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#3【実録】高級clubという軍隊に入隊してしまった話

2005年10月…

小悪魔agehaの先駆けとなる
小悪魔&Nutsが出たその年に
あたしはとある高級clubに入店した。

———

きっかけはスカウトだった。

彼氏に「本当に俺の事好き?」
って聞かれて
少しは行動に移した方がいいのかな
って思ってた時に声をかけられた。

関西弁の小猿顔で甘いフェイスの
小紫さん。

「今度隣駅の繁華街で
 高級clubをOPENするんやけど
 一緒に働かない?」

———

いつもは無視するんだけど
隣駅って親にバレにくそうだし
彼氏の家と実家の中間ってこともあって
つい足を止めてしまった。

お店を見に行ったら
高級clubというだけあって素敵で
指紋認証付きの寮まで
用意してくれるという。

その日に
「来月から働く」
って即決しちゃったんだよね。

———

そうして親に手紙だけを残して
昼逃げみたいに家を飛び出した。

寮には家具も洗濯機も
全部備え付けられていて
最低限のものだけ買って
(ベッドはあったけど布団はなかった)
初めての一人暮らしを始めた。

———

働きはじめて最初に驚いたのが
会長と社長の見た目が
普通に怖い…

今考えれば
今のあたしより若いのに
なんであんなに風格あったの?
ってかんじ。

社長はかつおさんっていって
スーツにオールバックで
チャップリンみたいな歩き方で
肩で風を切って歩いてた。

会長は銀次さんっていって
色黒でとてつもなく大きくて
豪快に笑う人。

小紫さんに紹介された時
わー間違えたかもーって思った。笑

———

clubにはママとチーママもいて
ママはいつも着物で
チーママはドレスだった。

会長がお店に入ってくる時は
必ずみんな席から立って
たばこを消さなきゃいけなかったし

会長の事務所に行く時は
コーヒーか何かを持って行かなきゃいけない
暗黙のルールがあった。

人の時間を割いてもらうのに
手ぶらで行かない。

そう教わったのは
この時だった。

———

営業終了後は
会社のみんなで
カラオケ付きの食事処に
よく連れて行かれた。

そこで幹部が
「月月火水木金金」
って歌い出した時は

え?なに?この曲…
って戸惑ったんだけど
教えてもらったら軍歌で。

あー、あたし
軍隊に入隊しちゃったんだ
って思ったんだよね🥺

———

お店から目と鼻の先の寮に
入ってしまったから
ママの有志の教育も断れず

18時に出勤して
お花の生け方や敬語の使い方など
たくさんのことを教えてもらった。

新人なのに
かなり目をかけてもらってたと思う。

その後、他店を経験してわかったけど
時給が発生しないのに
拘束されることは
普通ないみたい。

でもあの時のあたしは
上の言うことは絶対だと
思い込んでいた。

———

お客が来ない日は
変な客引きもさせられた。

ロングドレスのまま
「居酒屋いってこい、
行けば帰りに勝手に客がついてくるから」
と言われたり

ドレスのままパチンコ屋で
出てる人の隣に座らされたり。

確かにその人は
後でお店に来てくれたけど
本当に恥ずかしかった。笑

———

でも一番の衝撃は
入店して1週間くらいした時——

お店が終わって帰ろうとしたら
営業が終わった店内から
社長の怒鳴り声が…

「おい!小紫!
 あいつをNo.1にしたいって言ったよな?
 あいつは絶対売れるって言ったよな?
 じゃあ、なんで
 しっかり売れるようにしてやんねーんだ!
 お前が言ってたのは口先だけか!」

小紫さんを怒鳴っていた。

すぐにあたしのことで
怒られてると察したあたしは
泣きながら止めに入った。

「あたしのことなのに
 なんで小紫さんが怒られるんですか!
 あたしがダメなら
 あたしを怒ればいいじゃん」

あたしのことで人が怒られるなんて
本当にびっくりした。

泣いたのは普通に社長が怖くて涙でちゃったんだよね😇
———

後に聞いたんだけど
あたしをやる気にさせる
小芝居だったらしい。

純粋なあたしは
すっかりひっかかり

次の月から
No.1になる。

ほーんとあたしって単純😀
あたしの涙かえして。笑
———

でもこのお店が最初で
よかった。

最初が厳しいとそれに慣れるし

なによりとっても学びになった。
人として大切なこと。
たしなみ。
普段経験出来ないような世界。

沢山驚いていっぱい楽しかったです。
ありがとうございます!

スキ・フォロー・コメント頂けたら嬉しいです🤍

お通しを作る小紫さん


———

p.s. 亡くなった小紫さんに捧ぐ

小紫さんに恥じないように
あたしはいつも頑張ってるよ。
他店でもNo.1になったよ。

あなたが育ててくれたから。

あなたが凄かった証は
あたしが頑張り続けることだと
思ったから。

———

この先も、今も
頑張れているのは

あたしが退店して10日後…
27歳という若さで
不慮の事故で会えなくなってしまった
小紫さんのおかげです。

ガラケー時代の画像


ガラケー時代の画像Part2


#4【実録】地元最大級の店に移籍したら嫌われた話につづく…

#創作大賞2026
#エッセイ部門

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