過剰妄察第3弾影山さくらさんの『私は何も知らなかった』の第1章の感想を書きました!!!
『私は何も知らなかった』第1章では、如月麗美という一人の女性が、自分でも知らないうちに会社の不正に巻き込まれ、会社の内部や人間関係、そして社会の理不尽さと向き合っていく姿が描かれていた。
きっかけは、経理の仕事で「自分が入力した覚えのない仕訳」を見つけたことだった。もし自分だったら、「気のせいかな」とやり過ごしてしまうかもしれない。でも麗美さんは、その違和感にフタをせず、何度も確認し、自分で追いかけていった。そして、少しずつ会社の中で何が起きているのかを明らかにしていく。この「おかしいと思ったら、自分で動く」という姿勢がとてもかっこよかった。
学校でも、「このルール変じゃない?」とか「その空気、なんか嫌だな」と思うことはある。でも結局、周りに合わせて黙ってしまうことも多い。けれど、この物語を読んで、自分の感覚を信じていいんだと思えた。
印象的だったのは、麗美の友人で公認会計士の詩織さんの存在だ。彼女は「私たちは探偵じゃない」と線を引きながらも、麗美のために冷静に資料を分析し、大事な手がかりを見つけ出す。その姿勢は、大人ってこういうふうに現実と戦っているんだな、とリアルに感じさせられた。
この作品を読んで、「自分の会社のことさえ、意外と知らないことがあるんだ」という怖さも感じた。でも同時に、「知らなかった」で終わらせず、自分の頭で考え、行動していくことの大切さに改めて気づかされた。そんな作品でした。
過剰妄察
会社では冷静にふるまう麗美さんが、道場では感情をぶつけるように突きや蹴りを繰り出していた描写がとても印象的だったので妄想してみました。
スーツを脱ぎ、髪をまとめ、道着に袖を通す瞬間。麗美さんの中で何かが切り替わる。蛍光灯の白い光の下、汗のにじむ道場の床に足を踏みしめると、昼間の職場で飲み込んだ言葉や抑えた怒りが、ひとつひとつ身体の中から浮かび上がってくるような気がする。
稽古が終わったあと、誰もいない更衣室で、麗美さんがタオルで汗を拭きながら、ふっと肩の力を抜く姿。稽古では吐き出せたけど、明日また会社に戻らなくちゃいけないという重さ。でも、それでも「今日、自分は自分に嘘をつかなかった」と思える少しの誇り。それが、彼女をまた立たせているのではないか。
武道は、戦うための技術ではなく、自分を整えるための道でもある——そう感じさせてくれた麗美さんの稽古の姿は、まるで心の中の怒りや疑問を「動き」で整理していくように見えた。もし僕が麗美さんのような立場になったら、きっとその強さに少しでも近づきたいと思っていたかもしれない。
影山さくらさんの『私は何も知らなかった』の第1章の感想文を書かせていただきました!ありがとうございました!
