くらしと怨恨のフロア
袋の奥で粉粉に割れたチップスのような劣等感に弄ばれるばかりで、地上は勿論、インターネット上ですらも、何処へも出掛けられない。すっかりごしゃごしゃにお腹が壊れて――〝壊した〟憶えが無い――しまったから、一層、自分は寝具なのだと誤認している。否、誤ってはいないのだろう。電線で仲睦まじい小鳥の番いが三組、揃って此方に侮蔑を含んだ厳しいつらを向けている。
考えさせられた、と云う表現を好まないのだけれど、其処に在るべきと思っている言葉が何なのかは今一ツ不確かだ。唯、発言者が考えた事を明らかにすれば良いだけなのではなかろうか、或いはたったの薄ら白い体験の濁しなのだろうか、そう云った実態こそを〝考えさせられて〟しまう。
卵の殻で出来た毛布が恋しい季節になり、頸から伸びるアンテナはより過敏になってきた。風に飛ばされた枯れ花弁の行き先は判るし、はしゃいでいる他所の子どもの将来も見通せる。微分音程度の差である世界のズレの察知も可能だった。胡乱なスピリチュアル講師として一儲けすら叶うに違いない。数時間後にはこの町では気象も強く荒れるから、蟷螂柄のカーテンを閉めたら屹度特別な時間を過ごせるよ。穴に潜った帽子の足跡を信じる者は、嗤われる。望むところだ。
