ル・コント 特別対談 小林賢太郎×オークラー第4回
小林賢太郎とパルコによる新たなコント公演、ル・コント『この世界に19文字の文章など存在しない』。
その公式noteの特別企画として、放送作家・オークラとの対談を敢行!
第4回のテーマは、小林賢太郎とバナナマンの出会い、そしてラーメンズというビジネスモデルを構築するまでの道程。さらにオークラが当時の小林をどう見ていたのかも明かされる。
これまでの対談はコチラからお読みいただけます。
テレビには出ないという選択
――ちょっと時間を戻して、小林さんとバナナマン設楽さんとの出会いについてもお聞きしたくて。

小林 最初、渋谷のジァンジァンにバナナマンの単独公演を観に行ったんですよ。それがびっくりするくらい面白くて。「これこれ! この感じ!」と思ったんですね。それを観て、その後、設楽さんにお会いしたときに、「自信作だから、磨き直してレベルアップさせたいと思っていた発表済みのコントを集めて、ベストライブに近い形で第1回目のライブをやろうと思っている」と設楽さんに言ったら、「全部新作でいったら?」と言われたんです。
オークラ うんうん。僕、その場にいました。
小林 「全部新作でいったら?」「……ですよね!」というやりとりがあって。
オークラ それで全部新作で作って、それが異常に面白くて「あんなアドバイスしなきゃよかった」と設楽さんも思ってるかも(笑)。
小林 でも、そう言われて書けなきゃダメだなって思いましたね。ライブ1本分、90分の尺を書こうとして書ける自分になりたいというか。そのくらいの実力がなきゃダメだと思って、「自分には書ける」という設定で書き始めたら、書けた(笑)。自信はなかったけど、でも「やれる」と自分を騙してやってみた感じだったかな。
ーーその後、小林さんとオークラさんは、バナナマンとsetagaya genicoや君の席といったユニットで公演をやられています。

オークラ これは勝手に俺が思っていることだけど、genicoの頃は、ちょうどラーメンズがテレビでコントをやっていた時期で、自分たちの単独公演もあったから、本当に時間がなかったと思うんですよ。傍から見て、苦しそうだなと思ったのを覚えている。
小林 需要が増えたのは、客観的に見たらいいことだしありがたいことなんだけどね。求められるままに全部やって「これが世に言う、売れるということなのだろう」と思っていたけど、あの頃は、ちょっと自分の人生を雑に扱っていたと思います。
オークラ 当時、『ウラ日テレ』という番組があって、芸人が集まって日テレの番組のパロディコントを作っていたんです。ただ、明らかに志の違う芸人が集まっていて、あまり意見も合わないんですよ。それでも単独ライブの前日なのに「コントを作んなきゃいけない」ってコバケンが呼ばれてきていて……覚えてる?
小林 そんなスケジュール感だったことは覚えてる。
オークラ 来たときにもう顔が死んでいて、本当につらそうで。それでも黙ってやって「大丈夫かな」と思ったらそれ以降、テレビには出ない選択をしたから。
小林 すでにテレビは合わないなと、わりとはっきりめに思っていたというか。テレビマン全員というわけではないけれど、僕の著作物への扱い方に疑問を感じるような出来事もあったので。
オークラ 当時は『電波少年』なんて番組があったくらいで、制作者から「お前ら、これやれよ」と言われたらやらなきゃいけないというようなことが、まかり通っていたしね。
ビジネスモデルは自分で構築する

小林 ユニットに関しても、自分が本当にやりたいことが本体としてあるうえで、呼ばれたからには一生懸命やっていたと思いますけど、ただ小さな「?」は、ずっとありましたね。僕に頼んだということは、僕が得意なことを求められてるんだろうと思ってやるんだけど、「いや、そういうことを求めているのではない」というような反応があったりすると、「じゃあ、僕じゃなくていいんじゃないですか? なにがしたいんですか?」と感じるというか。あと、ある程度ラーメンズがブランドとしてうまくいくようになると、僕らをブランディングし始めようとする人たちが現れたんですよ。「ラーメンズというのは、もっとこういうふうにしていくべきだ」みたいなこと
を言ってきて。ブランドを管理しているのは僕なのに、なにか自分の所有物かのように「お前たち、気に入ったから俺の言う通りにすればいいんだ」と、勝手にプロデュースし始めるような人たちが複数いて。「なんでだろう?」と思っていましたね。
オークラ それは確かに「なんでだろう?」だよね(笑)。
小林 自分のファミリー下に俺を置こうとするのが、すごく嫌だった。

オークラ でも、それに「否」とはっきりと宣言したのは、みな驚いただろうし、コントライブでちゃんと生計を立てて、飯が食えるように成立させたのは、誰がどう考えてもラーメンズが最初だと俺は思っていて。よく「東京03の単独ライブ以降、お笑いにお客さんが集まるようになったから、ライブでご飯が食べられる若手が増えた」と言われるけど、「それってラーメンズが最初なんだけどな」って、俺と飯塚さんで話しています。
小林 確かにご飯は食べられてたね。それは僕の中でビジネスモデルをデザインするところから始めて、形にするところに持っていけたので。そこは挑戦でもギャンブルでもなく「こうすればこうなるはず」と、わりあい堅実に作っていった感じなんだよね。だから外からブランディングしようする人たちは、「それはこっちがやっているし、うまくもいってるの!」と思って、本当に嫌でした。
オークラ それが誰なのか、2、3人は思い当たるけど(笑)。テレビに出ない決断を下すなんてかっこいいなと思ったけど、うまくいかないんじゃないかなとも思っていたんですよ。そうしたら、みるみるうまくいったから、「すげえな!」と思って。当時の芸人は焦ったと思います。「あれ、うまくいってるんだ!?」って(笑)。
(つづく)
【お知らせ】ル・コント『この世界に19文字の文章など存在しない』公演詳細

※各地未就学児の入場不可となります。
※その他の詳細、注意事項などは各公演ページよりご確認ください。
東京:2026年5月15日(金)〜26日(火) I’M A SHOW(アイマショウ)
仙台:2026年5月30日(土) 電力ホール
愛知:2026年6月6日(土)・7日(日) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
富山:2026年6月13日(土)・14日(日) オーバード・ホール 中ホール
大阪:2026年6月20日(土)・21日(日) サンケイホールブリーゼ
岡山:2026年6月25日(木) 岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場
福岡:2026年6月27日(土)・28日(日) キャナルシティ劇場
●作品詳細はコチラ!
●東京公演:【立見指定券】発売中!詳細はコチラからご確認ください。
●仙台・愛知・福岡公演:チケット一般販売中!
