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滅菌管理士ってこんなこともやってるんです──オペ室清掃のお話(後編)

はじめに


今回は「動物病院の清掃」に焦点を当て、人の病院や海外との比較を通して、その実態と課題について考えていきます。

あくまでこれは私の妻が勤務していた動物病院での体験談に基づく一例であり、すべての病院に当てはまるわけではありません。病院ごとの差が大きいことをご理解のうえで、お読みいただければと思います。

🧼実際の動物病院での清掃方法
(体験談より)


対象は手術室に限定してご紹介します。

1. 動物の毛などの除去

 掃除機やダスターで、床に落ちた被毛やゴミを除去します。

2. 手術台や汚染箇所の清拭

 - 手術台は AP水(中性電解水) で拭きます。
 - 血液汚染時:AP水で拭き取り。
 - 体液や糞尿の場合:次亜塩素酸ナトリウムを使用。

3. 医療機器の清拭

 金属類や機器類はアルコール綿ガーゼで拭き上げ。

4. 床の消毒清拭
次亜塩素酸ナトリウムまたはAP水を直接噴霧し、バスタオルを巻いたモップで清拭。

5. 寄生虫対策
 回虫やノミ・ダニの出現時には、駆虫剤を染み込ませた布で拭き取り

なお、病院によってはグルコン酸クロルヘキシジンを使う施設もあるようです。

このように、日本の動物病院では感染対策の方法にかなりのばらつきがあるのが現状です。

🇺🇸 AAHA(アメリカ動物病院協会)の基準


一方、アメリカのAAHAでは、以下のような厳密な清掃手順が定められています。

1. 動物の毛・汚染物を除去
 ダスターやペーパーで**有機物(毛・糞尿など)**を取り除く。

2. 表面の消毒清拭
 クロスにAHP(加速化過酸化水素)または次亜塩素酸を染み込ませ、
無影灯 → 麻酔器 → 器具台 → 手術台の順に高い所から清拭。
汚れがある場合は、界面活性剤入りの洗剤で先に除去。

3. 床の清拭
 AHPまたは次亜塩素酸を染み込ませたマイクロファイバーモップで拭く。

これらはすべて感染制御の一環と位置づけられており、使用薬剤の**接触時間(例:10分)**も明記されています。

日本の場合:

・手順 消毒スプレーのみで済ます例も多い
・管理者 動物看護師が兼務
・文書化 動物病院独自のルールが多い

アメリカの場合:

・手順 多段階 (界面活性剤入りの洗剤で有機物を除去したのち、消毒→乾燥)
・管理者 専門スタッフまたは清掃業者
・文書化 ガイドライン、マニュアル・チェックリストがある(ここは、日本の動物病院でもあると思います。ただ、ないところもあるようです。)

🧠 今後の課題と提案


日本では、まだまだ「人の医療レベル」には達していない清掃現場が多くあると思われます。
だからこそ今、滅菌管理士、滅菌技師、清掃受託責任者、医師、看護師、獣医師、動物看護師との連携によって、ガイドラインの整備が求められているのではないでしょうか。

人と動物、命の重さに違いはありません。感染症の一部は人にも影響を及ぼすものです。
動物病院でも人医療と同じレベルの清掃基準を整備することが、これからのスタンダードになると信じています。

🏁 おわりに


私が構想している「動物向けの院外滅菌センター」も、その解決策のひとつだと考えています。

ただし、すぐにセンターを建てるのは現実的ではありません。まずは専門業者が動物病院に常駐する形での支援から始めていくことが現実的だと思います。

このnoteが、動物医療に関わる方々にとって、少しでも気づきや変化のきっかけになれば嬉しいです。

📘最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ここで、今回の記事を読んで否定的に感じたかもしれません。
自分としては決してそんなつもりで書いてはいなかったのですが、ただ動物病院にせよ、人の病院にせよ、そこには人が働いています。
その方々のリスクが少しでも減って欲しいと思い書いた次第です。
賛否両論があると思います。
私も自問自答しながら、今回の記事を書かせていただきました。この記事を出すべきか、そうでないか?と。
でも、自分の妻がそうであった様に「知らなかった」っていう人も居ると思います。
そんな方々へ、少しでも理解し、閃きに繋げて頂けると、頂けると幸いです。

皆様には不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。

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