『死ななきゃ安い』は投資でも正しかった──FX戦士くるみちゃんを読んで考えたこと
ぼくは普段、少しだけ資産運用をしている。
その中で、ちょっと前にビットコインが下がっているのを見て、
ふと『FX戦士くるみちゃん』のあのシーンを思い出した。
スイスフランショックで、すべてが吹き飛んだあの回。
為替が一瞬で暴れて、
レバレッジ24倍のポジションが消し飛んで、
結果として1億円を超える負債を背負ってしまう。
数字だけ見れば、
-30% × レバレッジ24倍 = -720%
正直に言うと、最初に読んだときは「くるみちゃん、やらかしたなぁ」と笑ってしまった。
すごいインパクトのページ構成とコマ割りだからね。
でも、今回読み直してみて、少し違った感想を持った。
それは「これ、自分でもやりかねないな」というものだった。
くるみちゃんは、特別なことをしていなかった
作中のくるみちゃんは、
・ちゃんと勉強している
・過去に成功体験もある
・自分なりの根拠も持っている
むしろ「ちゃんとしている人」だと思う。
だからこそ怖い。
相場で失敗するのは、
必ずしも無知な人や雑な人ではない。
むしろ、ちゃんと考えている人ほど、
「今回は大丈夫」というロジックを組み立てられてしまう。
あの日は「読みが外れた日」ではない
2015年のスイスフランショックは、
・中央銀行が事実上ルールを変えた
・価格が段階的ではなく、一気に飛んだ
・逆指値すら機能しない場面があった
という、かなり特殊な出来事だった。
つまりこれは、
「予想が外れた」ではなく
「避けようのない異常が来た」
というタイプの事故に近い。
このとき、
ハイレバレッジ × 資産集中
という状態だった人は、ほぼ例外なく致命傷を負っている。
逆指値を入れない気持ちは、よく分かる
よく言われる。
「逆指値を入れていれば助かったのでは?」
でも正直、あれを入れない気持ちは分かる。
・小さな損が何度も出るのがつらい
・直後に戻るかもしれない
・損切り=負けを認める感じがする
これは、相場を触ったことがある人なら
誰でも一度は通る感覚だと思う。
だからこれは、判断力の問題というより、
人間として自然な反応なんだと思う。
格闘ゲームの言葉を思い出した
格闘ゲームの界隈に、こんな言葉がある。
「死ななきゃ安い」
大ダメージのコンボを食らっても、
KOされなければ次のチャンスは残る。
これ、相場にもそのまま当てはまる。
小さな損切りは、安い。
含み損を抱えている状態は、まだコンボ中。
強制ロスカットは、そのままKO。
くるみちゃんの状況は、
「一度コンボを食らったら即死する体力設定」
だったのかもしれない。
本当に怖いのは「負け」ではない
相場で怖いのは、負けることではない。
一度で取り返しがつかなくなること。
相場で本当に怖いのは、ここだと思う。
生き残っていれば、
次のチャンスは何度でも来る。
でも、退場してしまえば、
その後どんな相場が来ても関係なくなる。
まとめ
くるみちゃんは、特別に無謀だったわけではないと思う。
問題は「判断」ではなく、
「一度で終わる構造」だった。
相場は、短期勝負のゲームに見えて、
実際はかなり長いゲームだ。
だからこそ、
勝つことよりも、
生き残ることの方がずっと大事になる。
たぶんこれは、相場の話でありながら、
それだけの話ではない気がしている。
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