徒労推定時刻

右胸の痛みが日を追うごとに消えてゆくから失意とは膿だったのかもしれない。未だ青い林檎が鏡の中で不機嫌も露に跳ねるから、生き苦しんで償うよりも死んで詫びる事を選びたがっている。協和音の定義を疑ったことはあるかい。貴方が白か黒かに囚われて足が捥げて仕舞う前に大輪の赤いお花をあげましょう。そうそう易易と、通してはやらないよ。

針頭で掬った深刻な理想な絡まりを引っ張ると、次から次へと角砂糖が顔を出す。御客様相談室で引ッ切りなしにがなる・・・通話機にローズマリーの根を覆う匂いは解るまい。色色と集められた現実逃避の図柄が印刷された一円記念切手で山を作って棒倒しに興ずるも悪くはないだろう。

理想を描きたくてもわたくしはどうも絵が下手で、不得手で、苦痛で。漫画と同様のヴィジョンが現在する筈もないと確信しているから、無闇矢鱈に色鉛筆の数を増やしに掛かることもしない。
立ち話もなんですから。パラソルの上に座って、雲を茶菓子にして語らいましょうよ。眠気覚しになら、とっておきの太陽を冷やしてあります。大仰なクローゼットにぶら下がったこれまた大仰な、巨大なステッカーはいつでも此方を見守っていてくれるから。