結果はもう決まっているのに、人はなぜ祈ってしまうのか?|海外カジノで1000万円負けた話④
カードは配られた瞬間に勝敗が決まっています。
それでも人は祈る。
マカオのカジノでは大人たちが本気で叫びます。
あなたは絶対に変わらない、確定した結果を変えたことはありますか?
今日はそんな奇跡の話をしようと思います。
マカオのカジノに、三度目の再訪を果たした僕は早速、大好きなブラックジャックにいそしんでいました。
しかし、今回の展開は勝ったり、負けたりを繰り返すダラダラとした流れでした。
勝負が決まらない展開イライラしていた僕は気分転換に席を立ち、カジノの中を歩き回っていました。
そこで改めて気づく、カジノには、
異様なほどバカラ台が多い。
バカラは、半丁博打のようなゲームです。
僕たちは「プレイヤー」か「バンカー」
どちらが勝つかに賭けます。
トランプは2枚、場合によっては3枚。
数字の合計の一の位が9に近い方が勝ちです。
単純なゲームです。
しかしこのゲームの本当の魅力は、ルールではありません。
カードが伏せて配られることです。
そして、配られた瞬間、勝敗はすでに決まっています。
僕たちがどれだけ念を込めても、
どれだけ祈っても、結果は変わらない。
それでもテーブルはいつも大騒ぎです。
その理由は、**絞り(スクイーズ)**というカードのめくり方にあります。
テーブルで一番大きく賭けた者がカードをめくる権利を得ます。
カードを少しずつめくりながら数字のヒントを探す。
結果はもう決まっているのに、まだ「わからない」状態を意図的に引き延ばして、脳汁を限界まで出そうとする。人間ってバカで、よくできてるな、と思います。
**絞り(スクイーズ)**
カードの端から少しずつめくる
枠だけ見える → 絵札(0)確定
足(マークの角)が
2本見える(ツーサイド)→中心に点なし4、点あり5
3本見える(スリーサイド)→中心に点無し6、1つで7、2つで8
4本見える(フォーサイド) →中心に点1つで 9、2つで10
何も見えない→1か2か3
*この時カードに書かれている数字は指で隠します。
飛び交う謎の掛け声の正体
絞りが始まると、テーブルが一気にうるさくなります。
中国系のプレイヤーの「チョイヤー」「ティンガー」という呼び込みです。
チョイヤー:走呀 点消えろ!吹き飛べ!
ティンガー:停呀 点つけ!そのまま!
広東語です。
彼らはカード向かって真ん中のマークを変えようと命令を下しているんです。
完全に祈祷です。お祓いの現場かと思います。
でもこの全員参加の儀式が、バカラの中毒性の正体です。
今回のBJにイライラしていた僕もバカラ台に座りました。
バンカーツラの果てに
それまでの流れは バンカー(B)、プレイヤー(P)、P、B、B。
まるで方向のない波のような不規則な流れでした。
その波に翻弄されて僕は徐々に負け始めていました。
しかし突然、 バンカーの連勝(ツラ)が
始まります。
来た!
4回目のバンカー連勝。
テーブルの空気が一気に変わりました。
テーブルにいた全員が バンカーの連勝(ツラ)を追い始めました。
プレイヤー5。 バンカー7。
バンカー勝利。
次ゲーム。
プレイヤー1。バンカー3。
またバンカー勝利。
テーブルがざわめきます。
「この波で今日のマイナスを一気に取り戻す。」
6回
7回
連勝が続きます。
掛け金を大きくするチャンスです。
しかし
大きく張ろうと心に決めた瞬間、 ドロっとした感情が浮かびます。
「さすがに次は負けるのでは?」
そう思うと手が止まる。
もし今、大きく張って負けたら 今までの勝ちが全部消える。
あと1回、 同じ掛け金で様子を見よう。
次ゲーム。
プレイヤー1 バンカー5
バンカー勝利。
「やっぱりこのツラは強い!」
次こそは大きく張ろう。
でも、次はさすがに……。
でもここでいかないと。
浮かぶ疑念を振り払い、 僕は
10倍の掛け金 をテーブルに置きました。
心臓から血液が一気に全身へ流れます。
顔が熱い。 体がこわばる。
今回、テーブルで 一番大きい掛け金は僕です。
絞りは僕になりました。
プレイヤー、バンカーへ それぞれ2枚ずつ伏せて配られるカード。
バンカーのカードが 僕の手元に来ます。
まず、誰も賭けていない プレイヤーのカードが開かれました。
1枚目
2
2枚目
6
合計8
テーブルから一斉にため息が漏れました。
絶体絶命です。
僕は10倍を張らなかった前回を 心の底から後悔しました。
やってしまったー
半ば諦めながらカードに手を伸ばします。
ゆっくり。
ゆっくり。
カードの端から 少しずつめくっていく。
嫌なものが見えました。
枠。
絵札です。
つまり 0
僕は力なく 1枚目をディーラーへ投げました。
テーブルの誰もが思っています。
「もう勝ちはない」
2枚目のカードに 祈りを込めて手を伸ばします。
足が見えた!
ゆっくり。
ゆっくり。
深呼吸しながら カードをめくっていきます。
足が見えてきます。
2本
3本
4本!
フォーサイド!
つまりこのカードは
9か10!
僕は叫びました。
「フォーサイド!」
テーブルがざわめきます。
周囲から声が飛びます。
「チョイヤー(点消えろ)!」
星よ付くな。 吹き飛べ。
隣に座っている 大陸系のおばちゃんが僕の手もとにあるカードとテーブルのわずかな隙間に フー、フーと息を吹きかけています。
星を吹き飛ばそうとしてくれてます。
僕は指が折れるほどの力でカードを握り、 少しずつめくります。
「チョイヤー!」
必殺技を繰り出す勢いで 僕は叫んでいました。
そして
めくれたカードを ディーラーへ投げます。
ディーラーがカードを揃えました。
9
抜けた!
逆転です。
テーブルから歓喜が湧きました。
カードは配られた瞬間に結果を持っています。絞り始めたときには、もう勝敗は決まっています。チョイヤーと叫んでも、息を吹きかけても、何も変わらないはずです。
でも人は叫ぶ。テーブルを叩く。運命に命令する。
その数秒だけ、結果はまだ──どちらにでもなれると信じているから。
人生でも同じではないでしょうか?
含み損株に「戻れ」と祈る
ダメな恋愛を「今度こそ」と信じる
ブラック企業で「次は評価される」と耐える
あなたも祈った経験ありませんか?
チョイヤー!
結局この後ツラはすぐに切れましたが、今回の遠征では、このツラで取り返した結果、20万円プラスくらいで終わったと記憶しています。
現在の収支+20万円
このnoteでは
・海外カジノで1000万円負けた話
・借金300万円から人生を立て直した話
・50代からの副業と資産形成
を実体験ベースで書いています。
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