精彩プロトコル

水銀の全音符が見下すシンコペーションの雨宿りは紳士的な重圧を甘受している。真っ新な白い譜面台に名前を記入したら、街に出掛けよう。無論、両の耳を塞いだ儘で。量子力学が言う事にゃ広告塔の歌姫には透明な海月の破片が混入されているから、果汁を絞って香料にすれば悲惨な結果だった朝の報道も良い兆しにすっかり姿を変えてしまうのだそうだ。個個人の意識に宿を借りる少女に依る泡沫の白さを保った肌への冒涜は、誰もセラピストを遣わせようとしない。

今度の土曜日にはどのヌイグルミに美容整形手術をしてやろうか。体裁通りに半濁点が浮き出す雲間が軈て、行き止りにしたフッターの口を抉じ開ける。横一列に連なった不定は屹度文学みたいな遺言ばかりを真似ッ子し続け、情状酌量の余地を探す散歩に出た先で、首を落とした椿を拾ってうさぎさんのポシェットに詰めるであろう。

幸福な王子の結末に嘔気がすると顔を顰めた富裕層にはもう、二度と夢の後先を振舞ってはやるまい。時計台に向って跪く白服の、性別が定かでなくヒトであるかも曖昧なそれ・・が蒸気機関車の餌に成り果てて仕舞う迄は、絶対にだ。裏腹に、低域の掠れ切ったレーザー・ディスクは、正気が破綻するだけが絶望じゃあないよと訴え続けていた。