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『乙女の純愛・コスモス』

乙女7歳が難病で、とある病院に。
病室の窓からは殺風景で何もない
山あいの静かな場所に位置している
たまに野生のリスが木登りをして
愛らしい姿を見せてくれる。
静かな、風が吹く音しか、しない
場所だった。

「私が難病となってから誰もお見舞いに
 来てくれない」
「両親は、来てくれるけどは病弱なため
 あまり来れない」
わたしの唯一の楽しみが
ひとつだけある。

週1回だけ。
水曜日
みなさんが寝静まる時間帯
看護師さんたちは交替で
私たちのために頑張ってくれている
「そんな寂しい気持ちの私に🩷を灯してくれた人がいる」
「でも、来てくれてもすぐにいなくなっちゃうの」
病院の窓からは森林に覆われた風景
しか見えない

夜中だけ会いにきてくれる美少年
しかも窓の外。
小さい窓からは全身はみえない。
月の光に照らされて薄っすらと
その美しい顔が・・・
鬱蒼とした木々の中をゆっくりと。
どこか淋しげな表情を浮かべる時も
ある。
「こんばんは🌙」
「聞こえたかな?」
彼には変わりなく優しそうな
表情で私をみつめてくれる
言葉はないの。

『スゥ〜と現れてあっという間にいなくなる』
この繰り返し。
「でもね、水曜日が楽しみになってきたの」
水曜日が終わると
『木曜日』『金曜日』『土曜日』『日曜日』
『月曜日』『火曜日』と6日も
待たないといけない。
長い長い6日間
『お薬の副作用が辛く』
毎日毎日落ち込む日々
彼と出会ったのはそんなときだった。
深夜2時頃わたしは寝ていた
病院は午後9時消灯だから。
熟睡していたときに
薄っすらと光が差したの。
「貴方のお名前をおしえて」
と懇願した。
最初は何も言ってくれなかったけど
わたしが
心のなかで
「お願い」
と・・・
彼はひとこと
「ジュン」
「ジュン君ね」
「ありがとう」
「今日は、なんかうれしい」
「とても嬉しい」

それから、しばらく
ジュン君は来てくれなくなった
私が名前を聞いたからかな❓️
聞いちゃいけなかったのかな
とおさな心なりに
悩んだ。
1月11日私の誕生日
病院では身体に影響のないように
小さいBirthdayケーキ🎂を
用意してくれた。
「乙女ちゃん、7歳の誕生日おめでとう」
「みなさん、ありがとう」
病室の外では『リスさん』や『ウサギさん』が
一緒に『おめでとう』CALL

でも、その日の深夜頑張って起きていた
午後9時に消灯になるから
病院内はナースステーションいがい
暗くなる。

ある日ジュン君がまた、音もなく
姿を見せてくれて
こう言った。
「君はボクが見えるの?」
「見えるよ」
「ハッキリと」
「ボクたちこの世から離れた姿をみれる人
 に会うのは久しぶりなんだ。」
その言葉だけだった。
そのときだった。
風が一瞬嵐のように駆け巡った
透明色のようなハッキリした
姿はとらえられなかったが
まるで妖精のような集団が
彼を守るように現れ
包み込むように姿を消した。
・・・
風が止んだ。
野鳥たちが天空に輪を描くように
飛び回り
まるで空で野鳥のダンスを
乙女に見せてくれていた。
そして去って行った。

ある晴れた月曜日の朝
わたしの担当をしてくれている
看護師さん、
やさしくてキレイでとてもステキの方
「乙女ちゃん、体温測りますよ」
「はい」
「あのね、看護師さん」
「昨日ね」
「会いに来てくれたの」
「誰が?」
「ジュンくん」
「お友だち?」
「そう」
「良かったね」
とわたしのお話を聞いてくれた。
担当の看護師は病室とナースステーション
を毎日行き来している。
担当患者の病室にお見舞いの方が
来るとき
とくに頻繁にきてくれる人とは
あったりしますね。
でも、ジュン君とは会ったことがない
それはそうだ。
この担当看護師は見える人ではなかった。
霊体が見えない人は
すれ違ってもわからない
みえませんから。
実体がある人と実体のない人
見える人と見えない人が
います。
乙女には見える人でしたが
看護師さんには見えなかった。

「実はその美少年は数年前に旅立った」
とベテラン勤務の看護師さんが
お話をしてくれた。
入院中はその眩しい笑顔にみんな
癒やされていた。
キレイなのは顔だけではなく
とても優しい思いやりのある
美少年だった。
病院内でも人氣があった


ベテランの看護師ミンさんは自分の記憶を
辿るように話し始めた。
記憶の迷路に迷いながらも
一生懸命絞り出すかのように
目には涙が浮かんでいた。
今から5年前交通事故で
救急で運ばれてきた

片側一車線の道路で家族旅行へ
東京方面へ帰るときに
相手の車がスマートフォンを
みながら、運転
車線をまたがり突っ込んできた
悲惨な大事故だった。

ご両親は病院に運ばれたが
早く旅立たれ彼1人が残された。
懸命の治療で一時的には
回復をみせ医療スタッフが
安堵していたその夜🌠
虹🌈を渡るように
苦しまずに静かに旅立った
とはなしをしてくれました。

その病室の外、お庭には
『コスモスが咲いていた』
『ピンクは純愛』『赤は愛情』
これがコスモスの花ことば

その美少年、ジュン君があの世で
迷わないように
まるで道しるべとなるように
咲いていた。

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K・TAKEUCHI この度は誠にありがとうございました。感謝致します。