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夏の京都旅 伏見〜出町柳

 京都に住む従姉妹に会う用事があり、暑さを覚悟して夏の京都1泊旅行を計画した。少し前に読んだ幕末から明治の歴史小説で何度も登場する伏見と出町柳へ行ってみよう。推しがテレビ番組で訪れた京都市役所の屋上にも行きたい。これらを上手く回れるコースにして、2日目は従姉妹にゆっくり話ができる場所を考えてもらうことにした。大人の休日倶楽部を利用して新幹線はひかり。ホテルは少し趣向を変えて東山にある宿坊にしてみた。

伏見

 伏見といえば外国人観光で有名な伏見稲荷だが、暑さと人混みは避けて歴史を感じる場所へ行ってみることにした。京都駅から近鉄線に乗って桃山御陵前駅へ行く。駅の近くで京都らしいランチが食べられる店を探して入る。夏限定のはものわっぱ飯と青みかんジュースを注文。1階のエアコンの調子が悪いと言われ2階へ上がるが、1階でエアコンが効く小部屋が空いたと言われ降りた。移動のおかげで木造古民家の階段や柱に触れる機会は良かったが、どこもエアコンの効きは今ひとつ。じんわり暑い京都で鱧を味わう始まりだった。

(写真:夏限定鱧わっぱと青夏みかんジュース)

 アーケードになっている龍馬通りを左右の店を眺めながらゆっくり歩く。アーケードを抜けてから寺田屋までの道は日差しを遮るものは全くない炎天下。寺田屋事件は雪の降る日だったはずと思いをめぐらせても、一番暑い時間帯なので仕方ない。十石舟までの道はとにかく厳しい暑さだった。月桂冠大蔵記念館まで歩いてギブアップ。酒蔵は諦めて御香宮神社へ向かった。

(写真:伏見十石舟)

 ちょうど茅の輪神事が行われている時間だったので、境内には多くの人々が集まっていた。待機場のテントでしばらく休憩して少し元気が出たので、御香水をペットボトルに入れて、茅の輪には参加せず赤ちゃん回廊をくぐって駅に向かった。まだまだ見どころが多く魅力的な伏見。季節の良い時期にゆっくり出直そう。

京都市役所

 存在を意識することのなかった京都市役所だが、桃山御陵前駅から1回乗り換えして京都市役所駅まで行く。建物の立派さと開かれた施設に驚いた。推しのテレビ番組を思い出しながら屋上庭園をぶらぶらする。ミストもあり夏でも緑が綺麗な素敵な場所だった。1階や地下には椅子とテーブルが置かれたスペースもある。京都市役所から各方面へ向かうバス停の多さにも驚いた。

(写真: 京都市役所屋上庭園)

知恩院の宿坊

 東山周辺のホテルを探して目にとまったのが、知恩院の宿坊だった。新しい施設で朝食の評判が良いので予約した。坂の上にあり、駅近ではないが施設がとても良かった。大浴場が綺麗でプールのように広い。館内全体がゆとりあるスペースで静かだ。和室も清潔でアメニティも充実している。翌朝6時の晨朝じんじょう法要に備えて早めに寝た。朝ロビーに集合したのは女性3人。まず阿弥陀堂へ行き正座して念仏を称える。御影堂へ移動すると椅子席だった。浄土宗の総本山なので多くの僧侶や信者が集まるのだろう、とにかく広いお堂に京都の壮大さを感じて唖然とした。最後は長野の僧侶による「あわすてのぬくもり」という法話だった。終わってから”合わす手の温もり”だったと納得。法要後はロビーで声をかけた女性と一緒に境内を散策した。滋賀在住で学生時代に10年京都に住んでいてこの宿坊は3回目だと言う。テレビ中継で有名な除夜の鐘や大阪万博のアイルランド展示から移設されたモニュメントを見て宿坊に戻って一緒に朝食を食べた。

(写真:宿坊の朝食)

 地震からまだ数日の熊本が故郷なのだが、今はまだ行くことができず心を落ち着けに来たのだと言う。「いつも一人なので一緒に食事ができて嬉しかった」と言われて涙が出そうになりながら、お粥と京漬物や京風煮物のバイキングを堪能した。

出町柳

 「出町柳へ行くなら京阪三条へ出るより祇園四条の方が近い」と教えてもらって宿坊を出る。出町柳に到着して、まず和菓子屋へ向かう。店の前は5人程の列で、豆餅と田舎大福と葛まんじゅうを買った。鴨川沿いの木陰に降りて豆餅を食べた。しっかりした餅と甘さ控えめのあんこと主張しない豆が調和して美味しい。気がつくと田舎大福にも手が出ていた。よもぎの香と粒あんが美味しい。従姉妹と駅の柳の下で会って下鴨神社へ行き、旧三井家下鴨別邸をゆっくり見学しながら語り合う。昼食に鯖寿司付きのうどん屋に行く予定だったが、行列は避けて出町柳で一番お勧めの店だというガレットの店に入った。チーズを挟んでパリパリに焼いた薄いパンの上にサラダが乗っている初ガレット。白ワインもいただく。伝統だけでなくトレンド物もさすが京都の一品だった。

(写真:出町柳の美味)

 うどん屋に戻って鯖寿司を持ち帰り用にしてもらう。話は尽きず汗は滲むが鴨川沿いを歩く。桜並木はものすごく綺麗なのだと従姉妹が言う。出町柳も良い季節に出直さなければ。

おわりに

 新幹線で食べるつもりだったが眠ってしまって家に帰って食べた鯖寿司。薄い昆布の下に綺麗な緑の山椒の葉とその下にかなり分厚い鯖。鯖もご飯も酢味が程よく見た目も味もとにかく驚きの絶品だった。
 あまり人に教えたくないとっておきの京都旅だった。良い出会いもあった。次は季節を選んで再訪したい。


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