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【北米エンタメニュース番外編】インドのアニメ市場はどうなっているのか?

最近アニメ・漫画含む日本のエンターテインメント業界の注目を集めるインド市場。IMFは2025年にはインドのGDPが日本を上回り、世界4位になるとの予想を示しています。インドの人口は2060年頃に約17億人に達するとの見方もあるなか、若者が多く、エンタメ市場も拡大が見込めるインド市場はいまどのような状況にあるのか。まとめてみました。もはやタイトルにある「北米」とは非常に距離的に遠いのですが。


急成長するインドアニメ市場とその可能性

日本広告業協会のリポートによると、インドのアニメファンは約5300万人と見込まれています。すでに日本の人口の半分で「多いな」と思いますが、2024-25年に開催されたインドのアニメイベントの盛り上がりをみると、必ずしも誇張ではないのではないかと思います。もちろん5300万人全員が支出に積極的とは限りませんが、何かしらのメディアで「アニメ」に触れているとみられます。

例えば、2025年8月にムンバイで開催された「Anime India 2025」には29000人の参加者が集まりました。初回としては規模が大きいです。

https://www.animationxpress.com/latest-news/anime-india-day-3-wraps-on-a-nostalgic-high-as-fans-soak-in-all-amazing-takeaways/


このAnime India2025には、インドで配信事業を手掛けるアニメタイムズ社もスポンサーとして参加し、パネルを主催し大盛況でした。

昨年初開催し大いに盛り上がった「MELA!MELA!ANIME JAPAN」も注目です。もちろんインドでもファン主導のコミコンの長い伝統がありますが、在インドの日本企業が政府機関が後援などで積極的に協力し始めたというのは大きい。

「MELA!MELA!ANIME JAPAN」は25年も開催予定です。「クレヨンしんちゃん」の新作映画の先行上映のほか、「ベイブレードX」のイベントも開催されます。


独走するソニーグループ

インドには、ソニーグループのSonyYay!をはじめ、多くのキッズ向け専門チャンネルがあり、多くのアニメが放送されています。インド国内で作られているものもあれば、日本のアニメ作品もあり。

こちらはそのSonyYay!のビジネス部門のトップのインタビュー記事です。SonyYay!はインドに「NARUTO」を定着させ、より上の年齢層に「呪術廻戦」を提供しました。海賊版がなくなったことで、公式版をより多くのファンが見るようになり、現地企業とのコラボも進んでいるとのこと。

インドでももちろんアニメはもともと子供向けと思われていますが、徐々に夜の放送などで12歳以上などより年上の層を狙いにいっています。もちろんグループのCrunchyrollとも連携し、アニメをインドでビジネスにしようとしているとのこと。

すでにドラマ「CID」(インドで長年愛されている刑事ドラマ)というIPのアニメ版「CID Squad」を作る計画で、さらに「Karna」というインド発のアニメプロジェクトも立ち上げました。ラーマーヤナやマハーバーラタの伝統を持つ国ですので期待したい。

ソニーグループのCrunchyroll含め、最近は各配信会社がインドを次の大きな市場とみて参入してきています。Crunrhyrollは採算の取れない水準の月額料金にし、顧客を囲い込もうとしています。AnimeIndiaでスポンサーになったアニメタイムズ社もAmazonPrime内で定額料金制で配信しています。

北米などに比べ、配信をスマートフォンの小さな画面で見る消費者が多いという事情を踏まえ、Crunchyrollなどはヒンディー語、タミル語などローカル言語の吹き替え作品の製作に力を入れています。

こちらはインドでいかに2024年から急激にアニメが広がってきたかをまとめた記事です。吹き替えではCrunchyrollが一歩先を行っているようです。そしてボリウッドのスターも吹き替えというかたちでアニメ人気を後押ししています。

インド、エンタメを国が後押し

背景にはインドが次の成長ドライバーとしてエンターテインメントに注力しているという事情があります。

インドでは「WAVES India」というエンタメ業界に関わる企業を一同に集めたEXPOなどが開催されています。インドはムンバイを中心に「ボリウッド」と呼ばれる映画産業が盛んで、ムンバイ以外の地域でも現地言語を使った映画製作が活発です。WAVES Indiaにはそのボリウッド含む映画の俳優にくわえ、AdobeやYouTubeのCEOが登壇しました。

映画を柱に映像産業全体をインド発の産業にしようという狙いが見えます。

「おぼっちゃまくん」、新作製作へ

日本のアニメも堅調に広がっています。平成にヒットしたアニメ「おぼっちゃまくん」。

インドでは2021年の放送から人気を集め、2025年には新作製作が決定した。ローカライズはせず作品に現れる日本文化もそのまま登場するというスタイル。しかも内容はインド向け。

インドでは北米などではなかなかヒットしていない「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「忍者ハットリくん」も人気です。

そしてそのインドで人気の「クレヨンしんちゃん」は新作映画の舞台をインドにしました。すでに10月にインドの映画館での上映が決定しています。(5月には旧作「クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」が上映済み)

この記事はインドにおける「クレヨンしんちゃん」人気をまとめています。最初インド資本のネットワークで放送され、人気を集めたことでSonyYay!も放送を開始しました。インドの子供の10人に1人は見ている番組だそうです。すごい浸透度合いです。

「劇場版 鬼滅の刃」への期待

そして「劇場版 鬼滅の刃 無限城編 第1章 猗窩座再来」の公開です。もちろんインドで期待が高く、アニメとしてはこれまでにない750スクリーンという規模で公開が予定されています。「U/A 13+」なので13歳以上が視聴可能で、ノーカットだそうです。ヒンディー語、タミル語、テルグ語の吹き替え版もあり。

これまでインドの映画で「アニメ」はあくまでニッチジャンルで都市部のシネコンでしか上映されていなかったので、「インドにおけるアニメの劇場上映のビジネスを変えるのでは」と指摘されています。

すでに前売り券がかなり売れているようです。9月7日時点で500万ルピーを超えたとの情報も。なお、インドでこれまで売り上げを稼いだのが「呪術廻戦0」と「すずめの戸締り」の1000万ルピーだそうです。

こちらは2024年にインドで人気だったアニメの一覧。「ダンダダン」「アオのハコ」とトレンドは日本含めほかの地域と変わらず。

課題はどこにあるのか?

拡大するインドのアニメファンの課題はどこにあるのか。それは進出した各社がアニメ人気をいかにマネタイズできるかでしょう。配信サービスへの有料課金はもちろん、原作の漫画の購入、関連グッズの購入と日本や北米のようにお金を使ってくれるかです。

すでにインドでは、アニメとコラボしたグッズやアパレル製品が人気で小売店に並び始めています。しかし公式ライセンスを持っているのは少ないのが現状。その中で、「セリオ」というフランスの紳士服ブランドはインドでコラボに熱心です。「ハンターハンター」の限定商品もあります。インスタグラムの写真をみると、すごいキャラクターがかわいい。

日本や北米も同様ですが、「定期的にカジュアルにアニメを見る人」から「関連商品にお金を使う人」にするのは簡単ではありません。もちろん所得状況などもあるでしょう。インドではまだまだ正規品よりも安い海賊版もコミコンなどで出回っています。経済成長とともに、うまく取り込めるか各社の戦略が問われそうです。

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