ハルガキライ
年度末の今月、あわただしくされている方も多いのではないでしょうか。
期待にわくわくしている方も、暖かくなる空気にどこか浮かれる方もいるのでしょう。
そんな私は、ハルガキライです。
ごめんなさい。
春めいてきているこの時期に、ぶった切るようなことを言って。
ストレスという言葉も知らない幼稚園児だった私は、小学生になることをとても楽しみにしていました。
皆に「小学校入学おめでとう」と言われ、ワクワクしていたのです。
ところが、いざ入学して感じたことは
……
「うわー汚ねー」
その一言でした。
私立幼稚園だった私は、その延長線上に小学校があるものだと思っていたので、その落差に驚いたのです。
下駄箱、教室、机、トイレ……全部が、うわーきたねー。
そしてクラスメイトも、幼稚園の時のおっとりした感じはなく、クラスの半分くらいが落ち着きのない猿に見えてしまいました。
開ききったチューリップの雌しべと雄しべをじっと見つめながら、
「何なんだ、これは」
「どこがめでたいんだ」
「これがずっと続くのか」
「幼稚園に戻りたい」
そんなことを思っていたのを、今でもよく覚えています。
人生初のストレスだったのかもしれません。
唯一の救いは、幼稚園の頃に仲良しだった男の子が隣の席だったことでした。
その子の顔を見ると、その時だけ幼稚園に戻れたような気がしたのです。
小学生になっても、幼稚園の頃と同じ感覚で、いつも手をつないでいました。
そうしているだけで、ほっとしていたのです。
ただ、子どもだけに順応性が高かったのか、嫌だったのは三日ほどで終わったと記憶しています。
その子のおかげだったのか、単に諦めたのかは覚えていませんが。
それでも、もやーっとした暖かい空気を感じると、未だに思い出すのです。
開ききったチューリップと、それを見つめていた時のあの気持ちを。
だから私は、ハルガキライなのです。
四季で言うなら、私はアキが好きですね。
アキが好きなのは、
夏の暑さから解放され、ほっとするのと、夜が長くなるから、どこか得をした気分になるのです。
それに、闇夜の中では……きっと、
私の闇も紛れるからでしょう。
……怖いわ。
手をつないでいたその男の子は、小学校三年生で転校してしまいました。
その後どうしているのか、まったく分かりません。
ただ、二年生の夏、私にカマキリを取ってくれようとして、人の家の大谷石に登り、それが崩れて足を骨折した……そんな大事件がありました。
もしもこのnoteを読んでいて
「それ俺だわ」
という人がいたら、ぜひ教えてください。
秘密の暴露で、特定します。
春になると、なぜか思い出すんですよね。
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