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【21話】重なり合う声。高鳴る鼓動と、初めての「共鳴」。

私たちは賑やかな繁華街をあてもなく歩いていました。
「カラオケ行かない?」
彼の誘いに、私は小さく頷きました。共通の趣味で繋がった私たちにとって、それはごく自然な流れだったのかもしれません。
部屋に入り、曲を選び始めると、そこには驚くほどストレスのない空間が広がっていました。
今まで友人や夫とカラオケに行っても、私の好きなバンドを同じ熱量で知っている人なんていなかった。いつもどこかで「空気を読んで」選曲していた私が、ここでは心おきなく一番歌いたい曲を入れられる。
そして、彼がマイクを握った瞬間。
スピーカーから流れてきたのは、私たちが愛してやまないあのバンドのメロディでした。
「……えっ、歌ってくれるの?」
自分以外の、しかも男性がその曲を歌っているのを目の当たりにするのは、私にとって信じられないほど新鮮な体験でした。

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