日帰りで1000キロ!?広島・山口爆速旅行記!
日帰りで1000キロ旅行した。
世界7位の島である本州の南北端を結んだら約1008キロだ。
つまり、本州縦断級の移動を1日で済ませたことになる。
いやちょっと待ってまじか。
我ながらドン引きしている。かなりドン引きしている。
1000キロ……
事の始まりは1通のLINEだった。

いやいやいや、広島て。
流石に遠すぎるし、そんな気軽に行くようなレベルじゃないでしょ。
申し訳ないけどお断りかな…

というわけで、広島へ行くことになったのだ。
しゃーない。じゃあ行くか。
決行日は12月26日。前日人と会う予定も特に無かったので丁度いいだろう。
……………。
…………………。
と、いうわけで午前5時の多治見駅!

マジで誰もいない。
誰もいないのに灯り続ける光がかえって寂寥さを際立たせていた。
ホームで奴と待ち合わせ、2人だけが列車に乗り込んだ。
名古屋駅で新幹線に乗り込み、西を目指す。思えばこの旅を実現可能にしてしまったのはコイツだ。
意味わからんほどの超技術と速度で鉄路の上を爆走する高速鉄道である。
何度乗っても速さに興奮するし、何度試しても車窓からの風景写真は失敗する。

新大阪を越え、六甲山地を抜け、案の定姫路城の撮影に失敗し岡山平野を横断するともう広島県だった。
東広島を過ぎ、山を超えたら広島市だ。空は曇天。灰色の雲がかなり近くまで降りてきていて世界は少し狭い。
でも雪は降ってなさそうで安心した。流石にこの数キロでそこまでの気候変化は起きないはずだ。
そして、いざ、
――広島…!

…めっちゃ雪降ってた。
積雪は2センチ。山1つでここまで変わるのかよ。フェーン現象怖っわ……
とはいえ広島には着いた。
ホームに降り立って「広島」と書かれた駅看板を見た瞬間、
「広島って日帰りで来れる街なんだ…」
という謎の感慨が溢れ出てきた。
すると隣で奴が「広島って日帰りで来れる街なんだ…」と言っていた。
お前が誘ったんだよ。
広島駅は綺麗だった。まるで建て替えたばかりだ。と思ったら本当に建て替えたばかりで、かなり大規模な再開発が終わった直後だった。
まずは路面電車に乗るために2階へ向かう。
路面電車に乗るために2階へ向かう!?
そう、新しくなってリニューアルした広島駅は路面電車を大ジャンプさせ、2階で接続しているのだ。

これ考えついた人はどんな体勢で仕事してんだろ。常人にはとてもできない。
最初に向かうのは広島城。翌年3月末に修繕のため何年も閉城となるからだ。
流石に毛利家の居城だっただけあってデカい。何って土地面積がデカい。

あとなんか晴れた。
なんだったんだよあの雪は。
城内はかなりの人出だった。これ全員でかかったらギリ城攻めに成功しそうなほど多かった。
まずはその中にある神社に参拝。

そして入場料(入城料?)を払い本丸の中へ。
一度全壊し、その後再建された建物となる。
木目がそのまま見て取れる質実剛健な城だ。城マニアじゃないからよく分からんけど、なんか珍しい気がする。

内部はガッツリとした資料館になっていた。戦国時代の刀や鎧など様々な展示がなされていた。
あと築城者であった毛利輝元は英雄レベルに崇められていた。多分英雄なんだろうな。
何より心象に残ったのはやはり原爆関連の展示だ。この城の約1キロ南で炸裂した恐ろしい兵器はとんでもない衝撃波といえる爆風を引き起こし、広島城は跡形もなく吹き飛んだそうだ。
しかし、戦後になって有志が再建。まだ街の復興もできていない状態の再建であったが、その様子は広島の人々に多大なる勇気と希望を与えたらしい。
一部では城ではなく跡地に巨大な「自由の女神像」を置く案もあったそうだが、そのイメージ図が現実離れしすぎていて逆に見てみたくなった。
最上階は展望フロアで、広島の街が一望できた。うん、流石に都会だ。中四国地方最大の都市なだけある。

左側では何やら高層ビルが建設中だった。再開発だろうか。流行りだね。
城を出て南に向かって1キロほど進むと次の目的地が見えてきた。

おりづるタワーである。
因みに道中で広島焼きお好み焼きを食べた。観光客値段で高くはあったが、美味かったので問題ない。美味さはすべてを凌駕する。
さて、おりづるタワーは市中心部にある14階建てのビルだ。
他の建物に比べて明らかに高いわけでもない普通のビルだが、にも関わらずタワーを名乗っている。気骨あるな。
観光ビルであり、上階には展望台が設置されている。料金は破(壊的な価)格の2200円。気骨あるな。
エレベータに乗り、最上階のドアが開くとそこには

大パノラマ!!!
これは綺麗。もう元取った。
そして…原爆ドームが上アングルからも見られる。
このタワーの名前に入っている「おりづる」は平和への祈りだ。
やはり広島を訪れたからには戦争の歴史から目を背けることはできないな。
平和記念資料館なんかは過去に訪れたことがあるので今回はパスするが、それでも目を背けることはできないほどありありと見せつけられる。
広島は本当に考えさせられる街だ。

下からも原爆ドームを見た。
幾千万という尊い命に思いを馳せ、並んで合掌した。


そのまま真後ろの駅に向かう。広電の路面電車だ。
広電はどこからどこまで乗っても一律240円払えばいいので楽だ。
バスなんかは先に払ったり後で払ったり着々と増えていくモニターの運賃を見て怯えたりしなければならないし、そのシステムが地域や会社によって異なるのだから最悪だ。
最近は交通系ICでピッとすればいいのでまあ許せるが。
兎に角、広電の路面電車に乗り込んで進む。進む。
気づけば車両は道路ではなく軌道を走っていた。広電は途中から普通の鉄道に変化するのだ。
そして、次の目的地に着く。
広島県廿日市・宮島口駅。
廿日市。広島県の都市をできるだけ出して、と言われたら多分2番か3番目には来そうな街だ。
「市」を付けると「廿日市市」。なんとも気持ち悪いが、この名前の由来はシンプルで、毎月20日(廿日)ごとに開かれていた市に由来するそうだ。まんまやん。
そして、廿日市に来たならば目的地はもう分かるだろう。
日本三景・厳島だ。
数分ごとに往復運動をしているフェリーに乗り込み、島へ渡る。
奴は海上の寒さに打ち震えていた。
海の上って本当に殺人級の寒風が猛烈に吹くよね。
私もコートにフードが付いていなければ危なかった…

元来私は観光地というものが得意じゃない。
自分の好きな街を好きなルートで好きなように歩き回りたい性分だからだ。
観光地ってなんか「このルートで回りましょう」みたいな暗黙の了解があるから苦手なのだ。
だからよく分からん街の住宅街を練り歩くのが1番好きだったりする。完全に変質者である。
そんな捻くれ者の私だが、厳島の地を踏んだ時点でその雰囲気に完全に呑み込まれてしまった。

観光地としての雰囲気に加え、ここにはオーラがあった。なんかこう、「ああ、これが観光地と呼ばれる所以なんだな」と謎に得心した。
それでは、いざ行かん!
厳島に来たらもう行く所は1つだ。

今伊勢神社!!!!!
………はい、えー厳島の、

ここ。この山の上。
………大鳥居ちゃうんかい
なんでやねんって思われてるだろうけど私もなんでやねんって思ってるから大丈夫。お使いの端末は正常です。
例のごとく島内へフラフラと彷徨い込んだらいい感じの階段があったのよ。
そんなん登らざるを得ない!
で実際景色もホント良かったのでオススメしておく。

そんなこんなで次はちゃんと厳島神社に向かう。
ちなみにこの時点で時刻は午後2時。果たして帰れるのか。
そして有名な大鳥居。

流石に壮観だった。
なお、厳島神社の内部には入らなかった。人が多すぎてとても入る気にはなれなかったのだ。
奴も、「これはパスだわ」と言っていた。見解一致。
揚げもみじとか言うお菓子を食べようとしたら鳶に分捕られた。
しかもあいつ、食べられる所はそのまま海に落として割り箸だけ持っていきやがった。せめて食え!

揚げもみじ……と言いながら帰路を歩んでいくと、今度はオーバーツーリズムの弊害と出会った。

なんだこれ。
パンフレットを貪る鹿。
全く気に留めず丸まる鳩。
なんだこれ。
そんなこんなで島を離れ、今度はJRに乗って更に西を目指す。黄色い車体の電車は野を超え山を越えぐんぐん進み、とうとう山口県へ到達してしまった。
ホームに降り立って「岩国」と書かれた駅看板を見た瞬間、「山口って日帰りで来れる県なんだ…」という謎の感慨が溢れ出てきた。すると隣で奴が「山口って日帰りで来れる県なんだ…」と言っていた。お前が誘ったんだよ。
バスに乗り込み錦帯橋へ。
山口県の観光地は?と聞かれたらまず最初に出てくる場所ではなかろうか。あとは萩と、下関あたりか?
錦帯橋は江戸時代に岩国城と城下町を結ぶために架けられた。それまでの橋はミーハーの好みと同じくらい簡単に流されてしまっていたが、今度こそは流されない橋を架けようと決まり、建設されたらしい。
そして翌年の洪水でサクッと壊れたそうだ。早い。
しかしすぐに川底の改良を行い、その後は昭和になっても流れずに保たれたそうだ。

美しい橋だった。
こういった雅な橋は何度も立ち止まりつつゆっくり歩くのが良い。
逆にこれを爆走しているやつがいるとしたら、そいつは何を考えているんだ。
その後、岩国城へと向かったが流石に時間の関係で登るのは諦めた。
麓でメダルなんかを買い、さあ新幹線の予約は何時だと見てみたら、
18時40分。広島発。
ってことは岩国駅を17時35分に出る便に乗らなきゃいけなくて、
岩国駅に向かうバスは17時16分のに乗らないと詰むわけだ。なるほどねー。

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっ
走れええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!

迷惑にならないギリギリの全力疾走で錦帯橋を駆け抜け、既に止まっていたバスに飛び込む。
「俺は先に行く!」と言って私より早く駆け出した奴は2分後に乗り込んできた。その直後に発進。
あっぶねええええ!!!!!!!
コートの中がもう暑すぎて脱ぎ捨てた。
今日は寒暖差が激しい。

無事広島駅に到着し、駅弁も買えた。
案外なんとかなるものだ。

検証結果。ギリギリではあるが山口県は日帰りで行ける場所だった。
やはり新幹線と全力疾走は速い。
皆さんもぜひ挑戦してみてくれ。
普通に丸一日ちゃんと観光できるから。

ただいま、多治見!!
完
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