Lien Pocheブランド誕生の秘話⑤| こだわりを“笑われた日”が、私を変えた
ある日、1通のメールが届きました。
それは以前問い合わせをしていたアパレル系のコンサルタント会社からで、こう書かれていました。
「ご希望の縫製工場をご紹介できます」
もう一度、やってみよう。
そう思った私は、すぐに返信し、コンサルティングの無料相談を申し込みました。
まずは希望をしっかりヒアリングしてから、会員登録をして工場を紹介してもらうという流れ。
工場への支払いは、コンサル会社が仲介手数料を差し引いた額を支払う仕組みのようでした。
Zoomで担当者と打ち合わせが始まります。
私はずっと「最初の1着」は決めていました。
白いTシャツに、ボーダーのラグラン袖。
そして背中にはLien Pocheのロゴをプリント。
この1着が、ブランドの“顔”になる!!
そんな想いでした。
デザイン画像を見せながら、打ち合わせが進んでいきました。
「アパレルの経験はありますか?」
「サイズ展開は?」「ロット数は?」「縫製希望単価は?」
慣れない質問にひとつひとつ答えていく中で、私が提示した希望価格に対し、担当者の方が苦笑いしながらこう言いました。
「このデザインなら、1着あたりその3倍はかかりますよ」
「そこに利益乗せて売ろうと思ったら…
無名ブランドでそんな価格、売れると思います?(笑)」
さらに、こんな言葉が続きました。
「ボーダー入れると生地が2色になるからコスト上がるんですよ?」
「バックプリントも入りますか?
犬服なんだからシンプルが一番ですよ」
「インスタで売るんですか?
フォロワー100人で1枚売れるかどうか。
半年で1枚売れればいいほうです」
「そこまでしてこのデザインにこだわる意味、あります?」
……心に突き刺さりました。
痛烈な“洗礼”を受けた気分でした。
「私、甘かったのかな…」
たしかにコストは大切。でも、袖のボーダーも、ロゴプリントもやめて、真っ白なTシャツにしてまで作る意味ってある?
このデザインは、私の「ブランドの想い」そのものなのに…。
いったん、立ち止まることにしました。
数ヶ月が経ちました。
途中、何度も「もうやめようかな」と思いました。
でも心の中から聞こえてきた答えは、やっぱりひとつだけでした。
「それでも、やりたい」
「そして、見返してやりたい!」
悔しさが、私を前に進めてくれました。
私は仕切り直して、新たに工場探しをスタート。
また何度もメールを送り、時間をかけて探し続けました。
そして‥‥
ついに1通のメールが届きました。
「犬服の縫製、ぜひお手伝いさせてください。最小ロットで対応可能です」
そこには、ロット数も、1着あたりの価格も、まさに私の希望に近い条件が書かれていました。
「お願いします!ぜひお願いしたいです!」
飛び上がりたいほどの喜びと、ようやくたどり着いた達成感で、その日は興奮して眠れませんでした。
こうして、Lien Pocheの新作がついに完成!
インスタでは、ロゴ入りで新作発売の告知をスタート。
同時に2作目となるエプロンも企画が進み、縫製の打ち合わせも始まりました。
ようやく、ようやく販売目前。
でも、そんな矢先
私にとって、何も手につかなくなるほど辛い出来事が訪れました。
☆つづく☆
