プライバシー保護法がないホンジュラス

ホンジュラスでぼーっとテレビのニュースを見ていると、衝撃的な映像に出会うことがよくあります。
殺人のニュースで、被害者の死体をそのままモザイクなしで放映していたり、被害者のご遺族が号泣しているのをそのままうつしたり。
はじめはそれが視聴率稼ぎのためのメディアの手段なのかなと思っていたんですが、単純にプライバシーに関する配慮が少ないことが要因だと気が付きました。

と言うのも、メディア以外の日常生活でも、さまざまな場面で「プライバシー侵害でしょ」と思う場面が多くあります。

例えば、私がバスで職場に向かっている時、トラックとバイクがぶつかりバイクの運転手がトラックの下敷きになっている場面に遭遇しました。
あたりに血が飛び、衝撃的な光景でした。

バスの乗客は次々に携帯を取り出し、被害者の姿をズームして撮影し出します。
「可哀想に、神のご加護を」と悲しい表情をして、動画を撮り、職場に着いたらみんなにその映像を見せて回ります。

彼らの表情を見ると、悲しい気持ちなんでしょうが、私にはどうしても、動画を撮って拡散して回る行為が理解できません。

他にも、誰かが亡くなった時の対応も異なります。
例えば私が小さい時は、地域の誰かがが亡くなった時は「言い継ぎ」といい町内会で電話を個別に回し、事務的な「〇〇日にお通夜があり、〇〇日にお葬式があります」という報告があったと思います。それも遺族から町内会にその要望があるから行われる行為だったと思います。
また、遺族が望めば新聞に訃報を掲載していたと思います。
このように、こう言った訃報はあくまで閉じられたものであり、遺族の意思がある時のみ、この情報は少しずつ明るみになっていきます。

しかしこの国では、例えば職場の家族が亡くなったら職場のFacebookで、白黒の遺影とともに追悼の投稿がされます。(これに遺族の許可があるかは不明です)
その後その投稿はどんどん拡散され、たくさんの人がFacebookやwhatsappで追悼を述べます。個人的には、追悼の言葉は遺族に直接言うべきと思うので、この拡散して自分の気持ちを表明するのも、あまり理解できません。

単純に価値観の違いだと思いますが、この国は死をオープンな話題にする傾向があり、私は日本で育ったので、1年経ってもそれに慣れません。

こういう表現は良くないのかもしれませんし、あくまで私の主観ですが、「悲しいふりをした野次馬根性」のように思ってしまいます。

そしてこの国には、プライバシーに関する法律整備が整っていないようです。
そのせいかどうかはわかりませんが、ホンジュラスではありもしない噂話をよく耳にします。
人との距離が近いからこそ、人と他者の区別が曖昧で、人の気持ちを考えて配慮する、ということができていない人が多いです。

家庭内でDVや思春期の妊娠などの問題があっても、それを外に口にすると一気に噂になるから、誰にも相談できない人が多いと感じます。
これは、教育と法整備が必要であり、安心して相談できるような場所があれば、もっと状況はよくなると考えています。

彼らからしたら単に私が繊細すぎて、そんなプライバシー保護なんていらないわ、と思うかもしれませんが、きっと、この仕組みができればもっと風通しが良い国になると感じています。

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