救急車はなぜタクシーになってしまうのか
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① 導入
そのトリアージ、何を基準に判断していますか?
救急の現場で、違和感を覚える瞬間がある。
「なぜこの患者が救急車を呼んだのか」ではない。
👉 「なぜこの判断で搬送先が決めるのか」だ。
救急は、本来“選別”のシステムだ。
しかし現場では、ある変化が起きている。
👉 判断が消え、“流れ”になっている。
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② 事例(リアル)
救急隊からホットラインが入る。
情報はこうだ。
・成人女性
・発熱
・意識清明
・歩行可能
・既往歴:高血圧
・数日前に近隣のかかりつけに発熱で受診
ここまで聞けば、臨床的にはある程度見えてくる。
そして、決定的な一言。
👉「本人が自宅近くの病院を希望していますので、ファーストで連絡しました。」
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③ 院内の反応
・それ、救急車必要?
・本人が病院選定?
・まずかかりつけに連絡では?
・ほぼタクシーだね
ここで問題は患者ではない。
👉 判断の“根拠”が存在していないことだ。
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④ 問い
私は聞いてしまった。
👉「トリアージや病院選定は、何を基準に判断していますか?」
救急隊 「本人が近くの病院を希望しているので」
ここで理解する。
👉 これは個人の問題ではない。
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⑤ 本質(構造の問題)
救急車が“タクシー化”する理由は
「患者のモラル低下」ではない。
本質はこれだ。
- トリアージ基準が曖昧
- 判断責任が分散している
- 患者希望が優先される構造
- 臨床判断より“調整”が優先される
つまり
👉 判断ではなく“処理”になっている。
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⑥ なぜ起きるのか
救急隊は、極めて不完全な情報で判断している。
- 診断はついていない
- 限られた時間
- 現場圧力
- 不確実性
その中で最も合理的な行動は何か。
👉 安全側に倒す=搬送する
これは間違いではない。
しかしこの構造は
👉 臨床判断を弱める
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⑦ 院内とのズレ
院内は「患者のその後」を見ている。
まずはかかりつけに連絡
理由:患者の情報がカルテとして残っているから。+先日同症状で受診していることからも症状等の経過を追うことができるから。
一方、院外は
👉「分からないから運ぶ」
「患者が希望してるから」
「搬送したあとのことを考えていない」
このズレの正体は
👉 搬送したあとを考えていない
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⑧ 本当に危険なこと
問題は“軽症が来ること”ではない。
👉 判断が曖昧なまま運用され続けることだ。
この状態では
- 重症を見逃す
- 本来必要な資源が分散する
- 現場の疲弊が加速する
そして最終的に
👉 システムそのものが壊れる
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⑨ 結論
救急車がタクシー化するのは
- 呼ぶ人の問題でもない
- 救急隊の問題でもない
- 病院の問題でもない
👉 構造の問題だ
トリアージが曖昧なまま
判断が属人化し
責任が分散する
その結果
👉 救急は機能ではなく“流れ”になる
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⑩ 最後に
問うべきはこれだ。
👉 「誰が悪いか」ではない
👉 「どの構造がこの判断を生んだのか」だ
救急医療は、個人の善意で回すものではない。
👉 設計で回すものだ。
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