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「本物のお金持ちはタワマンに住まない」という的外れなご意見

「本物のお金持ちはタワマンに住まない」──
こういった指摘を、SNSなどで見かけることがあります。

一見もっともらしく聞こえるかもしれませんが、
実際のところ、不動産の実務や都心の住宅事情を知っていればいるほど、
かなり的外れだなと感じるのが正直なところです。


■ タワマンには“2種類”あります

タワーマンションといっても、すべてが超高級というわけではありません。

おおまかに分けると、価格帯は2つに分かれています。

  • 2億〜5億円超の富裕層向けタワマン(麻布・赤坂・渋谷など)

  • 7,000万〜1.2億円の“庶民枠”タワマン(武蔵小杉・豊洲・勝どきなど)

実際に流通量が多いのは後者です。
購入しているのは、世帯年収1,200〜1,800万円ほどの共働きファミリー層。
いわゆる中の中〜中の上と呼ばれる層ですね。

そしてこれは、都内で家を買おうとしたことがある人であれば、誰でも知っている現実です。


■ なぜ“庶民の上澄み”がタワマンを選ぶのか

理由はシンプルです。
他に現実的な選択肢が少ないからです。

たとえば江東区(豊洲や東陽町など)の駅近で30坪の土地を買おうとすれば、坪単価500万円とすると土地代だけで1.5億円
建物費用を含めれば、合計2億円近い金額が必要になります。

一方、タワーマンションであれば同じ立地で共用部が充実して、プロのデベロッパーが建築した住戸に1億円ちょっとで住むことができます。

これは不動産開発の基本構造として、土地単価の方が建築単価より高いことが要因です。

タワーマンションは高層建築で、1フロアに多くの住戸を載せることができるため、
1戸あたりの土地負担を非常に小さく抑えることができます。

つまり、同じ土地でも延床をたくさん載せた方が1戸あたりの原価は下がるということになります。


庶民が良い場所に住むならこういうのしかない。

■ 低層マンションとの原価構造の違い

これに対して、松濤や代官山、番町など容積率の低い高級住宅街では、
そもそも延床をあまり載せられないため、1戸あたりの土地原価が非常に高くなります。

同じ70㎡程度の住戸でも、1億円前後ではとても採算が取れません。
結果として、こうしたマンションは2億〜3億円台の価格帯になり、
内装や共用部も“富裕層仕様”に寄せる必要が出てきます。



こういうのが最強ですよね。

■ タワマンは“見栄”ではなく“予算の帰結”です

豊洲や武蔵小杉といったアクセスの良いエリアのタワマンに住む方々は、
「富裕層」などと名乗るつもりはまったくなく、
限られた予算のなかで最も合理的な選択肢としてタワマンを選んでいるに過ぎません。

教育、通勤、利便性、将来の資産価値、住宅ローン控除──
そうした観点で、冷静に条件を整理すれば、
「予算1億円前後でアクセスの良い場所に住もうとすれば、自然とタワマンにたどり着く」
というのは、ごく常識的な帰結です。


■ “本物の富裕層”向けタワマンも、当然あります

一方で、タワーマンションのなかにも、2億円〜5億円以上の住戸が中心となるような、明確に“富裕層向け”として設計・分譲された物件も存在します。

立地は、麻布・赤坂・渋谷といった伝統的な高級住宅街や、国際的な再開発が進む都心の一等地が中心で、仕様やセキュリティもハイエンド。実際に住んでいるのも、企業オーナーや上場企業役員、資産家の二世三世といった層です。

つまり「タワマン=成金」などという一括りの見方は、実際の居住者層の幅や価格帯を知らない人が抱きがちなイメージに過ぎません。


■ 住んでいる人の属性は価格帯や立地でまったく異なります

麻布や青山のタワマンと、武蔵小杉や湾岸部のタワマンでは、
価格帯も立地もまったく違いますし、住んでいる方々の層も当然異なります。

  • 麻布・渋谷のタワマン:資産家・企業経営者・役員クラスなど

  • 武蔵小杉・豊洲のタワマン:共働きの中流〜中上流層、資産戦略と生活利便の両立を重視

この違いは、都心部で住宅を探したことがある人であれば、
誰しも肌感覚として理解していることだと思います。


■ では、あの指摘をしているのは、どんな層なのでしょう?

「タワマンなんて見栄でしょ」
「本物の金持ちはあんなところ住まないよ」

──そんなふうに語る人がいます。

でもこの話、
実際に住宅購入を検討したことがある層からすれば、正直あまりにも的外れです。

となると、ふとこんな疑問が湧いてきます。

「その発言、誰目線なんでしょう?」

「都心の住宅価格をリアルに見たことありますか?」


■ まとめ

タワマンに住む人の多くは、
富裕層でも成金でもなく、ごく普通の“中の上の庶民”です。

予算の中で合理的に考えれば、選択肢としてタワマンにたどり着くのは自然な話であって、
それを見て「本物の金持ちは〜」と断じてしまうのは、やはり少しズレているように思います。

そしてそのズレ方を見れば、
だいたいどの階層からの発言か、察しがついてしまうのが現実なんですよね。


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ブログ「ふどうさんのひみつ基地」で不動産投資に関する発信をしています。

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