3万筆の署名を、函館市長、北海道知事、事業者へ提出しました(6/1)

みなさまにご協力いただいた「函館寅沢風力発電事業の撤回を要求する署名」ですが、4月18日からオンライン署名を、5月1日からは紙の署名もスタートさせ、5月29日の事業者への意見書提出締切日までの(正確には5月30日早朝を集計締切としました)40日余りで、3万筆超という、当初予想もしなかった大勢の方々から署名をいただくことができました。

この期日を一つの区切りとして署名をクローズし、集計を終えた署名簿を、6月1日付けで、原本を函館市長宛(函館市環境部へ持参)、副本を北海道知事宛(渡島総合振興局 商工労働観光課へ持参)にそれぞれ提出し、事業者:函館寅沢ウインド合同会社(インベナジー・ウインド合同会社)へも控えのスキャンデータを送付いたしました。
加えて、函館市長、北海道知事へは、署名と共にそれぞれ「要望書」を提出いたしました。

函館市環境部長へ要望書と署名を手渡す共同代表ら
北海道渡島総合振興局 商工労働観光課長へ要望書と署名を手渡す共同代表ら



ここまでの活動の経緯を振り返って

まだ風力発電事業計画の撤回が成し遂げられたわけではありませんが、今後の活動方針を考えるためにも、ここまでの活動の経緯を振り返ってまとめておきたいと思います。

署名活動については、Facebook、Instagram、XなどのSNSを通じて情報発信すると同時に、地元函館での紙の署名を増やすために、多くの店舗や施設に署名用紙を配置させていただいたり、クチコミを通じて徐々に広げていきました。

5月15日金曜日夕方には、五稜郭交差点シエスタ前にて、会のメンバーで街頭署名活動を行いました。街行く人はほとんど風力発電のことはご存知ないようでしたが、それでも中には「知っています、署名します」と言ってくださる方もおられ、励まされました。街頭活動は、函館新聞、北海道新聞、毎日新聞の取材を受けて各紙で記事にもなり、市民への周知に繋がりました。

およそ10名のメンバーが参加しての街頭署名活動
ほぼ全員初めての体験だった
チラシを配り風力発電の計画を「知ってもらう」ことに力を入れた
立ち止まり、耳を傾けてくださる方には、説明を重ねた

函館出身のGLAYのTERUさんの応援も、大きな力になりました。早い段階(4月22日)で、署名活動のことをXで発信してくださり、直後にはオンライン署名がいきなり1,000程度も増える様子が見られました。GLAYファンには、函館のファンでもある方が多く、たびたび旅行で訪れてくださる方も多くいます。TERUさんの声に呼応して、函館で起きたことを自分ごとのように親身になって考えてくださるコメント、投稿の拡散が見られました。――急速な人口減少の一方で、観光都市でもある函館は、観光客を含め、こうした関係人口に支えられていることを実感させられました。

TERUさんのXの投稿は、4月22日からトップに固定されている


とは言え、地元函館の市民には、まだほとんど知られていないという状況は大きく変わることはなく、危機感を抱いた私たちは、急きょ市民フォーラムを開催することを決めました。わずか10日間程度の準備期間でしたが、5月23日土曜日に「函館の水源と再生可能エネルギーを考える市民フォーラム」を開催、定員108名の会場に、150人以上の方々がひしめき合い、熱気に満ちた集会となりました。先の街頭署名活動の報道記事に併せて、市民フォーラムの開催案内を新聞各紙が掲載してくれたことが、市民の集客に繋がりました。また、再エネの市民活動では先輩格の「仁山高原の巨大風力発電から自然と生活を守る会」との共催で、隣町・七飯町からも参加者が駆けつけてくれました。

市民フォーラムの会場では、署名と同時に、事業者宛の「意見書」の記入も呼びかけました。独自に作った「意見書かんたん作成ガイド」のチラシ配布が功を奏し、その場で「意見書」を書いて提出してくださる方も多く見受けられました。3時間近い長丁場になったにも関わらず、ほとんどの方々は最後まで席を立つことなく議論に参加してくださり、総じて皆さんの、熱心で積極的な参加態度に胸を打たれました。市民フォーラムの様子は、新聞各紙に加えてNHKも報じてくださり、これを契機に、署名の広がりが目に見えて広がっていったように感じられました。

「函館の水源と再生可能エネルギーを考える市民フォーラム」 開催風景


市民フォーラムと前後して、状況が大きく展開する出来事がありました。事業者からの環境影響評価「方法書」の縦覧期間は5月15日に終了していたのですが、突然、5月20日に事業者のwebサイト上に「方法書」の一部訂正版とその正誤表が再縦覧され、再縦覧期間が5月29日まで延長されていたのです。計画地に含まれていないはずの土砂災害計画区域等や、植生自然度が最高ランク10の区域が、「含まれている」と訂正され、その訂正が十分周知もされず、当初のスケジュールのまま手続きが進められようとしていたことは、由々しい事態でした。ある函館市議会議員がSNSで「後出しジャンケンではないか」と批判投稿を発信し、それを見かけたGLAYのTERUさんが、「一体何が起きているのですか」とシェアして憂慮する投稿を行い、さらにはそれを東京のスポーツ新聞等のマスコミが報道するという拡散が見られました。

事業者への批判が広がる中、5月25日には、函館市町会連合会が大泉市長に、「市民から不安や懸念の声が多く寄せられている。住民の声を聞き、理解しながら進めるように」と「要望書」を提出します。そして翌5月26日には大泉市長が定例記者会見で、寅沢風力発電事業計画に対し「当該事業は問題が多すぎる」と言及し、「土砂災害の可能性、水資源への影響、人里へのヒグマ出没の懸念、夜景への影響は大いに考えられ、他にも課題は非常に多い」「今の住民理解の度合いとしては、とても本事業を許容できるレベルではない」と述べています(北海道新聞電子版)。

5月26日 市長定例記者会見(YouTube函館市公式動画チャンネル)

こうした展開を背景に、署名は終盤で急速に増えていきます。紙の署名は5月26日をめどに各所から回収を進め、のべ10名ほどのボランティアの協力を得ながら、4日がかりで集計作業を進めました。集計作業の最中にも、事務局へ持参する市民の方々がひっきりなしに訪れてくださり、その熱量を肌でひしひしと感じました。一方、オンライン署名も、最終日に増えるとは聞いていましたが、最終日の5月29日だけで6,000を超える数が集まりました。最終的に5月30日の早朝で締め切り、最終集計を行いました。署名の集計結果は以下の通りです。


署名有効総数:
 30,062筆
   →うち  函館市民 9,151筆 他地域 20,911筆


 内訳
 ・オンライン署名
        21,437筆
   →うち 函館市民 2,711筆 他地域 18,726筆 
 ・紙署名
   8,665筆
   → うち   函館市民 6,440筆    他地域 2,185筆

 (※無効数 オンライン署名:342筆/紙署名 45筆)


紙署名の集計風景
紙署名の原本(上)と副本(下)


署名はいくら集まれば良いということはありませんが、例えば、「条例署名」と言う、住民が何らか条例の制定や改廃を自治体に直接請求できる制度がありますが、この場合、有権者総数の50分の1の署名が集まれば首長への請求を行使できます。函館市の有権者総数は20万5千人、その50分の1は4,100人なので、函館市民だけで見ればその倍は集めることができたことになります。今回の署名を、市民の一つの総意として、効力をもって届けることができたと考えます。

そして冒頭でも述べた通り,6月1日月曜午前に、函館市環境部へ署名の原本を持参し,函館市長宛の「要望書」と共に提出しました。同日午後には,北海道渡島総合振興局 商工労働観光課へ署名の副本を持参し,北海道知事宛の「要望書」と共に提出しました。また事業者にも、同日着予定で控えのスキャンデータを送りました。

「函館の水源と生態系を守る会」から、函館市長および北海道知事へ届け出た「要望書」の内容は、以下の通りです。

6月1日から、函館市議会は定例会会期に入り、(仮称)函館寅沢風力発電事業に対する、函館市議会、函館市および函館市長の対応方針が、明確に示されていくことになります。
この記事を執筆している現在、まだ会期中であることから、6月12日までの全日程を終えたところで、次の記事にまとめます。

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