社会科の中で最も人気のない分野、それは地理
※今回はエッセイ・日記スタイルで執筆しました
2026年4月12日
「私がかつて学校で生徒にアンケートをとったとき、地理(分野)は社会科(地理、歴史、公民)の中で最も人気がなかったんです。それはなぜだと思いますか?」
教員採用試験の面接で、面接官に質問された。
私が受験した自治体の教員採用試験では、教育委員会に所属する人と校長が面接官を務めることになっており、座っていた位置・雰囲気からしておそらく彼はどこかの学校の校長であった。
採用試験という重要な場面で現場の校長がそう言うのだから「社会科の中で最も人気がないのは地理である」ことは事実であろう。
中学校で私が3年生に「3年間の社会科の授業で一番印象に残っていることは?」と聞くと、ほとんどの生徒は「歴史の授業で学んだこと」を答える。
私は高校の選択科目で「地理B(現在の地理探究)」の受講を希望していたが、あまりにも受講希望者が少なくて開講されず、仕方がなく「日本史B(現在の日本史探究)」を選択せざるを得なかった。
また高校生だった私は、理科(化学、物理、生物、地学)と社会(地理、日本史、世界史、政治・経済、公共、倫理)では名前に「地」ってつくやつと「理」ってつく分野が不人気で、地理は両方ともついているから一番不人気なんだな、と思ったことがある。
首都圏では難関大学から中堅大学まで、ほとんどに「歴史系学科」は設置されているのに「地理系学科」が設置されている大学は少ない。両方あったとしても、地理学科の偏差値は歴史学科の偏差値よりも低いことが多く、もはや「穴場学科」と化している。
アニメの世界でも、「歴史好きキャラクター」はいたとしても「地理好きキャラクター」なんてのはまずいない。
このように中学校、高校、大学、そしてアニメキャラクターの事情をふまえたとき、やはり「社会科の中で最も人気がないのは地理である」ことを認めざるを得ない。
それでも地理は楽しいよ、と私は言いたい。
地理はいい意味で「何でもアリ」な学問である。
だから、大学の卒業論文のネタもバラエティ豊かである。
ある人は「地元のプロ野球チーム」をネタにしていた。
ある人は「アイドルオタクの行動」をネタにしていた。
もちろん、鉄道好きは鉄道をネタにしていた。
そしてある人はわざわざ大学院へ進学して「日本人の世界一周旅行者」というヘンテコなテーマで論文を執筆した(私のことです…🙇)。
世界一周旅行と地理は相性がいい。世界一周旅行をすれば地理に関することを自分の肌で感じながらたくさん学べる。逆の見方をすれば、「地理を学んでいれば世界一周旅行はもっともっと面白くなる」。
それに世界一周旅行を実施するうえで、地理はとても役立つ。どうやって移動するのか、どうやったら安く移動できるか、どのエリアのホテルに宿泊するのがいいのか、どこが安全なエリアなのか。地理で学ぶ人口、都市、交通、文化、宗教、民族構成をもとに考えると、実はうまくいく。これは歴史や公民(経済、政治)を専攻している人がもっていない、地理を学ぶ者だけがもつアドバンテージである。
これから先、もっと地理に興味をもってくれたり地理の重要性に気づいたりする人が増えたらいいな、と思うし、そのために地理を専門とする社会科教師として、自分の使命を自覚するばかりである。
※ちなみに、「私がかつて学校で生徒にアンケートをとったとき、地理(分野)は社会科の中で最も人気がなかったんです。それはなぜだと思いますか?」という面接官の質問に対しては、
地理は学習したことをイメージしづらい分野だからだと思います。それに対して歴史では人物が登場して、物語として捉えながら、分かりやすく勉強できます。また公民では政治や経済など、リアルタイムで起こっている、自分の生活に大きく関わることを学習します。これら2つの分野と比べたとき、地理はどうしても不人気になってしまうと考えます。
のように回答した記憶があります。
面接に絶対的な正解はない、とよく言われますが、幸いなことにこの年の試験に合格することができたので、ひとまずヨシとしましょう(笑)
