今の会社にいたら、5年後どうなるか計算してみました
「なんとなく今のままでいいや」と思いながら働き続けている人は少なくありません。
しかし、明確なキャリアビジョンを持たずに流されている時間ほど、後から振り返ってリスクになるものはありません。
この記事では、今の会社に留まった場合の5年後を、給与・スキル・市場価値という3つの軸で具体的に試算し、転職や退職を検討すべきタイミングを客観的に見極める方法を解説します。
なぜ「5年後」を試算する必要があるのか
多くの人は、1年後や3年後の環境は何となくイメージできても、5年後のことまで具体的に考えていません。
5年という期間は、企業の昇給ペースの違いが累積の数字として明確に表れてくる期間であり、同時にスキルの陳腐化や転職市場における価値の変化も無視できなくなってくる極めて重要なタイミングです。
現状維持の感覚のまま5年が経つと、気づいたときには他の環境を選んだ人材との間に大きな格差がついているケースは珍しくありません。まずは自身の現状に置き換えて、以下の3つのステップで具体的に試算してみましょう。
5年後のキャリアを試算する3つのステップ
ステップ1. 給与の伸びを試算する
日本の企業の平均的な定期昇給率は、年1〜2%程度と言われています。仮に現在の年収が400万円で、年1.5%の昇給が続いた場合の5年後を試算すると以下のようになります。
400万円 → 406万円 → 412万円 → 418万円 → 424万円 → 430万円
5年間でおよそ30万円の増加という計算になります。
一方で、転職によって年収が上がるケースでは、1回の転職で50万円〜100万円以上の増加が起きることも珍しくありません。

5年かけて積み上げる金額を、環境を変えることで一瞬で超えてしまう可能性があるということです。
ステップ2. 保有スキルの汎用性を棚卸しする
同じ会社に居続けることで、特定のスキルが積み上がっていくのは事実です。ただし、そのスキルが「社内でしか通用しないスキル」なのか、「他社でも通用するポータブルスキル」なのかによって、5年後の価値は大きく変わります。
独自の社内システムの操作方法や、その会社特有の複雑な承認フローに関する知識は、その環境を離れた瞬間に価値が大幅に低下します。
一方で、論理的思考力、マネジメント経験、汎用的な専門資格などは、会社を移ってもそのまま価値を持ち運ぶことができます。
ステップ3. 年齢に伴う市場価値の変化を予測する
年齢が上がるにつれて、転職市場における評価基準は確実に変化していきます。
20代であれば成長のポテンシャルを評価されて未経験の分野にも挑戦しやすい一方、年齢を重ねるほど「即戦力としての実績」や「組織のマネジメント経験」が厳しく求められるようになります。
つまり、今の会社にいることで、5年後に「他社でも評価される客観的な経験」が積めているかどうかを、今この時点で冷静に見極めることが不可欠です。
試算には表れない「機会損失」のリスク
ここまでの試算に加えて、キャリア形成において見落とされがちな要素が「機会損失」です。
今の会社に留まり続けることで、本来なら他の環境で得られたはずの「最先端の経験」「より高い年収」「市場価値の高い人脈」を得るチャンスを失っているかもしれない、という考え方です。
これは目に見える給与明細には表れませんが、5年という歳月で積み重なると、将来のキャリアの選択肢を大きく狭める要因になり得ます。
試算結果を受けて取るべきアクション
ここまで客観的に試算してみて、「今の会社でも十分に価値のある経験が積めそうだ」と再確認できたのであれば、それは現職に注力する強い動機になります。
一方で、「思ったよりも成長や昇給の幅が限定的かもしれない」と感じた場合でも、焦ってすぐに退職届を出す必要はありません。
まずは外部の転職サイトやエージェントに登録し、自分の現在のスキルが外の世界でどのように評価されるのか、市場価値をリサーチしてみることから始めるのが安全なリスクヘッジとなります。
まとめ

今の会社を辞めることだけが正解ではありません。重要なのは、「なんとなく」という曖昧な感覚ではなく、5年後の数字とリスクを冷徹に把握した上で、自身のキャリアを主導権を持って選択することです。
次回は、「転職エージェントとの初回の面談で、伝えるべきこと・伝えるべきではないこと」を解説します。
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