?
小林 なんじゃ、その質問は!(笑)。
オークラ 俺はもう細野さんが本当に大好き。そうたとえてもらって、うれしいですよ(笑)。
小林 まあ、そんなふうに言ってもらえたら光栄だよね。いちばん好きなのは高橋幸宏さんですけどね。
オークラ そうなんだ?
小林 ファッションも好きだし、アルバムも結構持ってる。まあ、YMOは僕も好きですけど、別にあり方を目指したわけではなく、あくまでもさっきのはたとえ話です(笑)。

(おわり)
編集、文:小杉厚
写真:永田崚
ヘッダーデザイン:渋木耀太
ル・コント『この世界に19文字の文章など存在しない』
ティザームービー
【お知らせ】ル・コント『この世界に19文字の文章など存在しない』公演詳細

※各地未就学児の入場不可となります。
※その他の詳細、注意事項などは各公演ページよりご確認ください。
東京:2026年5月15日(金)〜26日(火) I’M A SHOW(アイマショウ)
仙台:2026年5月30日(土) 電力ホール
愛知:2026年6月6日(土)・7日(日) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
富山:2026年6月13日(土)・14日(日) オーバード・ホール 中ホール
大阪:2026年6月20日(土)・21日(日) サンケイホールブリーゼ
岡山:2026年6月25日(木) 岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場
福岡:2026年6月27日(土)・28日(日) キャナルシティ劇場
●作品詳細はコチラ!
●仙台・愛知・福岡公演:チケット一般販売中!
●東京公演:注釈付き指定席の発売が決定!4月25日(土)AM10:00~先着販売。詳細はコチラ。
