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昭和の片隅  ラムネ菓子のプリン

おばちゃんは、よく手作りのプリンを作ってくれました。
そのプリンには、カラメルの代わりに色とりどりのラムネ菓子がトッピングされていました。
淡いピンクや水色のラムネが、まるでおとぎ話のようにプリンの上で輝いていて、子ども心にとても特別なごちそうに思えたものです。
プリンが固まると、冷蔵庫でしばらく冷やします。食べ頃になる頃には、ラムネ菓子がしっとりと溶け、ほんのり甘い香りを漂わせていました。
スプーンを入れると、やわらかなプリンと少し残ったラムネの食感が混ざり合い、なんとも言えない美味しさ。
あの味は、今でも他では出会ったことがありません。
もしかすると、あれはおばちゃんだけの“特製プリン”だったのかもしれません。
おばちゃんは何でも手作りの人でした。
中でも忘れられないのは、おにぎりです。
ご主人のために、仕事の合間に食べられるよう、いつもおにぎりを持たせていたおばちゃん。
当時はラップなどなく、ビニール袋に入れたおにぎりを新聞紙で包み、輪ゴムでとめていました。
今では見かけなくなったその光景が、なぜか心に深く焼きついています。
季節ごとに、おばちゃんは小さな楽しみを与えてくれました。
三月には、ひなケーキを買ってくれたこともありました。
ケーキ屋さんの前には、ひなケーキやひなあられが並び、商店街がいっそう華やかに見えたものです。
お正月前には、おもちゃ屋さんの店先に羽子板がずらりと並びました。
小さなものから立派なものまで、所狭しと並ぶ羽子板は、どれもきらびやかで美しく、子どもながらに見とれてしまいました。
そんな中、私はつい「大きな羽子板が欲しい」とねだってしまったことがあります。
幼いながらに厚かましいお願いをしてしまったあのときも、おばちゃんは羽子板を買ってくれました。
あのときの羽子板は、今も私の手元にあります。
その羽子板を見るたびに、おばちゃんと、あのメルヘンチックなプリンの色を思い出します。
そして心の中で、いつもそっと感謝を伝えています。


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