七日以上の連勤
東京に在る大規模な物流センターに私は勤めている。
棚は車輪の付いた搬送ロボットに載り、私のいる作業台の横へやって来た。そこへ米やら、タオルやら、ゲームソフトやらを入れる作業を繰り返すのが、私に課せられた仕事である。
仕事を始めて二時間が経とうとした頃、リーダーの役職を意味するユニフォームである、青いベストに身を包んだ男性が現れる。
「お疲れ様です。須藤さんお仕事中に申し訳ございません。」
「はい、山本さん。どの様なご用件ですか?」
「本日須藤さんは仕事をされると、七連勤になって了い、それは法に触れて了うのです。
今から、一階の事務所に向かわれて下さい。折角来て頂いたのに、申し訳ございませんが…。」
「いいえ。承りました。」
エレベーターで下りる最中、派遣会社の営業坂本さんからは、相手先の会社からはオーケーがもらえたからと言われたのにな…と納得がいかない想いを私は籠もらせた。
事務所に行くと女性職員二人が控えていた。私が、名前と配置されている部署、そして、所属会社を伝えると、彼女達からは返事が想像以上に早く返って来る。
「申し訳ございませんが、七日以上の連勤は許可しかねます。」
「分かりました。ただ、私の所の営業担当からは、許しが下りたと告げられました。」
こう言って私は、スマホのメールを見せる。それに彼女達は戸惑っているとも、疑っているとも言える表情を作った。
結局、私は今日帰る事になり、ロッカー室に置いていた、パーカーを身に纏ってから、ショルダーバッグを左肩に掛けて、センター外へ出る。
今日は仕事が出来ない。それなら、せめて他の事に時間を注ぎ込もう。そして、直ぐに高層ビルから景色を楽しむ事を私は思い付いた。
景色を楽しむだけでなく、最近今の職場で親しくなれた高橋さんにお土産をプレゼントする。彼と私が出会った"証"として残して置きたい。 完
