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ル・コント 特別対談 小林賢太郎×オークラー第5回

小林賢太郎とパルコによる新たなコント公演、ル・コント『この世界に19文字の文章など存在しない』。
その公式noteの特別企画として、放送作家・オークラとの対談を敢行!

第5回で語られるのは、小林賢太郎が見つめる「俳優としての自分」。さらに鮮烈な印象を残した小林ソロの舞台プロジェクトや『小林賢太郎TV』を振り返りつつ、現在のテレビとの距離感に触れる。

これまでの対談はコチラからお読みいただけます。


小林賢太郎の、あのシリーズが復活!?


オークラ 今は舞台に出たくならない?
小林 ならないね。
オークラ そうなんだ。コバケンはコントの演じ手としても、すごい魅力的な人だから。
小林 いやあ、演出家・小林賢太郎からすると、俳優・小林賢太郎の評価は、かなり低いので。
オークラ 立ち姿が非常にかっこいいな、と俺は思っているけど。

小林 今、立ち姿がかっこいいと言ってくれたのはとてもうれしいんだけど、「姿」でしかないわけであってね。使い道はあると思うけど、使い切ったとも思っているな。人前に出て目の前にいる人を笑わせる職業では、メンタルとフィジカル、どちらもすごく大事だと思うんだけど、僕はどちらも不安定だから。
オークラ 俺、『ポツネン』がすごく好きで、息子がもう少し大人になったら観せようと思っていて。たぶんハマるだろうなと思っているんだけど(笑)。あれの新作が観たいんですよ。
小林 『ポツネン』に関しては、ちょっとだけ思考が違っていて。俳優やコント芸人としての自分については評価は低いけど、『ポツネン』という競技に関しては、ほかにできる人が見当たらないというのには、ちょっと自信がある。60歳くらいになったら、またやろうかな?
オークラ うわっ! それは観たいな!
小林 『ポツネン』って、じいさんがやっているとかっこいいんじゃないのという気がするから。今後10年くらいは、作り手として、作りたいものに夢中になっていていいと思うんだけど、ある程度作ったら、ちっちゃい劇場でおじいさんが、「『ポツネン』第何回公演」と言って、急にやります。いや、適当なことを言ったけど(笑)。
オークラ いや、それはいいな。あとコバケンだったら、自分が出ない『ポツネン』も作れるんじゃないかなと思った。
小林 それは考えたことがある。『ポツネン氏を待ちながら』というタイトルでね。ポツネンさんのことをいろんな人が語るんだけど、結局ポツネンって誰なんだろうというところで終わるのは、まあ、ちょっとあるかな。マジックとパントマイムとコントと映像が混ざったパフォーマンスって、ジャンルとして、珍しいと思うので。
オークラ 『ポツネン』以外で観たことがないし、あれは真似もできない。でも、あと8年後に観れるってことですね(笑)。

小林 どうしよう、変な宣言になっちゃうな(笑)。
オークラ 8年って、結構すぐだよ(笑)。
――君の席のあとは、顔を合わせる機会も少なくなっていった感じでしたか?
オークラ まあ君の席が終わったくらいから、ラーメンズの活動が活発になって、僕もテレビの仕事が忙しくなって、そんなに頻繁に会わなくなって。あの頃を青春と呼ぶのであれば、それがちょっと終わった感じがしましたね。でも、コバケンの活動は「いいなあ」と思いながら、ずっと観ていましたけど。

テレビと舞台、目指すところの違い


――『小林賢太郎TV』は映像でやれる表現を模索した感じでしたか?

小林 年に1回、ある程度、自分のやりたいことを通してくれる59分間のテレビ枠があるのは面白いな、とは思って取り組んでましたね。壇蜜さんとか、ふだん会えないような人がゲストに来てくれたりしたし(笑)。
でも、あれは脚本と主演が僕で、ディレクターさんやプロデューサーさんは別にいる。だからテレビはテレビのものなんだな、ということを改めて学んだ場所でもあって。そこまで僕にはテレビ番組を作るスキルもないし、その器でもないなと、最後まで感じていた。だから「作っていた」というよりは、「作らせてもらっていた」「参加させてもらっていた」という距離感でしたし、だからこそ勉強になったことが山ほどありました。舞台という、自分のやりたいことと場所がちゃんとあったうえで、「こういうことをやりませんか?」と誘ってもらって、出向していたというか(笑)。
ーーオークラさんはテレビでお笑いをやることを、模索されていたように感じますけど。
オークラ 僕は学生の頃に観ていた『夢で逢えたら』とか『ダウンタウンのごっつええ感じ』、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』みたいな番組を、自分たちの時代にやりたいという願いがあって。君の席が終わった頃から10年くらい……、30代は、ずっとそれを考える時間でしたね。『はねるのトびら』とか『トリビアの泉』とか、今やっている『ゴッドタン』は、憧れていたテレビのお笑いをやってみた、あるいはやっている番組です。コントライブもやってはいたんですけど、いつの間にか、テレビのほうが中心になっていて。でも、10年経って「俺のやりたいことは、これだったっけ?」と思ってもう1回、ちゃんとコントやろうと思って戻ってきた……というのも変ですけど。
小林 とんねるずにも確かになりたかったな。大好きだった。

オークラ 今はテレビも少し形態が変わってきたけど、当時はとにかく視聴率を取らないといけなかった。それを第一目的に会議が進められるから、自分が見せたいものではなく、見た瞬間に誰もがわかるものも作らないといけないんですよ。そう思ったときに「ちょっと違うな」と感じるようにはなりましたね。だってダウンタウンが『ごっつえぇ感じ』をやっているときですら、コント100パーセントの番組はやらせてもらえなかった。コントでは数字が取れないから「コントをやりたかったら、これをやってください」と言われていたと聞くので。そう思うと、ちゃんと自分の見せたいものを作って、マネタイズしたラーメンズはいいなと思うし、僕も「もう一回頑張ろう!」と思って、東京03と円陣を組み直した感じですね。

小林 テレビでスターになることと、面白いコントを興行して飯を食っていくことは、職業として、そもそも違うものと思うんです。「テレビで見た人を生で見られる」という理由でチケットが売れるのは、「面白そうだから」という純粋性とは少し違うように、僕には思えたんですよ。なので無駄に知名度を上げて、これ以上チケットが手に入らないラーメンズにしてはいけないと思っていた時期もありました。もちろん、とんねるずやダウンタウンというテレビスターが大好きということは大前提としてあるんですけど、僕は自分が作ったもので誰かが笑ったり驚いたり、反応してくれることがうれしいのだと思ったんですよね。だから、コントでも、マジックでも、笑わせるでも、驚かせるでも、怖がらせるでもいい。それが果たせる職業を作るということが入口にあって。大学の敷地内でできるから、まずライブをやった。そうしたらある芸能プロダクションの方が評価してくれて、外部のライブに呼ばれてお金がもらえるようになった。そしてラーメンズの第1回公演で、自分が作ったものでお客さんが笑ったり驚いたりして、そこで夢は叶ったわけなんです。そのうえで何作か積み重ねた先にテレビ、メディアとの関わりが出てきたので、憧れていた場所に来た、という距離感ではなかった。そこで結果を出そうが出すまいがあんまり関係なかったし、社会科見学として勉強になったこともあれば、がっかりしたこともあったという感じでしたかね。

(つづく)

編集、文:小杉厚
写真:永田崚
ヘッダーデザイン:渋木耀太


ル・コント『この世界に19文字の文章など存在しない』
ティザームービー完成!


【お知らせ】ル・コント『この世界に19文字の文章など存在しない』公演詳細


※各地未就学児の入場不可となります。
※その他の詳細、注意事項などは各公演ページよりご確認ください。
東京:2026年5月15日(金)〜26日(火) I’M A SHOW(アイマショウ)
仙台:2026年5月30日(土) 電力ホール
愛知:2026年6月6日(土)・7日(日) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
富山:2026年6月13日(土)・14日(日) オーバード・ホール 中ホール
大阪:2026年6月20日(土)・21日(日) サンケイホールブリーゼ
岡山:2026年6月25日(木) 岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場
福岡:2026年6月27日(土)・28日(日) キャナルシティ劇場

●作品詳細はコチラ

●仙台・愛知・福岡公演:チケット一般販売中!